夜明けのスキップ

第二章に入りました、お天道様と共に歩みます。

あの日あの時。。。

2012-08-19 07:35:45 | 私寄り
外見からはほとんど病気と無縁な私である。
今思えばまるで他人様を見ているような出来事だった。。。

6年前の夏、夜勤明けでなかなか寝つきの悪い日々、何か運動不足かもな?
朝方立ち寄ったコンビニの書籍コーナーでふと目についた「安眠のためのリンパマッサージ」なる一冊500円の本、早速寝る前に本の解説を見ながらのマッサージ、すると脇の下から胸へ向かって、ん!??  「確かに何かさわる」
何故かその時、自分自身の中に不安というよりたぶんだろうみたいな直感めいたものが‥
その日の夜、職場の休憩時間、いつものテーブルのみんなに
「なんか胸にしこりがあるんだよね、明日病院へ行ってくる、たぶん間違い無いかも」
何をまたいつもの冗談をこの人みたいな雰囲気で・・・
次の日、夜勤明けにもかかわらず乳腺外来を受診
挟みこまれると涙が出そうなくらい超~痛いあのマンモ、いまだに恐怖ですが
診察室で出来上がった画像を見るなり、くっきり写った白い影に先生が
「モコモコさん、はっきり言うけどこの形は専門医の目から見てほぼ悪いほうだね」
たぶん医者の常套句であろう「よく見つけたね」も最後に
「先生やっぱりビンゴですか」
覚悟はあった、何故か涙も何も出ない、気は張っていた、やっぱりそうだったか感。
1.4センチ程のしこりはいびつなごつごつした形だった、それからの注射針での細胞診、MRIと進み、乳がんが確定の手術となった。
検査確定後の職場での休憩時間
「やっぱり間違いなかったよ、必ず元気で帰って来るから、見舞いはこなくていいよ」みんなどう答えていいかわからいような引きつった笑い顔だった。
その時期、娘は他県で一人暮らしの大学2年生で前期テスト直前だった。
これは誰にも心配かけれんなと、先生に「一人で来て一人で入院してもいいんですか」
先生は「いいよ、かまわないよ」と、ならばそのつもりでいた。
入院前日の説明での看護士さん、ものっすごい神妙な面持ちで「大変でしたね、びっくりしたでしょう」って、あんたのその顔にビックリだよ、もっと深刻にせないかん?みたいな、一人で入院しますといったら、ドン引きされて「すみませんが誰か親族のかたに連絡していただけませんか」と、やっぱり一人ってダメなの?先生はいいといったのに、で、結局看護士の神妙な顔に押されて、兄と姉達に連絡、兄はいつもは海の上なのだが休暇中だった。
手術前の温存か全摘かの説明には、兄嫁と一緒に先生の説明を聞いた、「先生ならどうされますか」「僕の妻だったら全摘にします」「だったら全摘でお願いします」さらっと進む会話に横で聞いてた兄嫁はびびってしまい「モコモコちゃん姉さん達が帰ってきてから一緒に相談したら」と、まぁでも全摘がいいのなら全摘だろう。手術の日は、東京の姉と兄夫婦がついていた、娘は前期テストを終えての術後一週間目でのご対面だった。

と、まぁこんな告知を受けてからの手術に至る顛末、病気への恐怖はいうまでもないが、それよりも何よりも果たして仕事に復帰して生計を維持することができるのか、そこ一点のみだった。今にして思えば、乳がんに対しての何の知識も無く、ネットさえもってなかった、医者からの一方通行の情報のみだったのだ、今こうしてあらゆる情報を探れたのならば、また違っていたのだろうか。
ただ一ついまだ消えぬ不安は、手術後の治療で抗がん剤はしてもしなくてもどっちにしますかで、やっていないのだ、ホルモン剤治療のみ、やっておけばよかったは今だに引きずっている、やるべきだったな・・・。

この病に罹られた方達誰もが背負う、いつか再発のこの不安はやはり消えることはないですね。
おそらく病状のステージがその有り様をだいぶ左右するのでしょうが、とにかくみなさん強い!
ブログの病状日誌なるものに真正面から向き合えず、避けよう避けようとする自分がいるのですが
余命宣告を受け、生死の狭間で闘っていらっしゃる方達の心情とはいかばかりなのか、想像するのが怖いのだ
よくよく突き詰めて、今だにピンクリボンのシールを貼った車が正視できず
日々の生活でまるで忘れたが如く気丈に振舞えるのは、
実は怖くて弱い弱い自分の心を隠すためなのかもしれない。。。

こんな湿っぽい事を書くつもはなかったのですが、実はお盆前から体調不良で休んでいた職場の同僚が、休み明けの検査結果で恐らく職場復帰は無理であろう病を患ってしまい、私自身、日々すっかり忘れていた「貰った命」が思い起こされちょっぴり切なくなっておりました
 が、また逆に改めて、生きるぞー!と力も湧きました。。。。(長々とスミマセン)


7 コメント

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Unknown (伊豆の花)
2012-08-19 08:38:02
人間は、本当に、いろいろな体験を経て生きているんですね。
悩んで生きるのも、のほほんと生きるのも、苦しんで生きるのも、基本的には、自分では選べないものだと思っています。
しかし、誰もが決して避けることが出来ない最終の日まで、その中で楽しむ事、喜び笑える事は自分で見つけられるのではと考えます。

私の家系では、祖父と妹が、自ら命を絶ちました。
のほほんと生きている私でも、その血脈が受け継がれているのではという恐怖を忘れることができません。でも、それに怯えるのではなく、それも有りと受け入れることで、日々の恐怖を小さくしています。

打ちひしげたり、強がったり、泣いたり、笑ったり、怒ったり・・・そんな人生が送れることが最高です。
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Unknown (ソナタ)
2012-08-19 10:51:50
お早うございます。
私はモコモコさんと知り合ってから、病気を抱えながら、厳しい深夜勤務を続けている方だなとずっと感心していました。
でも自らの力で娘さんと二人の生活を支えて来た自負心、自信は他には変えがたいご自分の精神的な支えになっているのではと思います。
今日の記事から、モコモコさんを心配し、支えてくれるご姉兄が居ることを知り、少し安心しました。
何よりも自分で発見したのは立派だったですね。(私もそうなので、自慢しています)
不安は一杯あるけれど、体調が悪ければ診察してもらい、とに角精一杯日々を生きて、自分の人生を自分なりに楽しみましょうね。
その内、自分が抱えている病気を忘れる時間が徐々に長くなることを祈ります。
(私が温存療法を受けたのに比べて、全摘の方はなかなか難しいのかも知れませんが。全摘後30年、昨年まで働いて来た友人には励まされています)
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Unknown (モコモコ)
2012-08-19 22:39:50
伊豆の花様今晩は
いろんな体験をしいろんな思いを抱えながら皆さん生活しているんだと改めて思います。
幸いにも悲劇が喜劇になるような性格なのか、結構現実的に物事は受け入れその時は一心不乱で突き進むのですが、終わってみればどこか滑稽な自分でもフフッとおかしな結末になっていることがよくあります。
そうですね、笑ったり泣いたり怒ったり打ちひしげたり‥何気ない日々の生活そのものが送れることが最高の人生なのかもしれません。
実は「貰った命」この言葉が恩着せがましくてあまり好きではありませんが、今回の同僚のことでちょっと考えさせられました。

このブログのご縁で、いろんな生き様を見させていただいておりますが、その時々でいろんな力も頂いております、とてもいい時空間大切にしたいと思います。

ソナタさん今晩は
その時は必死で何が自分を奮い立たせて突き動かしたのだろうかと、今考えるとよくも夜勤やってるなとぞっとしますが今の自分にはこのやり方しかできないなとも思っています。
実は結構日々病気のことを忘れていることが多いです、不自由を感じることは殆どありませんが、温泉に行くのがちょっとためらいます、一人ゆっくりと露天風呂に浸かりたいです。
ソナタさんも病のいろんな苦悩を経てこられたのだと思いますがそれをもろともせず、精力的な有意義な第二の人生は、私の目標とするところです。
ブログでのこんな出会いもまた素敵だと思っております、大切にしたいです。
ソナタさんもどうぞお体ご自愛下さいませ。
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Unknown (てげてげ)
2012-08-19 23:05:30
こんばんは(*^^)v

モコモコさんの経過痛い思いで読みました。
私も全く知識がなく自分で納得していない事も後からわかり、今でも全摘していてらまだ不安が少なかったかもと思ったりします。時々は情緒不安になりますが、お互いに無理をせずに出来るだけ楽しく過ごしたいものですね。それでも、落ち込んだら遠慮せずにここで吐き出しましょうね。(*^^)v
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Unknown (モコモコ)
2012-08-20 07:43:22
てげてげさんおはようございます
あの日を思い起こさせてしまいましたね(スミマセン)
今思えば当時は知らんもんの強みで押し切っていました。
ただ私のこんなどこかおふざけな性格、湿っぽい気分は全くなくただただ突き進むのみでした。
健康のありがたさを身にしみて実感しましたね、回りの人達に助けられるも素直に受け入れられるようにもなりました。
大変な病ですが学ぶことも多いですね。
今では温存と全摘は生存率には変わりないことが判明しているそうです、ご安心を!
てげてげさんおもしろ楽しく、時には大泣きもしながら、頑張いもそ!!
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Unknown (Mk)
2012-08-20 09:31:57
何て言っていいか分かりませが夜勤をしながら
病気になって大変不安だったと思います。
でも、これからはイロイロと検査をして気を付けて下さいね。私も実は週に3回3時間半の人工透析をしながら生きていますよ、お互いに頑張りましょう。
モコモコさんファイト!!
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Unknown (モコモコ)
2012-08-20 12:19:54
MK様こんにちは
いやいやなんか病状日誌めいてしまって申し訳ありません。
また、ファイト!のエールは有難うございます。
ごらんの通り(見えませんね)こんなどこかおちゃらけたふざけた性格でとても助かっております、思い詰めて遠くを眺めるなんてしゃれた事が似合いません。
実は健康オタクなところがありまして、一月保険証を使わない月がないほどなのですよ。
MK様、定期の透析大変ですね、でも楽しいお仲間に恵まれてとても心強い事と思います。
どうかお体 ご自愛下さいませ。
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