都内の大学へ進学した恵之助。
小学生までの天真爛漫さは消え、
人見知りが激しくなっていた。
大学の入学式、誰一人として知り合いはいなかった。
「このまま人見知りの激しい自分でいいのか?」
「ここが自分を変えるチャンスじゃないのか?」
「ゆけ!恵之助、話しかけるんだ!」
と、心の中で自分に言い聞かせ、
思い切って、右隣に座っていた小柄な男性に
「よろしく」
と声を掛けた。
「あっ、ああ、よろしく・・・」
と、ちょっとびっくりした様子だった。
のちにこの「マツ」とは、仲良くなったのだが、
この時を振り返り、
「恵之助が入学式の時に、話しかけて来たときはビビったぜぇ〜」
「おかまちゃんかと思った。」
「だって、俺の左ももにてを当ててきて『よろしく』って」
えぇぇぇ〜
そうだったのかー
全く意識せずに右手がマツの左ももに?
まぁ、いずれにせよ
勇気を出してマツに話しかけたことがきっかけで、
大学生活で友達の輪を広げていくことができたのでした。
つづく。