虹パパの日記〜「きれいなおじさんは苦手ですか?」〜

【小説】日の丸恵之助(ひのまる めぐみのすけ)物語〜その19〜

1年浪人を経て、
都内の大学へ進学した恵之助。

小学生までの天真爛漫さは消え、

人見知りが激しくなっていた。

大学の入学式、誰一人として知り合いはいなかった。

「このまま人見知りの激しい自分でいいのか?」
「ここが自分を変えるチャンスじゃないのか?」
「ゆけ!恵之助、話しかけるんだ!」

と、心の中で自分に言い聞かせ、
思い切って、右隣に座っていた小柄な男性に

「よろしく」

と声を掛けた。

「あっ、ああ、よろしく・・・」

と、ちょっとびっくりした様子だった。

のちにこの「マツ」とは、仲良くなったのだが、

この時を振り返り、

「恵之助が入学式の時に、話しかけて来たときはビビったぜぇ〜」
「おかまちゃんかと思った。」
「だって、俺の左ももにてを当ててきて『よろしく』って」

えぇぇぇ〜
そうだったのかー

全く意識せずに右手がマツの左ももに?

まぁ、いずれにせよ
勇気を出してマツに話しかけたことがきっかけで、
大学生活で友達の輪を広げていくことができたのでした。

つづく。

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