NPO法人大雪山自然学校 旭岳自然保全員ブログ

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【大雪山国立公園・旭岳情報】雪の下

2021年06月25日 | 大雪山国立公園旭岳・天人峡情報

【日付】2021/6/25(金)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】曇りのち霧
【気温】12℃
【風速】7m/s
【積雪】~80cm

花の状態は雪の話以下にあります。

6月の下旬ですが、雪が結構残っています。ちなみに今年は残雪が多い気がします。過去のデータを見ると、

やっぱり今年は多いですが、旭岳と少し似ている層雲峡を見ると過去(2013年など)にはさらに多かったかも知れません!

でも、ある残雪は一つの層ではなく、強度などが場所によって変わります。雪の上の歩きやすいところから30センチ離れても、腰まで踏み抜くところもあります。特に空洞はありますね。

こちらの監視員は散策路に雪の空洞が見つかれば、周りの雪を崩してできる限り安全に歩けるようにしています。現在は雪割作業のピークシーズンですね。しかし、空洞のできるところは無作為ではなく、地形が関係しています。雪の下の地形が分かったら、空洞のある可能性も考えることができます。

空洞がよくある地形

段差・凸凹

初雪の時でも段差のところには小さい空洞があり、周りの雪は空洞の影響によって弱く踏みやすくなります。その様子はこちらの散策路の階段ではよく見かけますが、スノーシューでハイマツまで踏み抜く時も同じ原因です。

流水

春になったら、雪解け水は地面の上に流れて、積雪の下部も解けて穴が開きます。逆に水の溜まるところでは下部の雪とまざって硬いアイス層になります。

姿見園地の外ですが、空洞の大きい場所は裾合平方面にある涸沢です。現在はただの雪渓に見えますが、実際に1メートル以上の空洞があるので、その上のスノーブリッジの厚さは20センチしかないところもあります。


空洞に入るのは危険です!

私たちの監視員は一ヶ所穴を開けて、沢から出られるようにしましたが、他のところはとても危険だと思います。しかも、涸沢以降も雪渓があるので、そちらの方に手が入っていないのです。裾合平や中岳温泉方面に行く方は十分ご注意ください。

 

お花

山の花は雪の解けたところに咲いてきました。咲くのが早いキバナシャクナゲとメアカンキンバイはもちろんですが、探すとチングルマも見えます。



メアカンキンバイ


チングルマとキバナシャクナゲ


イワヒゲとメアカンキンバイ

旭岳自然保護監視員:Richard



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