「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所
きのうの生徒さん、「長男」・・・「長い男の子」だけでなく、楽しい例は他にもあります。
「人工」の反対語は?・・・「・・・?・・・人工衛星!」
「うーん。人工は人が作ったものだから・・・」「人作!」。知恵を総動員して答えます。
「山や川や海は、人が作ったものではないよね。そういうものを・・・?」「・・・?」
「自然って言うよね。だから、人工の反対は、自然」「ふーん、自然か。そうなんだ・・!」
「そうなんだ」と言いながらも、言葉としてピンと来ていない様子です。ですから、同じワークを宿題にして、同じような説明をもう一度ご家庭でも繰り返してもらいます。そのためにも、生徒さんの反応やこちらの説明をワークの余白にメモしながら授業を進め、親御さんにも細かく報告します。楽しく、笑いながらの報告です。
「未来の反対は?」「天国!」
どういう回路か、この生徒さんの中ではこういう理解になっています。何か、遠い次元のものとの結びつきなのでしょうか?定かではありません。
そこで、具体的に説明します、
「今、○○くんは小学校6年生でしょ。それが、中学生になって、高校生になって、大人になって・・・と、今から先のこと、今から後のことが未来。そして、小学校2年生だったり、幼稚園だったり、赤ちゃんだったときが過去。だから、未来の反対は、過去!」
「かこ~?!」なんだか初めて聞くことばであるような反応です。でも、どこかでは見聞きしているようで、その場で教えなくても漢字では書くのです。生徒さんの中には、語彙がぱらぱらと、関連しないで入っているのです。
関連していない語彙、しかしそのことをマイナスに捉えないでプラスに捉えましょう。関連していなくとも、とにかく語彙は蓄えらていっているのです。そもそもこの生徒さんの問題は、語彙が極端に少ないことにあり、そこからのスタートだったのですから。
国語に限らず、こうして学習を日々繰り返す、この言葉のやりとり自体が大きな言語トレーニングになっています。まだ関連していないところがあるとは言え、ずい分関連付けられてきてはいます。
日常会話ももちろん言語トレーニングになっていますが、学習の場での言葉のやり取りは文字を通し、図を通し、またゆっくりと言葉を選んで進められますから、視覚的にも聴覚的にも、トレーニングの密度は日常よりも高いものとなります。
しかも、日常では経験しないさまざまな世界を切り取って対象とする学習においては、日常では触れない言葉を経験することができます。そこからやがて、抽象的な言葉や概念的な言葉も獲得していくことが出来ます。
叱らないで学習させる、ましてや楽しく学習をさせれば、子どもは聞く耳を持ち続けることが出来ます。反対に、学習を苦痛にするようになると、生徒さんはまるでスイッチを切るかのように脳の働きをストップさせてしまいます。
お子さんの名答を楽しみ、一緒に笑いながら、学習に取り組んでいきましょう。その方が脳はいっそう活性化されてずっと効果があがります。
造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
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