生活家電 ライフスタイル
日々の生活に欠かせない家電のひとつが冷蔵庫。他の家電とは違い、使い勝手が悪いからといって使わないわけにはいかない。24時間稼働し続けるうえに、食に直結するだけに、自分の生活に合った冷蔵庫を選ぶ必要がある。だが、中には冷蔵庫選びで思わぬ失敗してしまった人たちもいるようだ。いったい何がダメだったのか、生の声を集めた。
「観音開き」で逆に出し入れしにくくなった?
「『冷蔵庫を買う時は相談してね』って言ったのに、夫が勝手に注文してたんです……。おかげでというか、私にとっては使い勝手がすごく悪くて苦労しています」
そう嘆くのは、60代の女性・Aさん(主婦、都内在住)だ。以前の冷蔵庫は、購入後20年が経っており、そろそろ次の冷蔵庫の購入を検討していたところへ、突然大きな冷蔵庫が届いた。
「夫に『冷蔵庫を買う時は私も一緒に見に行くから』と伝えていたのですが、家電量販店に行って、一人で決めてきたんです。夫は私より自分の方が家電に詳しいと思い込んでいるようで……。詳しいかどうかより、使い勝手じゃないですか。全く料理をしない夫が選んでどうするのか……。新しい冷蔵庫が届いた時から、嫌な予感がしていました」(Aさん)
その予感は現実のものになった。Aさんの家のキッチンは、冷蔵庫を置けるスペースがきっちり限られており、両サイドが区切られているという厄介な設計だったからだ(別掲写真)。
「これまで使っていたのは片開きタイプでしたが、新しい冷蔵庫は両扉が開く観音開き。どちらの扉も90度までしか開きません。加えて、どちらの扉にも内側にはポケットがたくさんついていて、これが邪魔をするため、中のものがすごく出し入れしにくいんです。片開きなら、90度でも大きなものを出し入れしやすかったのに……」(Aさん)
片開きと観音開きについて、ある家電量販店スタッフはこう説明する。
「基本的には、観音開きは大容量タイプのもので採用されている設計です。400リットル台の冷蔵庫なら片側開きのものもたくさんありますが、500リットル以上という大容量タイプのものになると、扉の重量が出てくることもあって、観音開きが多くなってきます」
背が低くて上段に届かない落とし穴
夫婦の身長差から、冷蔵庫の使い勝手に差が出るケースもある。30代の女性・Bさん(メーカー勤務、神奈川県在住)の夫は身長176cm、自身は148cmと、かなりの身長差がある。
「あまり深く考えず、大きくてスタイリッシュな冷蔵庫がかっこいいと思って、新婚当初に買いました。でも容量が大きい分、高さもあるので、上段に食品を置きにくい。置いたが最後、何を置いたか分からなくなって、そのまま腐らせてしまったりすることもあります。今では、上のほうには夫が私に食べられたくないものを入れているみたいです(笑)」(Bさん)
なお、前出・家電量販店スタッフによれば、この「上段のものを取り出しにくい」という問題は「確かにある」という。
「なかには、通常は野菜室にあるようなコンプレッサーを上部に配置することで、あえて最上段の奥行きを短くしているものもあります。そうすることで、最上段の奥が見えないとか、ものが取り出しにくいという悩みを解消してくれるわけですね。冷蔵庫選びは容量やライフスタイルによる視点も大切ですが、使う人の体格も大事なポイントです」(家電量販店スタッフ)
正解がわからない「野菜室の位置問題」
40代の女性・Cさん(都内在住、デザイナー)は、最近、20万円ほどで冷蔵庫を買い替えたばかりだが、野菜室の位置はどこにあると使いやすいのか「いまだにわからない」という。以前は野菜室が一番下のものを使っており、今回は真ん中にあるタイプだ。
「私は野菜室をよく使うので、一番下だとわざわざかがまなくてはならず、面倒だなと思っていました。その反省を踏まえて、野菜室が真ん中にある冷蔵庫に買い替えたんです。自動的にメイン冷凍室はいちばん下になりますが、そうすると、冷凍室に一度入れるともう取り出さなくなるものが増えた気がします……。慣れだと思いますが、野菜室と冷凍室の位置は悩ましいですね」(Cさん)
またCさんの購入した冷蔵庫は、扉の素材が強化ガラスだったため、マグネットがつかなかった。
「ストレスとまではいきませんが、それまで当たり前だったことが当たり前じゃなくなっていたのは驚きました。それほどいろいろ貼り付けたいわけではありませんが、ちょっとしたメニューを書いたメモなど、やっぱり貼れたらいいのに……と思うことはあります」(Cさん)
Cさんが、最近の冷蔵庫選びの苦労を振り返る。
「大型冷蔵庫になると、普通の冷蔵室と冷凍室に加えて、急速冷凍室とか、チルド室とか、正直、あまり用途がよくわからない小さな冷凍室までついています。私が買った冷蔵庫にもそれらがついていますが、いまだに使いこなせていません。私が見た冷蔵庫のなかには、USBポート がついているものもあって、冷蔵庫の進化にしみじみしてしまいました。扉を開ける時のタッチオープンなんかはちょっと便利かなと思いましたが、機能が増えすぎるとついていけなくなりそう。個人的には大型冷蔵庫だからといって多機能ではなく、シンプルで価格を抑えたものがあればベストです」(Cさん)
ワンルームの冷蔵庫選びでは「音」がポイントに
冷蔵庫の音の大きさに驚いたという人もいる。30代の男性・Dさん(IT企業勤務、都内在住)が、20代の頃、ワンルームに住み始めた際の冷蔵庫選びの苦悩を振り返る。
「ワンルームということは寝室とキッチンが隔たりなく、同じ部屋にあるわけです。僕が住んでいた間取りだと、冷蔵庫とベッドの位置が近かったので、夜中の冷蔵庫のブーンという音に悩まされたことがありました。そこで初めて静音性の大切さを知りました」(Dさん)
Dさんはその後、家電量販店をリサーチして、一人暮らし用の冷蔵庫では静音性に限界があることを知り、引っ越しのタイミングで、二人暮らし用の大きめの冷蔵庫を購入した。しかし、またしても不都合が生じた。
「大は小をかねると言ったものですが、冷蔵庫内がスカスカすぎてもったいない。しかも狭い部屋なので、冷蔵庫でスペースが取られてしまいもっと狭くなりました。ワンルームの冷蔵庫選びは難しいと痛感しました。結局、その後もう一度買い換えることになり、静音性に定評があるメーカーの1.5人分くらいの容量の冷蔵庫に落ち着きました。一人暮らし、特にワンルームに住む予定の人は音の観点は大事です」(Dさん)
ずっと家の中で稼働し続けているものだけに、ちょっとしたマイナス部分が日々のストレスにつながりやすい冷蔵庫。家の間取りはもちろん、各家庭の使用状況に応じて最適なものを選びたい。
2021/10/07 15:00 (マネーポストWEB)
主婦 一人暮らし 磁石
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