5月16日は、ロバート・フリップ(G)の誕生日。
私のような世代には、プログレの中でも、70年代のキング・クリムゾンは、高いプレイヤービリティに加え、深みのある歌詞、完成度の高い楽曲などで別格的なバンドでした。
実質のバンドリーダーであるロバート・フリップは、ロック界のインテリジェンスと捉えられてもいました。
キング・クリムゾンは、数多くのメンバーチェンジを経て、1974年に解散をします。
80年代は、音楽ビジネスがバブルに突入する時代でもあり、受けのいい売れることを主眼とした「産業ロック」と呼ばれるバンドが多くいました。
60~70年代に活躍したバンドが、この頃に復活をし始めるのですが、以前は政治的だったり、メッセージ性があったバンドが、復活を機に、メロディアスかつアレンジ華美な売れ線に転向し、あまりの変わり様に、それまでのファンからは批判を受けることも多かったです。
80年代に入り、ロバート・フリップが新しいバンドを組んだという情報が音楽雑誌に掲載されました。
当時このバンドは、「ディシプリン」(訓練、鍛錬)と名乗っていましたが、その後「キング・クリムゾン」に変更されます。
日本では、これに対し、とうとうクリムゾンも...、という反応が多かったと記憶しています。
そして届けられたアルバムが、この「ディシプリン」でした。
当時、このアルバムは、かなりの低評価が下されていました。
ロッキンオン誌では、「高性能便所」という見出しの批評が掲載されました。
言い得て妙ではありますが...。(四本さん、元気ですか。)
70年代のクリムゾンと比較すれば、仕方がないところですが、もう一つ批判の種があり、それは新メンバーの一人が、髪が薄いうえに、薄ら笑いで演奏する軽さから、クリムゾンにふさわしくないと敬遠されていました。(>_<)
更に、この人が書いた1曲に日本語の歌詞があり、曲とともにそれがとてもクリムゾンにはそぐわない内容でした。(>_<)
まぁ、こういう背景もあり、フリップ翁も金に魂を売った、というのが当時の状況でした。
実は、私は、そこそこ好きでした。(#^^#)
A面1曲目はちょっと変わった毛色で言葉遊びみたいな歌詞にゾウの鳴き声のようなパオパオギター、続く2曲目は豪快かつカッコイイ演奏バトル、そして最終曲「ディシプリン」は、ミニマルで、聞いているとなにかリピートしたくなる曲です。
ちなみ、当時「ミニマル」という用語は知られていましたが、「ポリリズム」という用語はまだなかった(知られていなかった?)と思います。
ただし、あの1曲だけは、どうしても体が受け付けません。(>_<)
現在、このアルバムは、よい評価を受けているようですし、このアルバムが好きな人も多いようです。
時代とともに評価が変わる、というよい例かも知れません。
※2009年版
中央のマークは、エンボス加工
キング・クリムゾン King Crimsonの基本情報はこちらから
「ディシプリン Discipline」の基本情報はこちらから
「ディシプリン」の中の曲「Elephant Talk」はこちらから
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