美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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“自分らしさに気づくために”のつぶやき

2017年10月09日 00時50分20秒 | 日記
“自分らしさに気づくために”のつぶやき


『楽しいことが才能』
継続すること、継続してしまうことが重要で、何よりも説得力がある。
目的意識ではなく、そうしたいからしてしまうこと、
自分を突き動かしている「欲求・衝動」を
与えられたものだと考えると
寸暇を惜しんでやってしまう
好きなこと楽しいことが才能。

『ラ・グルヌイエール』 1869年 ピエール・オーギュスト・ルノワール

『嬉しい、楽しいは、絶対的に正しい』
感覚的知性を磨くことになる。
人工知能が、まだ人からほど遠いのは
「楽しいからやる」「嬉しいからやってしまう」
「誰かが喜ぶからやる」といった感覚が人として大事なこと。
だから誰かが喜ぶから、自分も喜ぶから、
楽しいこと嬉しいといった感覚を見直す。

『君はなぜ描いているのだ』
師匠からの問いに対して
「楽しいから」と答え、破門されたルノワールは、
モンマルトルのカフェで芸術論をぶつけ合い苦悩する前衛画家たちの中で
幸せそうに絵を描いていた。
そんなルノワールは絵画に輝きを与えた。

『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』 1876年 ピエール・オーギュスト・ルノワール

『あれこれできないといった思い込み』
先のことを漠然と考えると不安になる。
できる、できないかを考える前に
やれることから始める。
続けていれば、理想とするビジョンへの筋道がみえてくる。
一日一日、真っ当に生きている実感が未来の希望になっていく。
毎日の意図の繰り返しで、成長していく。

『絵を描くことも』
仕上がった達成感というよりは
「もっと良くしたい、もっと描きたい」
といった過程で成長が加速し続ける。
だから新作を描き続けるクリエイターは高齢でも元気な人が多い。
「幸せを感じるのは成長が加速する時、止まれば消える」
フランスの経済学者ダニエル・コーエン氏の言葉

ピカソのアトリエ

『近所の窓明かりが』
夕暮れ時、二階の部屋のベランダ越しに観える。
以前、訪ねたパリ郊外にある
様々なジャンルのアーティストたちが集う
アトリエ長屋の明かりの記憶がよみがえって心地いい。
郷里にいた頃は、いつも外には
壮大な桜島が様々な姿を魅せていた。
今は、東京の郊外の風景を観ながら英気を養う。

『積極的な面倒くさい』
は「やりがい」に代わる。
面倒が起らないように面倒くさいことをやっておくことと
面倒が起きてから、面倒くさいことをやらされることとは
雲泥の差がある。

『バベルの塔』 1563年 ピーテル・ブリューゲル

『人の話を聞かない幼児に比べて』
経験と知識が豊富な大人ほど見たものを歪めるフィルターが多く重なっている。
意識してよく観て、思い込みを剥がしていかないと
脳の劣化を進行させてしまう。
立ち止まったり、どうしても前に進めなかったり何もかも忘れたい人は
怠け者なんかじゃない。正しい。

『子供十態:雪ん子』 1929年 藤田嗣治

『モネの思いが込められた3枚の絵』
妻と子と過ごす時間、溢れ出る幸せ、
その瞬間を描いた4年後に妻はこの世を去る。
その7年後に亡き妻の面影を風景画のように描いた。
顔が描かれていない。
その後「人物画のルノワール、風景画のモネ」といわれたように
ほとんど人物を描いていない。

『散歩、日傘をさす女』 1875年 『パラソルを差す女(右向き・左向き)』1886年 クロード・モネ

『文化的な日常を過ごす』
心が満たされる生活とは、
高いお金を使って物質的な贅沢をすることではなく、
いつでもどこでも心の贅沢ができる感覚が、
いつの間にか磨かれていく日常を過ごす。
本当にほしいもの、求めているものは、
文化的な日常で身につけられる。

『疲れたらしっかり休んで』
やるなら笑ってやったほうがいいに決まっている。
明るい未来をイメージすることが 安心につながる。
無理をしないで、今できることから考える。

『そんなことで?』
でも、その人にとっては幸せなのである。

『燕子花図屏風』1701年と1702年の間 尾形光琳

『お父さん、おやすみなさい』
寝る前に毎晩、仕事をしているところにきて声をかけにきてくれる家族。
どれだけ、その一言で色んなことを取り戻せているか、
その嬉しい気持ちをいろんな形で伝えていきたい。

『誰かの出した答えを目指す必要はない』
答えはいつも自分で創造していくもの。
戦争の悲しみ、憎しみ、悔しさ、苦しさ…が表現された『ゲルニカ』
ドイツ兵から「この絵を描いたのはお前か。」
と聞かれた近代美術の巨匠ピカソは
「この絵を描いたのは、あなたたちだ。」と答えた。

『ゲルニカ』 1937年 パブロ・ピカソ

『何か才能や技術がないと創作、表現をすることが出来ないと』
勘違いをしている方がたくさんいる。
絵にしても小説にしても遊びにしても大切なのは突き動かす衝動であり、
その衝動を誰かに伝えたいという欲求があること。

『ひまわり』

『好き!が未来を切り開く』
19世紀の西洋画家たちは、産業革命による写真の発明により失業していく。
仕事のためではなく、
自分の信じる絵を描き続けたかった画家たちは
独自の絵画様式を探求し始めた。
何を得たかではなく、何を与えたかで違いがでる。

『ラ・ジャポネーズ』 1876年 クロード・モネ

『印象派の画家たちは失業者だった』
19世紀に写真が発明され、それまで依頼されてきた肖像画、風景画などの
仕事が減少し職を失った。
クライアントがいないのだったら
自分が好きなもの、家族や友人、信じる絵を追求しようということになる。

マネ

『物足りなさや空しさは』
創造性を磨く時間を増やすことで解消されていく。
絵を描いたり観たり、ブログ、料理、園芸、筋トレしたり
音楽を聴いて、ぼ~っとイメージするだけでも創造性は磨かれる。
穴を掘るだけでも可視化される創作は
更に心が満たされていく。
そんな時間を無駄だと思い込まないこと。

『芝生』 2009年 文田聖二

『それまで出来なかったことが自分の伸びしろ』
出来ていないことの見直しが成長につながる。
悩むのではなく、
視点を変えて新しい情報を受け入れて
考えればいい。

『自信って、過去は関係ない』
未来へ向かう力だから、
自信は未来に向けて持つか持たないかだけ。

『二つの生きる』
「最初の死は、医学的に死亡診断書を書かれたとき
最後の死は、死者を覚えている人が誰もいなくなったとき(永六輔さん)」
の考え方は、世の中の朽ちていくモノすべてに通じる。
人や物は、永遠に生き続けられないが
その想いは、誰かが引き継いでいく限り生きる。

『好き、楽しいと感じることで五感が磨かれる』
つまらなくなると脳も感触も引きこもってしまうらしい。
脳も筋肉、モチベーションが高くなると発達していく。
絵もどれだけ五感を複合的に連動して描いているかで、
その表現の説得力に差が出る。

『記憶の固執(柔らかい時計)』 1931年 サルバドール・ダリ

『自分も相手にも』
楽しい、嬉しいと思えることができる人は、幸せ者。

『みんなクリエイターになれる』
創作は、本質に向かうから面白い。
本質に触れると楽しい。
芸術、芸能、スポーツなど特殊な分野、職種だけではなく
日常的な生活、仕事そのものに創造性が求められてきている。
創造性を意識すると毎日の作業が創作に変わり、
やりがいや生きがいを感じられる。

『あれもできないし、これもできない』
実は「これもできるし、あれもできるようになっている」と考えて、
今の自分も相手も褒めてあげた方が、上を向いて前進できる。

『つらい時にも洒落ているイタリアのことわざ』
「どん底に落ちたら、もっと掘れ!」なんだか覚悟を感じるいさぎよい言葉

『やりがいと面倒くさいは紙一重』
誰かに指示されたり注意などをされたりしてからやることは、
面倒くさい。
誰かのために積極的に自分で判断してやることは
人に喜ばれ、やりがいになっていく。

『隣の時計をみない』
劇団四季の座長が、
それぞれのペースで成長していく大切さを語っていた。
他人と比較することで劣等感や不幸を感じてしまいがちで、
どんな状況でも
「今の自分から少しでも」といった“前へ”が
自分を成長させ楽しさに繋がる。

『日本では、自然の一部として一体感を感じることで』
情緒に感動し癒され、心で理解する情緒思考文化が栄えた。

『働くと汗をかく』
帰宅をすると小学生の息子が「お仕事のにおいだね。」と声をかけてくれる。
その優しい気持ちで仕事の疲れが吹き飛ぶ。
やっぱり思いやりや愛情が、元気な未来を創っていくと思う。

『イア・オラナ・マリア(我マリアを拝する)』 1891年 ウジェーヌ・アンリ・ポール・ゴーギャン

『自分という人間は自分だけ』
好きなことが才能
続けられることが実力。
癖は魅力
磨かれた感覚が、自分らしい幸せを見つける力になる。

『キュクロプス』 1914年 オディロン・ルドン

『誰かを想う気持ちで、自分も癒されていく』
脳科学の分野でも相手への感謝の言葉や褒めることが、
自分自身がそう言われているように脳が認識していくことが
やっと分かってきたようです。

 藤田嗣治

『周りの人より勝ことがいいと思い込み』
また、劣っているから駄目だと思い込み、
ついつい人と比べて辛くなってしまうが、比べないように意識したらすぐに楽になる。自分が少しでも成長し続ければいい。

『人に正解や決まった答えはなく』
あるとすれば
嬉しかったり、喜べたり、安心できること。

『日本人を見直す言葉』
坂東玉三郎氏の芸の目的は
「お客様に生きていてよかったとおもっていただくこと」


『実は意外なほど、意識し考えて判断していない』
「普通はこうだ。一般的にはそうするはず。」といった
漠然とした枠が、フロイトの分析した前意識。
思い込みにとらわれてしまうと
日常のほとんどを無意識に判断し行動してしまう。
思い込みを取り外し意識して考えること、
正直な判断が「思い」

『働けるありがたさ』
「仕事がある」「契約をとる」「オファーがある」、
それを目的にするというよりは、
そんなことの一つ一つのつながりを
「縁」「チャンス」と捉えて精一杯やらせていただくといった
思いの強さが、
生きがいや喜びに繋がっていく。

『普通の人に焦点を当てた』
評判の町娘の名前を出した肖像画を世に出すなどして役人ににらまれながらも
絵で庶民を元気にするために貢献し続けた歌麿。
歌麿の身近な存在、日常の当たり前を見直す発想が
日本文化として現代に引き継がれている。

『寛政三美人』 1793年 喜多川 歌麿

『道端の草木や石ころに心を引かれる人もいる』
好きなことで楽しむと感覚は磨かれていく。
「そんなことで」
その人によって心が揺さぶられるものは違う。
幸せは、頭で考えるものではなく心と体で感じるもの。
五感を意識して使うと気分がいい。

『磯遊び』 2009年 文田聖二

『誰かに言われたからやれるものでもなく』
望まれたからできるものでもない。
心が動かないと体が反応しない。想いが行動を生む。
一歩を踏み出せれば、あとは自分らしく続けるだけでいい。

『素直にやりたいことは始める』
専門知識やスキルがないと表現することが出来ないと
勘違いをしている人が沢山いる。
創作にしても遊びや仕事にしても
まず必要で大切なことは、突き動かす衝動があるということ。
その思いを達成したい、誰かに伝えたい、残していきたいという
欲求があるということ。

『一つ一つ、丁寧に過ごしている粋な人は』
悩む隙間さえない。
目の前のやれることをやらなかったり、後回しにしたりすることが
将来の漠然とした不安につながっていることに
気がつきにくい。

『どうでもいいと思っていたはずなのに』
なくなると空しくなる「好き」は
空気のように意識しなくなった頃にまだそばにいてくれて
何となく、ないと困るということに気がつくと
大切にしようと想う。その想いを持ち続けること。
普通で日常過ぎて「どうでもいい」ことが大切。

『積みわら、日没』 1891年 クロード・モネ

『日本の侍は、争いを望んでいたわけではない』
平凡に家族と過ごし変わりなく繰り返せる生活の幸福感をかみしめていた。
侍は、朝起きて出かける前に自分が惨殺されることを常に想定していた。
一日の仕事を終え自宅に戻ってこられたら、
無事に家族の元に戻れたことを感謝して、
毎日を大切に生きていた。

『幸せは、なりたくてなるものではない』
幸せは、感じるもの。
同じ状況なのに幸せを感じる人とそうでない人との違いは
幸せを感じとる感覚が磨かれていないから、
幸せだと感じない。
幸せを感じる感覚は
誰かに何かに強い想いを抱いているとき
何かに打ち込んでいるといつの間にか磨かれていく。

ターシャ・テューダー(1915年- 2008年) 絵本画家・挿絵画家・園芸家(ガーデナー)・人形作家

『思い込みに縛られないように』
新鮮な情報を伝え続ける絵や音楽、言葉の文化交流が人には必要。
絵や音楽、言葉を使う最大の目的は、
人に心を自由にする開放感をあたえること。

『未来のことを知っている人はいない』
だから先のことは自分で決めればいい。

『自分のことをアーティストだとは思っていない』
9.11以降、犠牲者のために1日1本、鉛筆の芯を彫刻しているアメリカの大工ダルトン・ゲッティ。
彼は、自分の国の犠牲者のために「自分に出来ることをみつけてやっているだけ」と語る。

ダルトン・ゲッティ

『歴史に残る作家は』
特別な才能があったということより
思いを伝えるモチベーションが極めて高かったといえる。
画家になる前にゴッホは牧師だった。
ゴーギャンは25歳頃までは株の仲買人、
ルソーは税理士で、世に出ている作品は50歳過ぎに描いたもの。

 フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャン、アンリ・ルソー

『一日、何かやりたかったこと』
一つでもできれば、それで上等
「今日はこれができたから、それでいい」
「明日は、これだけやればいい」
いっぺんにたくさんできることが偉いわけではない。
一つ一つ、実現していくことが大事。

『長岡の花火』 山下清
『すべて、思い込みが邪魔をしている』
他の人にとっては、どうでもいいものやことで、
随分と気持ちが晴れたり、心が穏やかになったりする。
一日に一つでもそんな出会いや気づきがあると嬉しい。
見直す意識があればそんなことが意外なほどある。

『花は咲く場所を選ばない、咲く時を知っている』
居るところで登ってゆけ、目指す自分の高みをもてばいい。

『子供は走る』
階段などで「走ると危ない!」と何度注意しても
子供は走り回ることが大好き。疾走する感覚を磨く大切な時期。
ゆっくりぶらぶら立ち止まりながら歩く気持ちの落ち着いた感覚も良いが、
周りのことを気にしないで全力で走っている時の感覚を思い返して
大切なことを思い出しそうになる。

『メリー』 2009年 文田聖二

『好きなことや気になること』
追及して極めれば極めていくほど、
未だ至らないところが次々と見えてくる。
純粋に楽しめないときもあるけど
気づいたことを一つ一つ乗り越えて続けていくことで
その喜びも楽しみも深く広いものになっていく。
気がつくことは辛くもあるが、新しい目標ができて嬉しい。

『情熱が人の心と体を動かす』
誰かに言われたからやれるものでもなく、望まれたからできるものでもない。
心が動かないと体が反応しない。
思いが行動を生む。
無理をしないで、楽に一歩を踏み出せれば、
あとは続けるだけでいい。

マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898年-1972年) オランダの画家(版画家)

『物も事も人によって価値が違う』
こんなことしかできない。
こんなものしかもっていない。
といった自分の勝手な思い込みで
価値を下げている。
好きなこと、楽しんでいたこと、
続けてやってきたことの価値は
自分が考えている以上に高い。

『好きであること』
思いを実現する力の源。
好きなものに出すパワーは果てしない。

『誕生日』 1915年 マルク・シャガール

『先のことは誰もわからない』
明るい未来を想うのか、将来にいつも不安を感じて過ごすのかで
今に随分と違いがでる。

『ほどほどがいい』
穏やかで暖かい日差しでの日向ぼっこは気持ちがいい。
日差しが当たらなくても暖かい部屋の中は気持ちが落ち着く。
たとえ寒くても嬉しい言葉や絵、映画や本で感動すると心が温まる。
暖かいは、絶対に正しい。
暖かいは、体も心も守って、強くしてくれる。

『つまらなくなると脳も心も引きこもってしまう』
好き、楽しい、嬉しいと感じることで心身ともに磨かれていく。
脳も筋肉、モチベーションが高くなると発達していく。
絵も視覚だけではなく、どれだけ五感機能を使って描いているかで
その表現の深さ、説得力に差が出る。
理解することで脳が喜ぶ。

『名所江戸百景 亀戸梅屋敷』 江戸時代(18世紀) 安藤広重

『学生時代に色んなバイトをして』
様々な人たちと共に働いた。問題がない職場はなく、みんな踏ん張っていた。
どこの誰だったかは覚えていないが
「どうせやるなら笑ってやった方がいいに決まっている。」
と言ってくれたことが今でも心を強くしている。

『ポッピンを吹く女』 江戸時代(18世紀) 喜多川歌麿

『大半の方が、絵を描くことを楽しめていない』
実際に描けているのに自信が持てない方も多い。
デッサン指導した社会人の皆さんから
「絵を観ることも描くことも楽しくなってきました。」
といっていただけるのが最も嬉しい。

Chapter3 見たいものしか見えていない

2017年10月09日 00時34分15秒 | 日記
Chapter3 見たいものしか見えていない
リサーチ力(観察眼:情報処理能力)
 「発見・展開・整とん」


 商品開発や出店、移転などする前にリサーチ(取材)がその後に多大な影響をおよぼすようにアート&デザインの制作及び、作品発表に於いても例外ではありません。デザイナーや造形作家は一点の大作を制作するために多量の資料を準備します。
写真などの図版資料、記録のためのスケッチやクロッキー、エスキース(企画、計画書)にそったディテール(部分)のエチュード(習作)を何枚も描きます(例えば、聖母像の手の表情や登場人物の顔の表情など)。

レオナルド・ダ・ヴィンチ (1452年-1519年) イタリアのルネサンス期を代表する芸術家

作家の作風は制作だけでなく、その準備段階の取材の仕方の違いも個性として表れます。料理人や冒険家などあらゆるジャンルにおいて、アマチュアとプロと呼ばれる人の違いは技巧より意外と取材能力にその差がでるのかもしれません。ここで重要なのは取材する物質的な量というよりは、その内容や仕方が作品完成へと向かっているかどうかということです。
漠然とした意識で進めてしまうと、取材することが作品イメージを具現化することにならないで、その量が増える(拡がる)とテーマが散漫になり迷っていく可能性があります。取材すると発見がたくさんあります。何かをみつける行為は基本的に楽しいので、その行為事体にのめり込んで目的を失ってしまいがちです。取材する内容がただ増幅するのではなく、テーマにそって必要な素材を選択収集しさらに吟味して切り捨てる作業も必要です。そこから派生していく内容やさらに掘り下げていくことで資料が増えていき作品イメージを他者に伝えていくための体制を整えていけるといいでしょう。
人生において、この先自分はどう生きていくのかという「表現」に必要な取材とは何かと考えてみるとその重要さ、表現の成功のための必然性のイメージができるはずです。取材は事を起こし、遂行するために必要なものなので一度準備すればそれで終わるのではなく、事が進むに連れて展開していくことや状況に合わせて、その事が達成するまで続けることでその効果がみえてくるのでしょう。常に目的のために情報収集するアンテナをひろげて、新しい情報の発見、蓄積された情報からの展開、そしてイメージを具現化するために取材から獲た素材(データ)の整とん(分析)を怠らないことが「表現」のクオリティーを高めていくことに繋がっていくのでしょう。
子どもの行動にも色々と興味深い要素を発見(取材)することができます。例えば、その仕種は、私が知っている映画や舞台の名優の演技(動きや発声)を「なるほど、原点はここか」と感じさせたりします。行動の展開の意外性からか、その可愛さの効果なのか、子どもを観ていてあきません。その仕種に「可愛さの秘密」、その展開(変化)、成長速度などに「あきさせない」パターンが隠されているのだろう。このような発見も興味をもつことから始まるが、その取材する対象への愛情の深さで観えてくるものも変わってくるのだろう。

“見たいものしか見えていない”のつぶやき

2017年10月09日 00時02分35秒 | 日記
“見たいものしか見えていない”のつぶやき


『凡庸な人間は』
「注意散漫に眺め、聞くとはなしに聞き、感じることもなく触れ、味わうことなく食べ、体を意識せずに動き、香りに気づくことなく呼吸し、考えずに歩いている」とレオナルド・ダ・ヴィンチは、嘆いていた。

『モナリザ』 レオナルド・ダ・ヴィンチ

『思い込みは、自分では気がつきにくい』
だから、分かっているつもり伝えているつもりが多い。
絵を描くときにモチーフを観たつもりでは描けないから
自分の思い込みに気がつく。
よく観て絵を描く習慣がつくと
思い込みに惑わされなくなっていく。

マグリット

『大抵の悩みは、勝手な自分の思い込み』
周りも自分も絵を描くようによく観て見直すと
色んなことが観えてきて気づきがあり、
気分が晴れてくる。
答えは決まっていない、
創造すればいい。

マグリット

『勝手に入ってくる情報』
偶然ではなくて意図的に探していたのかも。
個性は、情報の選択により造られていく。
無意識に目に留まり、勝手に耳に入ってくる情報の中にも
考え方や意識を変えてくれる
人生の財産となる情報が埋もれている。
飛び込んできた情報も人も
出会った因果をちゃんと考えてみる。

『現実を直視しチャレンジし続けている人』
自分が気づいたことと、まだ知らないということを実感している。

マグリット

『日常のどんなことでも』
絵を描くときにも「よく観る」ことが
基本ですが、
これは
「必要な情報を見極め、的確に捉える。物事を理解する」
ということ。
何かを理解するときに五感を使って知覚することは
重要な役割をはたしている。
だから好きなことで感覚を磨いて
機能させている人は、
惑わされない。

『いつも意識しておきたい言葉』
「やっかいなのは、何も知らないということではない。実際は知らないのに
知っていると思い込んでいることだ」
by マーク・トウェイン


『脈絡がない作業数が増えると多忙になる』
漠然とした多忙を受け入れるとストレスが溜まっていく。
具体的な目的や将来のビジョンがあり、
ブレないで筋道を通せば
無駄な悩みもストレスも少なくなり
作業効率も上がる。
本質を捉えれば
人生でいえば、将来への不安より現在のやりがいや期待が増していく。

『氷図』 円山応挙

『嫌いなことから人は学ぶ』
「嫌い」なことや「わからないこと」でストレスが溜まるのではなく
突き詰めると本当に知りたいことにたどり着く。
「好き」なことを好きであり続けるために「嫌い」を知る。

 『叫び』 ムンク

『デッサンで必要な観察眼とは』
表面的な描写力だけではなく、
観ているものの構造や光など周りからどのような影響が及ぼされているのかを
読み解き、理解する力である。
このリサーチ力、伝達力は絵を描くことにとどまらず、
様々な仕事にも必要とされる。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

『不安を楽しみに変える』
少しでも重い気持ちになったら
その理由を見付けて、よく見直すことにしている。
大半は、強い思い込みで自分を苦しめている。
「問題点に気がつけば解決できる。もっと良くなる。」と考え直して乗り越える。

キリコ

『普段、目にしている物事を』
絵に描くつもりで観てみるといろんなことに気づきだす。
絵は、思い込みや見たつもり、知っているつもりでは描けない。
物事は「見る」のではなく「観る」ことが重要で、
書物と様に「読みとく」「理解」する感覚が大切。

『大切なことは、面倒なもの』
「面倒くさい、面倒くさいなあ〜。面倒くさいから、これも大切。」
しっかり向き合っているから、
面倒なこと、大切なことが見えてくる。

『毎日の繰り返し』
同じ場所でありながら季節や時間帯、天気の変化でそれぞれ違う趣があり、
それぞれの表情の違いを意識して眺めると同じものは一つのなく、
それぞれの瞬間が新鮮にみえてくる。たまにはっとする発見もある。
禅の修行のように毎日の繰り返しの中で、気づき成長していく。

アンドリュー・ワイエス

『海外の文学を研究している知人に』
専門外の映画や書籍の翻訳や通訳の仕事の依頼が集まる。
語学が専門というより、文化や風習、習慣、歴史を熟知している方が
リアルで説得力がある翻訳になる。
絵画でもテクニックは未熟だが、モチーフ(対象)を熟知している方が
心に響く絵を描けることと一緒。

『画家、マンガ家、小説家、料理人や冒険家など』
あらゆるジャンルにおいてアマチュアとプロと呼ばれる人の違いは
技巧より、よく観る力、取材能力にその差がでるのかもしれない。

『なぜアートなのか』
目で見ているのではない脳で観ている。
視覚情報を処理するときに脳の25%、神経経路の65%以上が使用され、
これは他のどの感覚よりも使用率が高い。
絵を観るだけで脳が活性化され、神経が磨かれる。
絵を鑑賞(読み解く)することで、観察力を磨く。

『最後の審判』

『そんなことで』
心に響いてくる物事は、人によって違う。
感覚を研ぎ澄ましていくと
今、身近にあるもの、すでにもっていることで
心を満たすことができる。
特別なものや特定の場所、時間を必要としないで
いつでも心を豊かにすることができる。
誰もができる「よく観る」ことからはじめる。

 レオナルド・ダ・ヴィンチ

『線一本で分かる』
対象を思い込みや観念的にとらえている人と、
本質でとらえるために対象をよく観ようとしている人とは、
描く線に違いがでる。
優秀なクリエイターは、本質を観て判断し行動している。
その人の描く線一本で、対象のとらえ方、その姿勢が分かる。

エゴン・シーレ

『人との会話で伝えたいこと』
言葉で伝わるのは7%ほど、
声(声色、抑揚、その他の音)が37%。
残り55%は、表情やしぐさなどの言葉以外のコミュニケーション。
しかし指さしなど身振り手振りを言葉の代わりにすると誤解をまねく。
人は感覚の83%を占める視覚情報で判断している。

『無駄に悩む必要はない』
絵を描く時も”悩む”と”考える”は違う。漠然と悩むよりは、必要な情報を集め選択し視点を持って整理していく。
思い込みを取り外し、問題点を発見し、具体的に思考して描く時間が大切。
その方が上達も速いようです。

『見たいものしか見ていない』
見ているようで観ていない。
よく観るということは意識して確認するということ、
事実を確認して、思い込みではなく
本当のことに気づいていくということ。よく観る人が増えれば、
もっと安心できる優しい関係が広がっていく。

『無意識に目に留まり、勝手に耳に入ってくる』
雑音の中にも考え方や意識を変えてくれるもの、
人生の財産となる情報が埋もれている。
飛び込んできた情報も人も出会った因果を見直すと偶然ではなくて、
意図的に探していたものと気がつく。

『悩んだら寝る』
悩みに大小はない。その人にとっては大きな問題。どうしていいのか分からなくなったり、なんだか良く見えていなかったりすることで悩んでいる。
そんなときほど「よく見る」「よく見直す」ことにしている。
寝るだけでも見方が変わる。

『西洋の写実絵画』
見えていることを写真のように写しているのではなく、見えない情報(におい、味、感触、歴史的背景、思想など)も取り入れて描かれている。
バロック時代の画家カラバッジオが描いた絵を観ても、
見えない情報が伝わってくる。


『思い込みで判断すると不安で辛くなる』
思い込みを取り除くと思考が機能する。
思考量を増やし、新鮮な情報を選択し
常に流れを止めない方がいい。
大抵の思い込みは、自分で気づかないから厄介。

『人は経験によって色の感じ方が違うことにゲーテは気づき』
ダ・ヴィンチは老若男女の違いを解剖によって発見し
画家コローは光の演出によって奥行を具体的に設定できること
などに気づくまで庶民は何の疑問も持たずに
日常のこととして見過ごしてきた。

コロー

『楽しむことは、本質にたどり着く』
本質を意識したり、気づいたりするだけで脳が喜び生き返る。
誰でもできる「よく観る、よく感じとる」ことで、
楽しみが増えていく。

 デューラー

『観たいものしか見ていない』
川の流れを止めると水が淀む、腐る。情報を止めると思考が止まる。
その状態が思い込み。
大抵の思い込みは自分で気づかないから厄介。
現実を直視して自分と違った考え方もよく見直し
新鮮な流れを止めない方がいい。

尾形光琳

『日常に感動できる人は幸福』
「よく観る」習慣があって、身近な自然に触れているなど日常的に
五感を磨いている人は、些細なことにも気がつく。
感覚が敏感だとそれだけ感動する経験が多く、
日常生活の中で幸せを感じとれる感覚が身についている。

『なんで意識してよく観ることが大切なのか』
そもそも脳は誤作動を起こすもの。
微量な電気でエコ運転をしているので
効率的に都合よく考えてしまい思い込む。
見たいものしか見えていないし、
思いと直結していない記憶は
忘れていくようにできている。

『今』
面倒に思うことが、いずれ自分を救ってくれる。
実は自分にとって大切なことが起こっていたり、繋がっていたりするのに
気づかなかったり忘れたりしている。
そんな日常に起こる出来事、出会いをスルーしないように
常に世間と関わりを持っていかないと
いずれ孤立した虚しい生活になってしまう。

ルソー

『一人でも多くの人に』
希望を抱かせ、一人でも多くの心を開放させていく
人の考え方や行動が
間違いなく正しい。
そんな人は、人や世界をよく観て、
まずは発見することから始めている。

『絵を描くことも』
続けていると感覚が磨かれて
それまでとは違った物事が見えるようになってくる。
最初は目の前にある現象だけしか見えなかったのが
情報の領域が広がっていき、その物事に影響を及ぼしている
周囲との関係や状況が見えてきて、本質を理解していく。

フェルメール

『幸せを感じるのは成長が加速する時、止まれば消える』
絵を描くことも仕上がった達成感というよりは
「もっと良くしたい、もっと描きたい」といった過程で
成長が加速し続ける。
だから画家は年をとってもボケないで長生きする人が多い。

ピカソ

『感情が心をつかむ』
感情は考えるものではなく
沸き起こるものだから
感情に人は振り回されるけど
感情がいつも人を助けてくれたり、知らせてくれたり、守ってくれたりしてくれている。感情とうまく付き合っていくためには、無理に抑え込んだり、無視したりしないで
いつも事実をよく観て気づく習慣が必要。

キリコ

『アートを読み解く人は』
表面的な好みで作品を選んでいない。
アートの観方は自由で、好みの作家や話題の名画などを楽しむのが一番
だけど、好みでもなくどちらかというと一見、分からない作品のテーマや
隠されているエピソードを読み解いてみると
観方が劇的に変わる。

ベラスケス

『大抵、思い込みに惑わされている』
日常の見慣れたものも絵を描くようによく観て見直すと
実は知らないことだらけだったことに気がついていく。
絵に描くと自分の思い込みと実際の違いがよく観えてくる。
自画像を描くと自身の見直しになって心の洗濯になる。

レンブラント

『人と同じ情景を見ていても』
人によって違う情報の捉え方で
違う感情、考え方が生まれる。
多角的な視点で情報を捉えなければ
真実は見えてこない。
情報の捉え方で
判断が大きく、
大きく変わる。



『絵を描けなくても』
知っていた、見ていたつもりでいた
日常の見慣れたものを
絵を描くようによく観て見直すと
実は知らないことだらけだったことに気がついていく。
絵に描くと自分の思い込みと実際の違いがよく観えてくる。
心の思い込みは、気がつきにくい。

『そして本当のことを理解する』
「私は何を知っているのか」
「私は何を知らないのか」
「私は何を知らなければならないのか」
思い込みに惑わされないようによく観ることからはじめる。

『絵は思い込みを外し、よく観て理解するだけで描ける』
描けないと思い込んでいるのは的確な情報を捉えていないだけで
才能やセンスがないわけでも下手なわけでもない。
絵を描くことへの苦手意識、思い込みを外すだけで一気に上達してしまう。

『見慣れたことでも』
いつも新たな発見をしていく意識を持って、よく観る
といった経験を積めば、
漠然とした理想や専門的な知識の枠に縛られなくなる。
新鮮に感じる気づきは、脳の機能を開放させる。
だから賢者は、散歩や芸術を習慣にしてきた。

『習慣が創造性を培う』
「よく観る、よく感じとる」習慣があって、身近な自然に触れているなど
日常的に五感を磨いている人は、ものごとの微妙な変化や些細なことにも
気がつく。創造性とは、センスや才能の有無ではなく、
習慣である。

『思い込みは気づきにくい』
他人と自分とは、同じ環境で同じ経験をしても同じ目的であったとしても
見えていること、解釈、感じ方、考え方は違う。
思い込みの枠にとらわれて、
自分の見方が正しいかどうか疑うことをやめてしまったら、
隠れた事実を見逃す危険性がある。
知らないということを知る。

『創作の習慣』
小説や俳句なども含めて創作の習慣は
ものごとを意識してみるようになるから現実が見えてきて
思い込みに惑わされなくなる。
実際には思い込みや分かっているつもり、伝えているつもりが多い。
絵を描くときも「見たつもり」では描けない。













Chapter4 強い想いが人を動かす
イメージ(目的・意図:何を望むのか)
 「意図するイメージ・浮かぶイメージ・沸き上がるイメージ」



ルドン

 「イメージ」という言葉は便利で色んなとらえ方で活用されています。「男のイメージ、女のイメージをもって…」「イメージをもって試合にのぞむ」「この土地のもつイメージとは」「イメージしなきゃ」、その言葉の意味をその用途にあわせていつも理解し適切にとらえられているのかあやしいものです。イメージすることには、必要な時に意図的に想像力を使って自分自身の中から引き出していくことと、対象物(場所、相手、物など)に関わった時に自然に浮かんでくる感触、感覚と、また全く無意識にいつ何時関係なく勝手に沸き上がってくる場合などがあります。
 まず、意図的にするイメージの一例をあげます。スキーを習った時、滑る前日に上級スキーヤーの滑っている様子を紹介したビデオを鑑賞することや、経験者の話を聞くなどするイメージトレーニングをすすめられました。たとえ初めて体験することでもその要領をつかめば、その行為に似ている過去のなんらかの経験を応用していけます。要は過去の経験で無意識に培ってきた潜在能力を引き出すということです。確かに上達がはやくなったということもあります。それは意図していずれ行動する自分のイメージをし、必要なことを意識して行動することでやるべきことが具体的にみえてきた効果の現れだと思われます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

 次に浮かぶイメージの一例をあげます。デジャブに似た感覚を覚えたことがありますか?初めて訪れたはずなのにその土地の薫りに郷愁を覚えたり、初めてあった人に親しみを感じたりする、それが浮かび上がる潜在意識です。日頃少しずつ蓄積された潜在意識が夢で繋がり、具現化された映像として浮かび出てくることもあります。それもまたイメージが起こす現象です。

キリコ

 湧き上がるイメージは感情と似ています。癒し、恐怖、不安、喜び、幸福な感情が何かと連動して突然突き上がってきます。そんなイメージがその時の自分のバロメーターになるのかもしれません。

マグリット

 哲学、宗教、及びあらゆる学問の関心事である「人は何処からきて何処へいくのか」という疑問と同様、表現のためのイメージを思考することも「何処からきて…」にあてはまります。

『人は何処からきて何処へいくのか』 ゴーギャン

 いずれにせよイメージがないまま行動に移した場合、作品制作でいえば技工だけに頼ることになったり、渾沌としたアイデア出しを繰り返したあげく、その表現にすぐにあきてしまったりしがちです。たとえ、なんとか(いつの間にか)作品が完成したとしても次の表現制作のための展開ができずにいき詰まりを感じてしまいます。
 豊富な’イメージ’をもつためには、豊富な’取材’が必要です。その時に求めているもの気になるものにアンテナをひろげて生活していると不思議と情報がみえてきて必要な資料が集まっていきます。その時に何を望んでいるかでイメージできることも変わってきます。

“強い想いが人を動かす”のつぶやき

2017年10月08日 23時43分44秒 | 日記
“強い想いが人を動かす”のつぶやき


『アトリエは自宅アパートの狭いキッチン』
しかもスーツ姿で描いていた庶民派サラリーマン画家マグリット。
キッチンの窓から見える風景やテーブルの上の果物などどこにでもある身近なものから想像を膨らませ世界中を驚かせる新鮮な絵を描いていた。

マグリット

『楽しむことは、本質にたどり着く』
本質を意識したり、気づいたりするだけで
脳が喜び生き返る。
絵を描くとき、ものやもの事を思い込みや観念でとらえている人と
本質でとらえる訓練をしている人とでは
描く線に違いがでる。

クレー

『絵で必要な画力と観察眼とは』
表面的な描写力だけではなく
観ているものの構造や光と影など
周りからどのような影響が及ぼされているのかを
読み解き、理解する力と
その本質を的確な構図や技法で効果的に伝達する力である。
この対応力は
絵を描くことにとどまらず、様々な仕事にも必要とされる。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

『アイデアが先ではない』
まずは、強い思いがあって大切なことに気づき、
掘り当てた情報の新鮮な組み合わせで、
不快が快に変わる新しい価値を生み出す。
強い思いが、ビジョンに変わり創造となる。
だから、誰かを思うことからすべては動き出す。

フェルメール

『初めて訪れたはずなのに』
その土地の薫りに郷愁を覚えたり、初めてあった人に親しみを感じたりする。
それが浮かび上がる潜在意識。
「自信」それもまた潜在意識が起こす現象。
自信は潜在する。

『やりたいことと違う』
空しい。子どもが泣く。犬が吠える。問題が起こる。
困ったことを解決しようとする前になぜそうなったのかを考える。
その思いを理解すれば必要なことが見えてくる。
まずは自分のできることから始める。
続けていると意図する筋道が繋がってきて解決の糸口が見えてくる。

『線一本描くにしても集中力とイメージが大切』
クロッキー力は、書道や華道、茶道,料理、スポーツ、音楽など様々なことに繋がっていく。上達させるには描く枚数も大切ですが、
やはり何を意識して描くかで随分と成長の仕方に違いがでてくる。

ヘンリー・ムーワ

『イメージ力のない人は、思いやりにかける』
将来のビジョンやそれまでの経験を具体的にイメージできないと空しくなる。イメージ力は、誰でもどこででも磨ける。
紙とペンさえあれば、
漠然とした頭の中のイメージを描きながら具体的にしていける。

『心を満たすこと』
音楽を聞いたり奏でたり、絵を観たり描いたり、
詩を読み解いたり楽しんだりする時間やお金を無駄と思う方がいるが、
人は文化的ことから本当に満足するもの、望んでいることを手に入れている。
厳しい状況でも日常や将来に文化的なビジョンをもつ生活は心が満たされる。

『役に立たないものはない』
新鮮な視点をもつことで新しい価値が生まれる。
誰からも気にされていなかった物も人も事も
意外な組み合わせで新鮮に生まれ変わる。

マグリット

『雨も風情に変える日本人』
西洋の画家を驚かせた浮世絵師 広重の雨の表現。当時、線で雨を視覚化する発想はなかった。日本では当たり前の不快を快に変えてしまう情緒文化は先人が気づかせてくれた。気がついていない画期的、革命的なことがまだある。

広重

『知らないものには共感できない』
見慣れたものでもこれまでになかった視点と組合せで
まったく新しいものになる。
視点の新鮮さがすべてを劇的に変える。
画家マグリットはみんなが知っているもの、身近なものの
新鮮な組み合わせで世界を驚かせた。

マグリット

『モノクロでも色を感じることができる』
世界的な映画監督の黒澤明は、モノクロ映画の撮影時にもセットの配色にこだわっていたから白と黒の幅があり、色の奥行きを感じる。
彼は絵画、特にゴッホが好きで、映画の絵コンテを絵画のように描いていた。

『夢』絵コンテ 黒澤明

『気づきが増えてくるほどに』
人に対しても物事にも丁寧に接するようになり、時間も大切にしていく。
ぼ~っとしている時は、考えないで感じている。
何でもよく観たり感じたりするようにして
五感を磨く習慣がついていくと感動することが増える。
それは日常の中の奇跡に気がついているということ。

『絵を描いたり、ものを造ったりしているときの充実感』
子供の頃、時を忘れてずっと遊んでいた時間に似ている。
思考(イメージ)と行動の繰り返しが人を成長させ、充実させていく。
楽しいから集中し、思考量が増えて具体的な行動に移れる。
本当に欲しいものは、
文化的なことで手に入れられる。

『相手に依存するほど』
怒りや憎しみが増し落ち着かない。
最初から見返りではなく与えるつもりで寄り添っている人が多いいほど
心が穏やかでいられる。


『話せばわかる』
その通りだが、論破することではなく、お互いの話を聞き合って、双方に視点が変わる意識がないと解決しない。
論破するための教育ではなく、共生の意識を持てる教育で人は成長できる。
知識よりも良識を持つ教育に未来がある。

『無駄に悩む必要はない』
”悩む”と”考える”は違う。漠然と悩むよりは、必要な情報を集め選択し視点を持って思考していく。思い込みを取り外し、問題点を発見して具体的に解決していく時間が大切。その方が判断も速く、積極的に行動できる。

『仮想世界』
若冲の「群鶏図」にみられるような驚異的な細密描写と、
オディロン・ルドンの顕微鏡で覗き見るような絵の世界観には共通点がある。いずれも表面的な写し描く作業ではなく、
追及による洞察と具体的なイメージ力で
リアルな仮想世界にまで到達している。


『知識量やスキルなんて他より劣っていてもいい』
今の自分を十分に見直して、新鮮な視点で使いこなしていけば
他にはマネができない独創的なものに成長する。

『ぼーっとしなさい』
忙しく働いている時よりも、
ぼーっとしている時の方が数倍も速い速度で頭が動いているらしい。
ゆったりとした時間が多かった日に有意義な夢を見ることがある。
意識している以上に情報が整理され、解決の糸口まで見つかっている。

『世の中に動画というものがない時代に』
動画的な視点で描いていた絵描きがいた。
若冲、宗達、広重…、そして北斎。
日本の絵師は瞬間をとらえるのではなく、
連続性や構図で時間の流れを捉える”映像”を描いていた。

俵屋宗達

『自分の視点が変わることで世界の見え方が変わる』
アートに触れることで、日常を非日常に変えるのではなく、
あまりにも日常的で普通のこととして見過ごしていることに
気づいたり、見つけたりして、
結果的に今までの日常が変わる。

『未来は、きっと良くなると信じること』
明日が来てくれる奇跡。
自分次第で、奇跡を何度も見られる。

『今さらながら』
科学と共に野生の思考を獲得することが今、必要と気づきはじめているが、
呪術的神秘的なことと分けた、哲学や学問として捉えると複雑になっちゃう。ので、子供と向き合い寄り添うこと、自然に触れ、動物と戯れることで
開放され、心地よく気づいていることを信じればいい。

『物と同じように考え方や知識も劣化していく』
それまでの知識やスキルで備えても
状況の違いや変化に適応していかなければ役に立たなくなる。
新しい情報や視点を組み合わせていくことで活きていく。
水がよどむと濁ってしまう。
清流のように穏やかに流れ続けることで
新鮮で安全な水が得られる。

『何者にもこびないで生きている』
聡明で文化レベルの高い人たちがたくさんいる。
中央やトップにいると思い込んでいる人ほど
そのことに気づいていない。
田舎や自然、現場で生きる人たちの中に入り
現実を直視することで、それが分かる。

ゴーギャン

『胎児は産道を最も効率よく生まれでるための』
理想的なかたちへと成長し、宇宙と同じ動きである
スパイラル(ねじれ)を描きながら生まれ出てくる。
その後の成長は、生きるために違った理想へと向かう。
生きていくための理想のかたちは、変貌していく。
成人までが成長ではない、
老いもまた成長。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

『宇宙と感情』
月の引力の影響が海や人の血流までにおよぶことや
地球の自転で水の流れが変わったり、宇宙に存在する(可視できないものも)すべてがねじれていたりと素直に考えると
存在するそれぞれが宇宙の構造を持っていると感じる。
夜空や青空だけではなく、人の意識や感情にも宇宙を感じて面白い。

ゴッホ

『気づきも発見も興味をもつことから始まる』
その対象への愛情の深さの違いで見えてくるものも変わってくるのだろう。

『創造力と免疫力』
体温が上がることで免疫力も高まる。
難問を解いている時や解決に向かって工夫している時は
集中しながらも気が高まっている実感がある。
作家に年齢を感じさせない活力を感じるのは
創造意欲や向上心で、免疫力が高まっているのかも。

『たまに思い出して気持ちが新鮮になる言葉』
「私たちの生き方には二通りしかない。奇跡など全く起こらないかのように生きるか、すべてが奇跡であるかのように生きるかである」
by アインシュタイン

アインシュタイン

『胎児は、お腹の中ではえら呼吸をしている』
生命の始まりである海と同じ成分(ミネラル)を含む羊水の中で泳ぐように
生物の進化を経て
生まれた瞬間から肺呼吸になる。
本能は進化の過程の記憶であり、成長の中で新たに学んでいる思考も
覚醒ではなく、思い出しを繰り返していると考えると面白い。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

『不満に思ってしまうほど相手に依存している自分がいる』
人のやることには限度があり、78%が上限で100%になることはない。
できなかった22%は次回にトライしていけばいい。
誰だって人に迷惑をかけてしまうし自分だけで背負わずに
誰かに頼ることも必要。だから、相手を許す気持ちが大切。

『西洋は脳を刺激し成長させていく論理思考文化を追及した』
ルネサンス以降は特に写実が栄え、現実をいかに正確に写し伝えるかが研究された。
『日本では脳を休める情緒思考文化が栄えた』
江戸期に見られるような日常の風情に感動して癒される浮世絵。

『それまでの西洋画家が描いてきた写実(リアリズム)絵画』
と全く違う思考だったマグリットが、絵に描いたのは「言葉では語れない詩」

マグリット

『できるようになると、できなかった頃の気持ちが分からなくなる』
できていないことは意識するが、できていることには意識しなくなる。
できていることを意識したほうが、今の自分を活かせる。
いつでも主人公であれ!

『日本人は、不快を快に転じることのできる文化を持っている』
西洋の画家たちを驚かせた浮世絵師 広重の雨の表現。
当時、線で雨を視覚化する発想はなかった。
今、当たり前のものとしてみている、感じていることは、
先人が気づかせてくれた。

『世界で初めて、降る雨を線で描いて可視化した広重』
世の中に動画というものがない時代に
動画的な視点で描いていた絵描きがいた。
宗達、広重、北斎、若冲… 日本の絵師たちは、
瞬間を捉えるのではなく時間の流れを捉える映像を描いていた。

広重

『意図』
どんなに位の高い人でも茶室にお辞儀をして入るように「躙り口」を考えた。
お茶を飲み比べて楽しんでいただけの文化を
「身分を超えて、おいしいお茶を飲んでもらいたい。」
そのためにどうしたらいいのかを考えた千利休は茶道をデザインした。

利休

『どんな表現をしたいですか?』
という問いに対して「写真、絵画、映画、彫刻…がしたい。」など、モチベーションではなく限定された創作手段を答えてしまう。
「どんなことがしたいですか?」と質問をかえると
「冒険、開発、旅、人助け、物語、教育…」それこそ表現の活躍の場。

『効率よりも思い』
これまで今いるA地点からB地点をめざし、「効率」を第一に考えて
B地点という正解に速くたどり着くことが求められてきた。
これからは今いるA地点から、先に見えているB地点をめざすのではなく、
まだ存在しないB地点を創造するための思考力が求められていく。

『帰宅をすると』
「おかえりなさい。お仕事の匂いがする」と玄関まで迎えてくれて
「おやすみなさい」と寝る前に声をかけてくれて
いつも疲れを癒してくれる息子。
「お便りがきた」とトイレに駆け込み
「大自然と友達になりたい」と話してくれていた息子が
中学に入学。嬉しいことはあっという間。

『ぼ~っとイメージするだけでも創造性は磨かれる』
穴を掘るだけでも可視化される創作は更に心が満たされていく。
誰かの気持ちを開放できたり、心を元気にできたりすれば
ひとしおいい。そんな時間を無駄だと思い込まないこと。

『NOではなく、YESと答えると人生が好転していく』
同じ状況で似たような経験をしても
ある人は疲労し、ある人はリフレッシュしている。
同じ環境でもすべての人が同じ時間を過ごしているわけではない。
出来事をYESと受けとめて自分を成長させていく努力をしていくと
問題が解決していく。

『所有しやすいサイズに描かれた“モナ リザ”』
この絵だけは何度も加筆し執着していた。
解剖学によりイメージだけで人を描くスキルがあった。
貧しい農村での幼少期の思い出、
中国人奴隷だった母親の暖かくも侘しい表情。
ダ・ヴィンチにとって最も大切な面影
だから、
一生、大切に持ち歩いていたのだと思う。

ルーブル美術館

『考え事は絵を描きながらの方がいい』
絵を描くと頭がクリアーになる。
頭の中のイメージを実際に紙面に描き、
視覚で確認していった方がイメージを具体化できる。
発想も具体的に展開していきやすくなるので
理想の現実に近付けていくことができる。

『どんな友達が欲しい?』
と小学生の息子から聞かれ
「仕事で知り合った人と仲良く出来るといいかな〜」と答えると
「僕は、自然と仲良くなりたい。風とか海とか。」と
スケールのでかいことを言われ自分の返答に後悔。
子どもとの会話は油断禁物。

大観

『表現って素晴らしい』
小学生の息子は、トイレにいきたくなると
「お便りが届いている。」
といいながら走っていき、漏れそうなときは
「ポストがあふれそうだ。」
と言って走っていく。

『芸術を愛するフランス人の働くこと』
トラバーユ【travail:仏】は
痛み、労苦、苦悩を意味する。
フランス人の社会人類学者クロード・レヴィ=ストロースは
日本人の仕事に対する考え方、特に地方の民芸、職人の
創造性のある仕事に興味を持ち、
日本の仕事をtravailと訳せないと言った。

『地球上のすべてのものが魂を持つという考え』
日本人はロボットや道具を相棒、友だちと考える。
「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」
この仏教思想が
ロボットや二次元キャラクター達に命を吹き込んでいる。
草も木も土や風に至るまで地球上のありとあらゆるものに仏が宿る。

『アトム』 手塚治虫

『生意気なぐらいがいい』
与えられたもの、知識やスキル、教えは有り難く、
ありがとうと感謝していただく。
与えられたものは消えやすく答えではなく、
きっかけにすぎない。
自分で気づき考え、やれることから行動しなければ
意味を持たない。
それぞれ、未来も答えも自分で創造するもの。

『成長を続けることも止めることも自分次第』
文化に触れることで、見過ごしてしまいがちな
毎日の奇跡を感じとることができる。
年齢を重ねていくことで
次々に体験したことの無い喜び、嬉しさをみつけられる。
無事に年を重ね、日常を普通に過ごせていることが奇跡。
些細な成長でも奇跡と気づく。

『紅白梅図屏風』 

『どうしよう』
漠然と考えると不安になる。
「どうしていこう」と具体的に計画すると楽しくなってくる。
同じ状況でもちょっとした捉え方、考え方の違いで、
未来に不安を感じるのか、希望を感じるかに分かれていく。

『やさしくて強くて潔くて、記憶に残っている言葉』
「花は咲くときを知っているのよ。」






Chapter5 ”好き“が最強パワー
エスキース(効率:計画性レベルの高さ)
 「イメージを具現化する・思い描く理想を実現するための構想」



レオナルド・ダ・ヴィンチ

 エスキースとは、具体的な「夢」を具現化するというよりは、内なる欲求を吐き出す作業と言えるでしょう。
 体を動かした方が、喋りやすかったり、考えがまとまったりした経験がありませんか。エスキースは本番に失敗しないための練習ではありません。下書きとも違います。作業する手先と脳とは連動して機能するので、エスキースは脳を活性化させるための手先の運動と考えた方がいいでしょう。頭の中で想像するよりは、実際に紙面に絵を描き、視覚で確認していった方がイメージの画像(空間)を修正し、理想の画面に近付けていくことができます。スポーツ選手がテニスラケットやバットを振りながら自分の理想のフォームに調整していく行為と同じです。また、完成された状態を画面に描きながら段取り(プロセス)の計画をたて、目的(コンセプト)を確認していく面は、旅行前に行き先を下調べし経費を考えて交通手段を検討したり、またどういう目的の旅行なのかを確認したりするような作業に似ています。
長年の経験でこのような作業(思考)に慣れてきて、瞬時に頭の中だけで構想する人もいますが、制作(プロジェクト)の規模が大きくなった場合には特に必要になってきます。しっかりしたエスキースをすることで作品制作が無駄なく安定したものになります。作品制作においてエスキースは必要がないという人もいますが、旅行に例えるのならその人は「放浪好き」といえるでしょう。いい旅と思える状況を想像してみて下さい。ガチガチに計画された旅行も楽しむ余裕がなくリラックスすることができないし、逆に無計画すぎても無駄な出費が嵩み、貴重な時間を無意味に過ごすことになるかもしれません。人によりますが、まずは目的を明確にし、事前に下調べ(観察)した上で適度に放浪というバランスがいいのでしょう。しかし、大金を掛けた大きなプロジェクトとなるといき当たりばったりというわけにはいきません。リハーサルを重ね、あらゆる事体を想定し想像力を働かせシミュレーションしていくことが成功に繋がっていきます。

エスキース

 あなたなら一枚の絵を描くとしたら、どんな「旅」をしたいですか?また、旅することでどんな「絵」を仕上げていきたいですか?
 夢をもつ人、理想の状況を思い描いている人はたくさんいるとはいえ、具体的に行動に移す人、移し続ける人の数は絞られてきます。行動に移せるということは未来へのビジョンが浮かぶということです。そのビジョンを基にエスキースは組み立てられていきます。
成功するためには元々そういった道を開いてくれるバックグラウンドがあると考えがちですが、何もないところから思い描くビジョンを実現するためにとった行動が、次の仕事へのバックグラウンドになっていきます。また成功するための重要な要素の一つとして「エスキース力」など、将来も続くであろう’展開(変化)’に対応していける力が大切になってくるのでしょう。
いつも活き活きとして生命力に溢れた前向きな人は、目的を実現するためのエスキース力がしっかり身についているのではないのでしょうか。

ヘンリー・ムーワ


”好き“が最強パワーのつぶやき


『ポテンシャルの高い人』
不安な点や分からないことは悩む前にすぐ調べて、集めた情報で洞察し予測し行動計画を設計する。後は迷わず問題を解決するための工夫を繰り返す。余計な心配や悩んでいる時間が少なく、目的に前向きな明快な生き方。

ターシャ

『絵に描くと心が折れにくくなる』
サムネイルやアイデアスケッチは
漠然とした「夢」を具現化するというより、
内なる欲求を吐き出す作業といえる。
目的やアイデアが視覚化されると積極的に行動できる。

『人の心を揺さぶる音楽や言葉』
大切な人と過ごしている時間や自然の中を散歩しているような効力がある。
一瞬で人の心を変えてしまう絵の威力も運命の人と出会ったように凄い。

『よく観てなくて』
思い込みで判断していたことに気づいた時にはすぐに見直す。
その想いが変わらないで、その強さが増していくことは何度でも掘り下げて考え続けていく。本当のことはごまかせないけどすぐには分からない。
考え続けるしかない。

『絵画や小説など芸術の手法』
「異なった日付のさまざまな出来事や小さな事件を現在という時間のなかに呼び出し混合する」 by レヴィ ストロース
ピカソだけが理解し評価していた画家アンリ・ルソーの植物園でのスケッチと動物写真集と知人の旅行記のブリコラージュで描いていた絵を思い出す。

ルソー

『妻と子育て、家事をして共に働いている』
妻の行きたいところへ旅行にでも連れて行きたいが、
なかなかできない。
近場の散歩かドライブしかできないのに
喜んでいる家族を見ると申し訳ない気持ちになる。
だけど、一緒に将来の計画を立てながら毎日、
旅行していると思うと
それはそれで楽しい。

『パリの画家アンリ・ルソー』
異国のジャングルや森の中を描いていることから
ナポレオン4世のアフリカ遠征に同行したなどとうわさされていたが
実際には近所の植物園でのスケッチと
お気に入りの動物写真集と
旅行をしてきた知人の話を参考に描いていた。

アンリ・ルソー

『創造のコツ』
それがどこから得たものかわからないようにすること。
個性とは、選択して構築してきた情報の違い。
独創性とは、心揺さぶられたこと、欲求、興味で選んで記憶している情報素材を新鮮な気持ちになれる組み合わせで再構成されること。

ピカソ

『未発表作品』
目が覚めた後に夢の続きをみることができないように
一瞬のひらめきは、可視化しておかないと
その夢の意図を知ることはない。
ひらめきを写真に残すことはできないが
絵に描くことはできる。
頭の中の出来事は絵に描くしかない。


『親が子供に望むことと子供本人が望むことは違う』
自分の思い込みと相手が思っていることとは違う。
相手をよく観て、相手を想う気持ちが 自分を生かすことになる。
独りでは生きていけない。
人はコミュニケーションを必要とする生き物だから
他人の反応よりは、自分がどう反応できるかが大切。

『役に立たないものはない』
意外な組み合わせで誰からも気にされていなかった
”もの”も”人”も
新鮮に生まれ変わる。
新鮮な視点をもつことで新しい価値が生まれる。

『ゲゲゲの鬼太郎は、リーダーシップを発揮している』
鬼太郎は妖怪から人間を守っているのではなく、身勝手な開発や自然破壊を続ける人間と風習や自然を守り伝承しようとする妖怪との間(文明と文化、開発と伝承)に立って最善の解決策を考えている。


『劣等感を感じたら何も考えないですぐにボ~とする』
一度寝た後、自分のいいところを思い出して見直す。
劣等感を感じると空しくて悔しくて、辛いものですが、
そんな対象が具体的に存在しているほど競って無理して乗り越える必要はなく、
自分にできることをよく見直してみる機会にすればいい。

『面倒で無駄なものに思えていたこと』
自分の成長に繋がっていくことを実感した人は
面倒や壁にぶつかるときこそ「チャンス!」と感じるようになる。
むしろ、面倒に感じなくなってきたこと、時ほど停滞している。
好き、楽しいと感じることもよく考えれば
手間をかけ工夫を繰り返す面倒なこと。

『つい考えてしまう』
休みたいのにやり残していることを考えて、過ぎたことまで思い出して、
脳の回路が開きっぱなしで疲労していく。
寒い、きつい、眠い…、実は不快な思いをしている時に脳を休めている。
不快なことを我慢している間は無心になっている。
そんな捉え方で過酷な状況を乗り越える。

『人を思うことから始めるといい』
争い事は双方に正義があるので、善悪で判断している限りなくならない。
ルールも協定している関係でしか成立しない。
要は、協働か闘争かの選択になる。
協働していくためには相手を理解し双方の意見から最善策を導き出せる
創造性が必要となる。
創造は、思い。

『誰かからすり込まれた知識や技術よりも』
自身の先見の明やリサーチ力、分析力の差で成果や精度、クオリティーの違いが出てくる。そんな思考力を駆り立てていくのが
誰かへの想いだったり、思いやりだったり、突き動かす衝動だったり、
持ち続けている執着心だったり、欲求の深さだったりする。

『ぼ~っとしている時は、考えないで感じている』
何でもよく観たり感じたりするようにして
五感を磨く習慣がついていくと感動することが増える。
それは日常の中の奇跡に気がついているということ。
気づきが増えると人も物事も時間も大切にする。

『動物のしぐさに癒されることも』
心が揺さぶられて、何かを好きになってしまう理由も
なぜ出会うのかも解らない。その答えも自然の構造の中にあるのかもしれない。
意識も感情も宇宙の構造と同じ。

『分かりやすく、普通に見えることほど凄い』
複雑で、分かりにくく感じるものは
芯、軸、骨格、システム、本質を見抜いて、
シンプルに捉えればいい。

ジャコメッティー

『先の心配や行き過ぎた夢を持つと無駄に悩むことになる』
今できることから着実にやることが 自信になる。
大きな夢を持って、一歩一歩、
少しでも前進することを毎日続ける。
自分らしく生きる。

『視点を変えると世の中が新鮮にみえてくる』
名称で物事を決めつけないこと。例えば『テーブル』は、平らな板に三、四本の足が付いている物体。
テーブルを初めてみる人にとっては、
ベッドになるし、腰掛けられるし、日よけにもなる。横に倒せば壁にもなる。

『必要なだけがいい』
余ったものはお裾分け。お金や物を新たに増やし続けていくことではなく
今、そこにあること、持っているもので上等。
有り合わせの料理のように工夫して
新鮮な組み合わせ(ブリコラージュbricoleur)を
試しながら
人も物も場も何度でも新たな心で
繰り返し活かしていく豊かさ。

Chapter5 ”好き“が最強パワー

2017年10月08日 22時35分21秒 | 日記
Chapter5 ”好き“が最強パワー
エスキース(効率:計画性レベルの高さ)
 「イメージを具現化する・思い描く理想を実現するための構想」


 エスキースとは、具体的な「夢」を具現化するというよりは、内なる欲求を吐き出す作業と言えるでしょう。
 体を動かした方が、喋りやすかったり、考えがまとまったりした経験がありませんか。エスキースは本番に失敗しないための練習ではありません。下書きとも違います。作業する手先と脳とは連動して機能するので、エスキースは脳を活性化させるための手先の運動と考えた方がいいでしょう。頭の中で想像するよりは、実際に紙面に絵を描き、視覚で確認していった方がイメージの画像(空間)を修正し、理想の画面に近付けていくことができます。スポーツ選手がテニスラケットやバットを振りながら自分の理想のフォームに調整していく行為と同じです。また、完成された状態を画面に描きながら段取り(プロセス)の計画をたて、目的(コンセプト)を確認していく面は、旅行前に行き先を下調べし経費を考えて交通手段を検討したり、またどういう目的の旅行なのかを確認したりするような作業に似ています。
長年の経験でこのような作業(思考)に慣れてきて、瞬時に頭の中だけで構想する人もいますが、制作(プロジェクト)の規模が大きくなった場合には特に必要になってきます。しっかりしたエスキースをすることで作品制作が無駄なく安定したものになります。作品制作においてエスキースは必要がないという人もいますが、旅行に例えるのならその人は「放浪好き」といえるでしょう。いい旅と思える状況を想像してみて下さい。ガチガチに計画された旅行も楽しむ余裕がなくリラックスすることができないし、逆に無計画すぎても無駄な出費が嵩み、貴重な時間を無意味に過ごすことになるかもしれません。人によりますが、まずは目的を明確にし、事前に下調べ(観察)した上で適度に放浪というバランスがいいのでしょう。しかし、大金を掛けた大きなプロジェクトとなるといき当たりばったりというわけにはいきません。リハーサルを重ね、あらゆる事体を想定し想像力を働かせシミュレーションしていくことが成功に繋がっていきます。

 あなたなら一枚の絵を描くとしたら、どんな「旅」をしたいですか?また、旅することでどんな「絵」を仕上げていきたいですか?

 夢をもつ人、理想の状況を思い描いている人はたくさんいるとはいえ、具体的に行動に移す人、移し続ける人の数は絞られてきます。行動に移せるということは未来へのビジョンが浮かぶということです。そのビジョンを基にエスキースは組み立てられていきます。
成功するためには元々そういった道を開いてくれるバックグラウンドがあると考えがちですが、何もないところから思い描くビジョンを実現するためにとった行動が、次の仕事へのバックグラウンドになっていきます。また成功するための重要な要素の一つとして「エスキース力」など、将来も続くであろう’展開(変化)’に対応していける力が大切になってくるのでしょう。
いつも活き活きとして生命力に溢れた前向きな人は、目的を実現するためのエスキース力がしっかり身についているのではないのでしょうか。