美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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『仕事はアート』

2020年01月29日 15時56分12秒 | 日記


絵を描くことは、
絵のプロになるためだけに必要なことではありません。
絵の描き方を習うということは、
じつはものの観方、多角的な視点、考え方、伝え方を学ぶということであり、
それは単に目で見るよりもずっと多くのことを意味しているのです。
よく観て繰り返し絵を描くことで
ものごとを前とは違うやり方で観ることができます。
その身につけた技能を応用して一般的な思考や問題解決の能力を高めることができます。
この能力は、すべての仕事にも有用性があるのです。

ドイツ出身のユダヤ人哲学者、思想家であるハンナ・アーレント(マルティン・ハイデッガーの元恋人)は、
「仕事」を【労働・仕事・活動】の三つに分けて考えました。

【労働】とは
食べていくためにやること、生活、我慢(つらい)、トラバーユ(労苦、骨折り)
【仕事】とは
クリエイティブな自己表現、充実(楽しい)、やりたいこと、探求したいこと
【活動】とは
公共のためにやること、ボランティア、満足(嬉しい)、奉仕


絵を描くことが、ビジネス(仕事)にも有用であることが最近、浸透してきているようです。
出版した『伝わる絵の描き方」が、Amazonの書籍部門:ビジネス企画でも上位に入ってきました。


見たいものしか見ていない。

2020年01月27日 01時22分21秒 | 日記
見たいものしか見ていない。
見ているようで観ていない。
よく観るということは
意識して確認するということ、
事実を確認して、思い込みではなく
本当のことに気づいていくということ。
よく観る人が増えれば
もっと安心できる優しい関係が広がっていく。



大半の人が世界をいい加減にみている
分かったつもりは
絵に描くと
いい加減な絵になるから解る
意識してみて描いた絵は
全く違った的確な絵になる
絵を描くように世界を観ると
観る意識が変わってくる
自分の世界も変わってくる

絵を習うということは
実はものの観方、多角的な捉え方・考え方、伝え方を学ぶということであり
それは単に漠然と目で見ることよりも多くのことを意味している。
ものごとを前とは違うやり方で観ることができる。
その身につけた技能を応用して一般的な思考や問題解決の能力を高めることができる。



アートに触れることで日常を非日常に変えるのではなく
あまりにも日常的で普通のこととして見過ごしていることに視点を向けたり
気づいたりすることで考え方や意識が変わる。
アートに触れることで五感が機能して、結果的に今までの日常が変わる。



誰かの出した答えを目指す必要はない。
答えはいつも自分で創造していくもの。
戦争の悲しみ、憎しみ、悔しさ、苦しさ…が表現された『ゲルニカ』
ドイツ兵から「この絵を描いたのはお前か。」と聞かれた近代美術の巨匠ピカソは
「この絵を描いたのは、あなたたちだ。」と答えた。


働くこと

2020年01月27日 00時32分44秒 | 日記
労働とは
食べていくためにやること、生活、我慢(つらい)、トラバーユ(労苦、骨折り)
仕事とは
クリエイティブな自己表現、充実(楽しい)、やりたいこと、探求したいこと
活動とは
公共のためにやること、ボランティア、満足(嬉しい)、奉仕


縄文時代の労働時間は1日平均4時間だった。
もし縄文人がもっと実利主義だったら
もっとずっと早くに
水田稲作を始めて
国を作って
隣国まで領土を広げていたかもしれません。
しかし、縄文人が1万2000年の間に大真面目に取り組んでいたのは
実利には直接結びつかないクリエイティビティでした、とさ



「アートは仕事と無関係」ですか?

2020年01月13日 13時15分45秒 | 日記
「アートは仕事と無関係」ですか?


アートは「非日常的なもので、何だか分からないもの」と思い込んでいませんか。美術館や画集で世界的なアートを鑑賞してもよく分からないのは、絵心や感性、才能の有無の問題ではありません。言葉や歴史・文化が違う異国の書籍や映画を翻訳や字幕なしに眺めているようなものなのです。中国春秋時代の軍事思想家 孫武の兵法書『孫子』に記されている「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。」を読み解けば良く理解できます。アートには、それぞれ制作された成り立ちや題材の意図、技法の発展、画材の発明、作家の師弟関係やライバル、パトロンなど作者に影響を与えた人々など環境や社会背景の違いがあります。その時代のサイエンスとも共鳴し合ってきたアートは、文化的な生活習慣のあるすべての人に関係しているのです。アート作品や作家のエピソードは、その国の歴史や文化を理解すれば異なる文化圏の人々の心にも響くはずです。



 ヒトの祖先が絵を描きはじめてから現代まで4万年ほどのアート ヒストリーがあります。アートの歴史はヒトの進化の歴史ともいえます。美術館や学校など限られた空間だけでアートを意識して鑑賞したり学んだりしている数百年間は、4万年のアート ヒストリーの中では、ほんの一瞬の出来事です。古代では木の実などの樹液や土、血液などを混ぜて作った絵具と木の枝や動物の毛を画材として使い、中世ではモザイク画やフレスコ画などの技法が開発され、ルネサンス期以降、絵画技法の発展や油絵が発明されてから現代まで、社会の変化に伴って絵画様式もその役割も変わっていきました。このようなアートとサイエンスの発展によって、ヒトや社会の進化が促進されたともいえるのです。



「脳内革命」によりホモ・サピエンスが生き残り、さらに「科学革命」によって地球上にヒトだけではなく、ヒトが必要とする動物(家畜やペット)や植物(農産物)が爆発的に増えていきました。世界的大ベストセラー『サピエンス全史』では「脳内革命」によってヒトが劇的に進化したことが記されていますが、これは火を発見したことや道具を発明し使うことで、食事などの習慣が変わり、他の動物とは違った生活をしているから脳が発達したということだけではありません。他にも存在していたヒトの種族の中で、私たちの祖先である「ホモ・サピエンス」が唯一生き残ったのは”虚構“する能力が生まれ、それこそが一気に脳内革命を引き起こしたということです。ヒトという種族が氷河期など激変する環境を乗り越えて生き残るためには、家族単位ではなく”群れ、集団“として大勢で助け合いながら生活していく必要があったのです。組織として良くまとまって生きていくためには、共通した目標や考え方(ルール)が必要となりますが、そのためには大勢が共感するストーリー(虚構)が不可欠だったのです。私たちの祖先は、過酷な自然環境や天敵などから身を守ってきた経験によって知識が蓄積され知恵が生まれ、先人や賢者が危険を事前に回避して生き残る方法(物語、神話や宗教)を仲間や子孫に伝えるようになったのです。そんな「虚構」こそが、他のヒトの種族や動物たちとは全く違った脳内革命を起こし劇的に脳を覚醒させていったのです。情報の発信機能はどんな生き物にもありますが、その情報を伝える相手がいることで「表現」となります。伝えたい”虚構(フィクション)“をものとして作り、絵に描き残した表現が「アート」のはじまりとも考えられます。





何か才能や技術がないと創作、表現をすることが出来ないと勘違いをしている方がたくさんいます。絵にしても小説にしても勉強、仕事や遊びにしても大切なのは才能や能力の有無ではなく突き動かす衝動(虚構、仮説)であり、その衝動を誰かに伝えたいという欲求があるということです。だから時代を超えて多くの人に支持され残っているアート作品からは、作者の生き様や”強い想い”が浮き彫りになってみえてきます。そんな独特な衝動と欲求(表現)を読み解いていくと作品制作の意図や魅力に気づき、閉塞感から解放され、自身のモヤモヤしていた気持ちが晴れてバージョンアップすることができるのです。だからアートを理解できると気持ちが良く、リフレッシュして失くしてしまった自信や元気が出てくるのです。



 作家自身と創造したアート作品は「気質、習慣、思いの強さ、誰かの支え、出会い、環境、…」とさまざまな境遇(組み合わされた条件)の違いによって異なる魅力や特徴、それぞれが唯一無二のものとして構築されたといえます。アーティストは十人十色で、それぞれが違った生き方をしています。それだけ生き方にはたくさんの選択肢があるということです。



 幕末志士の坂本龍馬が『人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある。』と語っていたように誰でもそれぞれ自分が選んだ表現(仕事)を磨いていけばいいのです。

ドイツ出身のユダヤ人哲学者、思想家であるハンナ・アーレント(マルティン・ハイデッガーの元恋人)は、食べていくためにやることが「労働」、クリエイティブな自己表現が「仕事」、公共のためにやることが「活動」だと考えました。
その人の余暇の過ごし方が、余生の過ごし方になり、自分で考えて選んだ生き方が「人生」になっていくのです。あなたにとって「アートは仕事と無関係」だと言えますか。


絵を描くことは

2020年01月04日 22時18分46秒 | 日記
レオナルド・ダ・ヴィンチは、凡庸な人間は
「注意散漫に眺め、聞くとはなしに聞き、感じることもなく触れ、味わうことなく食べ、体を意識せずに動き、香りに気づくことなく呼吸し、考えずに歩いている」
と嘆いていた。

絵を描くことは、
絵のプロになるためだけに必要なことではない。
絵の描き方を習うということは、
じつはものの観方、多角的な視点、考え方、伝え方を学ぶということであり、
それはたんに目で見るよりもずっと多くのことを意味している。
よく観て繰り返し絵を描くことで
本当のことに気づいていく。



絵を描くことの優先順位は
「伝わる」「emotion(心の揺さぶり)」「印象に残るインパクト」「テーマ」……「テクニック(技法、手段)」「上手い」…
とりあえず上手い、下手は気にしなくていい。
絵を描く習慣は
「観察力・思考力・伝達力」と
どんな職種にも必要とされる能力を磨ける。

デッサン力があるということは、絵の上手い下手の違いではなく情報を収集する力や伝達する能力、ものごとの構造を見極められることや構想している計画や企画を具体的に展開していく能力。
頭の中のイメージ(ビジョン)を絵に描き出す感覚を磨くことが、日常生活や一般的な仕事で見直されてきている。