最近の建築作品を載せることにします。
普通住宅クラスのコストで作ったものです。
ラピッドハウスプロジェクト(RHP)とクライアントから名づけられたものです。
現代美術の大学の先生と翻訳家の家です。
クライアントは
日本で有名な住宅設計者の今は亡き宮脇檀氏の家で幼少から育った方と、札幌ドームで東大名誉教授原広司氏とJV、札幌市立大学キャンバス等の設計組織で有名なアトリエ・ブンクの設計の家に育った夫婦でいらっしゃいます。
ご依頼は変形の正3角形地にミニマルなBOXをとの要望でした。
コトの弾みは、公的美術館でのグループ展で現代美術空間オブジェを私もご一緒で展示したご縁です。fine artとして純化したややミニマルな鑑賞者が内外をめぐることができる建築的オブジェを展示したことから、現代美術家の家を受け止めてくれるのではとの期待が少なからずあったのだと思います。でも、生活の器でもあるので,あまり実験的にはしてもらうと、今までがその実験で生活日常がなかなかだったのでそれはそれで素晴しい空間体験でしたが、今回は知人であり最新の豪雪熱環境にスキルを持っているのではという期待感も含めて、美術空間のわかる私に寄せる依頼がそこはかとなくあったのではないかと思います。
建築家ご用達の造形言語、吹抜けやトップライト、廻り階段は本人達にとっては幼いときからアプリオリだったせいか、夫婦として,より住まう日常のささやかな幸せを享受したいという日常のエッセンスを追求されているかのようでした。
140㎡ほどありますが、2階建て2LDKです。しかもその1室はメディアアートと造形アートのミックスメディアの作風のコンテポラリーアートのアトリエが1階にしっかり確保された1階個室を含めての2LDKです。
予条件は実にこだわりがあるようで、作家同士の表現活動への配慮、というか表現者への上手な表現を引き出すコントロールがやはり美術家であり、先生でもあるのでとてもうまい方でした。「表現の細かいところは任せる。」と機能だけをしっかり伝えてくれました。
外観は札幌でも珍しい碁盤の目に対角線に走る碁盤の目ができる前からの石狩方面へ伸びる歴史的な自然発生の道沿い。そのため碁盤の目を三角形に切り取った敷地が存在したのです。
通称「ななめ通り」商店街いまは何故か(野球の)ファイターズ通りと名前を変えている高齢者商店街のシャッターどおり的要素もある古い商店街です。
ご主人はこのような古い老朽化した商店街に偏愛なされているところがあり、ある意味で商店街活性化マインドの再開発を仕掛ける布石を行う行為がこの住宅設計でした。
過去に事実、教えている学生がこのような老朽商店街を相手にアートによるまちづくり活動を行うことは複数なされているので、そのうち塀もなく商店街にオブジェのようにまるでシャッター街のシャッターがメタモルフォーゼしたかのような同化でもあり異化でもある両義性のある外観をシンプルな要求の中に意味合いが溶け込んでいるデザインがたち現れました。