プロジェクトマネジメント(PM)や
コンストラクションマネジメント(CM)業務も含む
企画設計でした。
総延面積約9000㎡の15階建てで、横の長さは100m近くあります。
札幌の中でもスケール感のある建築物である為、景観的なデザインとしては
近隣とのスケール調整で街路や公園に対し低層階で街路景観スケールをなじませ、高層棟をセットバックされてます。
そのため、高層マンションとしては一般的のセットバックと違い。コーナー外壁2面を連続セットバックし、しかも低層部集計デザインフォルムを段階構成的にデザイン表現することにより、写真ではわかりにくいですが、実際訪れると、同種の一般高層マンションと比べより一層、景観への応答性を高めたフォルムとなって
表現されてます。
高層棟自身は街路に対しては建築物を開放性を高め水平ガラス開口を積層され、公園側にはモニュメンタルな象徴性を遠景中景近景の各景観要素に呼応すべくデザインされてます。
外装タイルは近隣の色の状況具合を勘案され、樹皮色系と雪色の2色を、この周辺の樹木の枝のイメージから幾何学的な2色ボーダーの繰り返しで街路、公園、エントランスに対してアクセント的な要素のデザインを与えられてます。
一冬、たちました。クライアントから感想を聞くことができました。
おおむね良いようです。
「冬の夜暑いので暖房切ったときもありましたね。」というのには
我ながら驚きました。冬の夜で暖房を切るくらい暖かいという表現は初めてです。
日中蓄熱し、夜放熱する熱量がかなり豊富だと理解するほかありません。
確かに1階床は南面窓からロックベット蓄熱のある蓄熱コンクリート床にはなってます。晴れた冬の日の夜はタイムラグ効果の放熱でそうなることは予想されます。
いわゆるパッシブ建築の一種となりましょうか。
熱損失に関しては、方位に対する空間配置と開口の与え方と断熱の施工上のポイントに関し、成果が出たようです。因みに一般的に火力が弱いと評されるが石油・LPGより比較的クリーンだといわれる北海道産出の天然ガスによるパネル暖房です。その点が映像だけで見せられない開放的な熱環境デザインでもありますが。
最近の建築作品を載せることにします。
普通住宅クラスのコストで作ったものです。
ラピッドハウスプロジェクト(RHP)とクライアントから名づけられたものです。
現代美術の大学の先生と翻訳家の家です。
クライアントは
日本で有名な住宅設計者の今は亡き宮脇檀氏の家で幼少から育った方と、札幌ドームで東大名誉教授原広司氏とJV、札幌市立大学キャンバス等の設計組織で有名なアトリエ・ブンクの設計の家に育った夫婦でいらっしゃいます。
ご依頼は変形の正3角形地にミニマルなBOXをとの要望でした。
コトの弾みは、公的美術館でのグループ展で現代美術空間オブジェを私もご一緒で展示したご縁です。fine artとして純化したややミニマルな鑑賞者が内外をめぐることができる建築的オブジェを展示したことから、現代美術家の家を受け止めてくれるのではとの期待が少なからずあったのだと思います。でも、生活の器でもあるので,あまり実験的にはしてもらうと、今までがその実験で生活日常がなかなかだったのでそれはそれで素晴しい空間体験でしたが、今回は知人であり最新の豪雪熱環境にスキルを持っているのではという期待感も含めて、美術空間のわかる私に寄せる依頼がそこはかとなくあったのではないかと思います。
建築家ご用達の造形言語、吹抜けやトップライト、廻り階段は本人達にとっては幼いときからアプリオリだったせいか、夫婦として,より住まう日常のささやかな幸せを享受したいという日常のエッセンスを追求されているかのようでした。
140㎡ほどありますが、2階建て2LDKです。しかもその1室はメディアアートと造形アートのミックスメディアの作風のコンテポラリーアートのアトリエが1階にしっかり確保された1階個室を含めての2LDKです。
予条件は実にこだわりがあるようで、作家同士の表現活動への配慮、というか表現者への上手な表現を引き出すコントロールがやはり美術家であり、先生でもあるのでとてもうまい方でした。「表現の細かいところは任せる。」と機能だけをしっかり伝えてくれました。
外観は札幌でも珍しい碁盤の目に対角線に走る碁盤の目ができる前からの石狩方面へ伸びる歴史的な自然発生の道沿い。そのため碁盤の目を三角形に切り取った敷地が存在したのです。
通称「ななめ通り」商店街いまは何故か(野球の)ファイターズ通りと名前を変えている高齢者商店街のシャッターどおり的要素もある古い商店街です。
ご主人はこのような古い老朽化した商店街に偏愛なされているところがあり、ある意味で商店街活性化マインドの再開発を仕掛ける布石を行う行為がこの住宅設計でした。
過去に事実、教えている学生がこのような老朽商店街を相手にアートによるまちづくり活動を行うことは複数なされているので、そのうち塀もなく商店街にオブジェのようにまるでシャッター街のシャッターがメタモルフォーゼしたかのような同化でもあり異化でもある両義性のある外観をシンプルな要求の中に意味合いが溶け込んでいるデザインがたち現れました。