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AB19450916VIRGO
 

妻よ 宗教を 語ろうか その前に 2

2005-03-13 14:29:20 | 日記
今 君は布団で 寝ている
のどが 渇いた?
寝てて いいよ 
暖かいお茶がいい?
今 入れるから 君は そのままで

高校1年2月
親父が 東京本社への 転勤辞令
札幌から 千歳への 弾丸道路
行き交う オリーブドラブのジープ達
雪に たたずむ F86F戦闘機
Migを何機 落としてきた?
銀の地肌に 撃墜マーク

親子二人で ヴァイカウントへ
離陸する
硬い翼が
重さに 撓る
白い 北海道 
灰色の 思い出

青い海の かなた
茶色の 巨大な モザイク
あれ が 東京
長靴履いて 羽田に着いた

10人程の編入試験
受かったのは二人だけ
親父の 笑顔は 久し振り
俺の笑顔は 出てこない

高校3年
何時も 鶯谷の 喫茶店
仲間たちともいえない 仲間たち
ハイミナールに アンパンと
飛んでる 奴らを
可愛いと思った
酒を 食らってた 俺
俺の 神は 死んでいた

大学1年 英文科
女だらけの 英文科
もう 親には迷惑をかけられない
頭を 丸坊主にした 俺

半年後
御茶ノ水 
毎朝待ってる 機動隊
バイトに ナンパに 歌舞伎町
俺を 抱いてくれる街 新宿

LSD メスカリン マリファナ
そんなものに 天国は無かった
幻想に 愛は 無かった

風月堂
ヴェトナム帰りの 黒人兵
俺の 太腿くらいの 二の腕で
英字新聞 がさごそ と
開いてみせる コルト ガヴァメント 45
飲み代が欲しい と彼は言った
女を 買いたい と彼は言った
首に 銀の クロスが下がってた
神は 人を殺してきた彼を 祝福してた
羨ましかった
この弾一発で 楽になれる と その時 思った

その頃だった H子に出会った
ジャズ喫茶の ボックスシート
天使を見た
はじけるような
天国を見た

真っ白な 便箋の 真ん中に
真っ赤な ルージュの リップマーク
T 大好き 愛してる
大きな 大きな 文字 で
そんな 子 だった

女の 背後に 神が

見えたような 気がした
生まれて 初めて 
本気で 女を 愛した

日付が 思い出せない
出来事が 思い出せない
いつの頃からか
喧嘩ばかりしていた

いい子がいるけど 会ってみる?
Tといると 女王様に なれるよ
H子は 君に 言ったそうだね
俺は 何も知らなかった

西部池袋線
江古田の駅の階段を 降りていくと
君がいた
君との 初めての 出会いだった
水玉のミニのワンピースの
足の長い子
そんな 記憶が ある

熱は 下がってきたみたいだね
今日は 思い出の中を
4時間も さまよった
今日は これで 終わりにしよう


 

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