おばぁさんは
少しの間首を横に傾けて
たくとはなの顔を見ていました。
玄関でもう一度チャイムが鳴り
呼ぶ声が聞こえてきます。
おばぁさん・・・。
ふたりは心の中で呼びました。
すると、おばぁさんは体を支えながら
ゆっくりと立ち上がって玄関へ向かいました。
コホン!コホン!
また咳をしています。
「今開けますよ」
ミュウちゃんは尻尾を振って待っていました。
おばぁさんはミュウちゃんに目をやり
小さな声で言いました。
「ごめんね。」