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「探そうはなちゃん」
「うん!誰か探そう」
たくとはなは急ぎました。
チャチャを助けたくて
あっちの家こっちの家を尋ねました。
「お願します!誰かいませんか!」
「チャチャを助けてください!」
「お願します!!」
でも、みんなお仕事に行っている時間です。
「どうしよう・・・誰もいないよ」
「もっと遠くまで探しに行こう」
「うん、でもチャチャは?」
「ひとりに出来ないね」
「うん・・・どうしよう・・・」
たくもはなも泣きたくなりました。
「どうすればいいの?」
チャチャ・・・
ふたりはそれ以上どうしていいのか
分からなくなってしまいました。
急がなくちゃいけないのに・・・
気持ちは焦るばかり・・・。
その時です。
目の前に一台のトラックが止まりました。
中からおにいさんが出て来て
後ろの扉を開けています。
どこかの家に荷物の配達に来たようです。
たくとはなは目を合わせました。
「この人に頼んでみよう」
「うん!」
こんなチャンスはありません。
決心したふたりはお兄さんの元へ行きました。
勇気を出して伝えます。
「お兄さん。お願します。チャチャを助けてください」
声の主を探すように足元を見たお兄さんは
たくとはなを見つけ
「やぁ、かわいいなぁ。どうしたの?」
そう云って荷物を持ったまま答えてくれたのです。
「チャチャが苦しいの、助けて!」
「 ん? ・・・ 」
うまく説明ができません。
でも
ふたりの必死の思いはお兄さんに届いたようです。
「待ってて。これを渡したらすぐ来るからね」
そう云うと荷物を手に走って行きました。
たくとはなは少しドキドキしていました。
でも、きっとチャチャを助けてくれる。
たくとはなはそう信じました。
ふたりはお兄さんが戻って来るのを
ジッと待っています。