彼は
大好きな山の枝を切って
大切な人にスプーンを作った
木はいい
最後は火にくべればいい
それは人を弔った時
大切な人をこの宇宙に帰して
そこに宿る豊かなるものが
またその大切な人を自分の内に帰してくれる
それと とてもよく似ている
彼が大好きだったお気にいりの桜の木を切ったのは春のはじめ
春風が吹いても
その桜の木は花を咲かせることができなかった
その春のおわりに
新しい命がひとつ 彼の家族に増えた
そっとその命の名前に
彼は大好きな木の名前を添えた
彼はその大切な家族のために
またコツコツと木を削り 思い込めコツコツと
その時彼の手から 彼が彼自身の人生を振り返りながら
そうツナギいきたいものをそこに宿しながら
そして彼はそっとつぶやいた
そして最後は燃やせばいいと
だから 木はいいんだと
大好きな山の枝を切って
大切な人にスプーンを作った
木はいい
最後は火にくべればいい
それは人を弔った時
大切な人をこの宇宙に帰して
そこに宿る豊かなるものが
またその大切な人を自分の内に帰してくれる
それと とてもよく似ている
彼が大好きだったお気にいりの桜の木を切ったのは春のはじめ
春風が吹いても
その桜の木は花を咲かせることができなかった
その春のおわりに
新しい命がひとつ 彼の家族に増えた
そっとその命の名前に
彼は大好きな木の名前を添えた
彼はその大切な家族のために
またコツコツと木を削り 思い込めコツコツと
その時彼の手から 彼が彼自身の人生を振り返りながら
そうツナギいきたいものをそこに宿しながら
そして彼はそっとつぶやいた
そして最後は燃やせばいいと
だから 木はいいんだと