14歳の頃かな、2コ下の男の子が好きやった。
ちょっと遠い所に住んでて逢いに行くのにバス代と電車代で片道700円。当時はそのお金は大きくてなかなか逢えんかった。2人だけで会ったことは無いなぁ…いつも何人かで会ってた。先輩も後輩も男も女もごちゃ混ぜやった。
なんやろなぁ…みんなキスとかに興味あったんやろな。同じ部屋でそれぞれカップルがキスしたりして遊んでた。初めてのキスがちゃんと好きやった子でよかった。首にキスマークいっぱい付けられた💋意味もわかってへんかった。レモン汁塗ったらはよ消えるとか聞いたけどほんまかなぁ?
でもいつもそれ以上のことはなんもせんかった。ませた子がおらんかったんやろな。その子の学校にみんなで派手な服来て迎えに行ったり逆にこっちに来てくれたり。夏には真上に上がる大きい花火大会行ってその子は同級生にキャーキャー言われてた。(そら、モテるわな…)ってあたしは少し拗ねてた。
ある日、先輩から電話掛かってきて「あの子バイクで事故って入院してるからお見舞い行こや?」言われて慌てて行った。車椅子乗って笑ってた。
みんなで病院の屋上で寝転んで空を見てた。「なんか白いのんが降ってこやん?」言うてもみんな、何言うとんねん?って感じやったんやけどその子だけ
「あずちゃんは中身もキュートやな。」って微笑んで言うてくれた。
お互い「好き」て言うた事ない。やからその一言がめちゃめちゃ嬉しかってん。
脚のすね、パックリ割れてんのに「今日の夜、コイツと病院抜け出すねん」って言うて肩組んでたもう一人の子は首から点滴みたいなんしてた。
「車椅子でどないするん!?」言うたら「いけるいける!」言うてまた笑てた。
それから少し経った頃、また先輩から電話掛かってきて「あの子亡くなった…」って。信じられへんかった。意味がわからんかった。でもその日がお葬式で急いで行ったんやけど出棺には間に合わんくてバイバイ言えんかった。
国道でまた単車で。反対車線から無免の車突っ込んできたて。顔もぐちゃぐちゃでその子のお兄ちゃん、前にお見舞い行った時のすねの傷でその子やって判断したらしい。
お葬式終わってからびっくりするくらい大きいひょうが降ってた。季節外れの。
今日はあの子の誕生日。生きてたら何歳やなぁ…って毎年思い出す。
いつも少し胸が痛くなる。。