僕の知り合いの21歳の女の子は「回す電話」を知らなかった。
いきなり「回す電話って知ってる?」と聞かれたので何のことかと思いきやあれだった。
「ジー、カラカカカラ、ジー、カラカラカラ…」
で、ある。
「ピンクの電話」
っていったら分かるかもしれない。
いや、黒電話かな。
とにかく、ダイヤルを回すタイプの電話のことである。
正直彼女のその質問には驚いた。
「ほんまに知らんかったの?」
と聞いたら
「知らん。見たこともない。お母さんにも同じこと言われた」
だ、そうだ。
「公衆電話とかないん? 回すやつ」
「ないよ。全部押すやつやもん」
その彼女がどこでその「回す電話」のことを知ったかと思うと彼女の妹さんらしい。
「ねぇねぇ、お姉ぇ、回す電話知ってる?」
話によると、妹さんがどこかで「回す電話」を見つけて、かけようと思ったものの、ボタンを押しても何の反応もなくて、電話に怒ったというエピソードがあったみたいだ。
僕は笑った。
余りにもバカ笑いしたので彼女は怒ってこういった。
「でもな、でもな、ポケベル知ってんで、妹はポケベル知らんねんで」
でた。
ポケベル!
ポケットベル!
今考えたらなんであんな不便なものに「スゲー」なんて驚いていたのか分からないくらいの代物。
時代って恐いよね。
きっと今の若い子は女の子を呼び出すのに実家に電話を掛けてドキドキする感覚なんて分からないんだろうな。
なんかおっさんくさくなってきた。止めよう。
ちなみに僕はあの「ダイヤル式の電話(回す電話)」が好き☆
何がって、音が好き。
だからわざと9とか0を回したりして遊んでた。
友達の電話番号がそういう「戻る時間が長い数字」が多いとうれしくなった。
そういったら
「戻る時間が長い数字」って何?
と、彼女は驚いた。
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