新作映画 《遭難遭遇!人間の惑星》
の謳(うた)い文句は、そんな暴露から始まるのだった。
あらすじ (書き出し)はこうである。
惑星間サミットからの帰還の途中に磁気嵐に見舞われた
宇宙船 オックスカウ号 には、ホルスとタインとジャージ
の他にもハンプやヨークたちシャーのクルーと、さらに別の
星に暮らす仲間であるハッカイとプアールも同乗していた。
突如として発生した超巨大な時空間トルネードの旋風渦
に巻き込まれた彼らの船は、さながら遠心分離式の掃除機
に吸い込まれるゴミ屑のようにキリキリときりもみをしながら
確実に奈落の底に落とし込まれていったのだった。
おそらくは、
亜空間スポットのなかで、たとえ 奇跡的な不時着に成功
したとしても、二度と再び元の世界に戻れるという保証など
は、どこにもなかったのである。
もちろん、
それもふくめてオックスカウ号のクルーたちが経験した
出来事は、まさに奇蹟中の奇蹟であると言えるのだろう。
数時間と経たないうちに、我が目を疑い覆い隠したくなる
ような惨状に遭遇することになることなど知る由もない彼ら
は、いまは単純にも奇跡的な不時着劇の感動に、ただただ
全員が全員、酔いしれていたのだった。
忌まわしくも、おぞましい 戦慄 の事実 を知るまでの
残されたわずかな時間のなかで、せめて生存 の喜び
に浸り、帰還する希望に胸を躍らすことぐらいは許されても
よかったのだろう。
だが、彼らはあまりにも 楽観 すぎた。
そのビジュアルからは到底、想像もつかないくらいに無垢
で純真な心の持ち主だったことも彼らに禍(わざわい)した。
「見た目は悪魔、心は天使」、それが彼らを
形容するのにもっとも相応(ふさわ)しい表現だろう。
ただし天使とは言っても、むしろキューピットのイメージに
近く、単純さと子供っぽさが同居している精神構造である。
彼らの故郷、ミノタウルス星ではウシが、猪八戒星では
ブタ が、それぞれの世界(惑星)を統治していたのに …
なんと、この星(地球)では、あの醜く肥えたメタボ な
家畜に過ぎなかった薄汚く臭いだけの人間どもが世界を
支配する「人間の惑星」 だったのだ
しかも彼らにとって最悪なことは、その場所と時間だった。
その星()での暦では、西暦2010年5月某日、場所は
北半球にある日本と呼ばれる弓形をした列島にある九州
という島の南東部に位置する地域に不時着したのだ。
さらなる不幸に追い討ちをかける事件に遭遇する場所と
して、彼らの地磁気コンパスの数値は …
31°54′~32°35′N … 131°25′~131°40′E の前後あたりを
微(かす)かに指し示していた。
もう、お分かりでしょう。
彼らが目撃した事実とは、彼らの同胞と見間違えるほど
によく似た姿をしたこの星の牛や豚たちが、口蹄疫という
伝染病の流行を阻止するという名のもとに無差別に全頭
処分される惨劇だったのです。
何の落ち度もないままに、子供から大人まで長幼も性別
も感染の有無もまったく関係なくなんの抵抗すら出来ない
ままに殺処分されてゆく。
そんな人間どもの 身勝手 極まりない行為に 戦慄
を覚えたのも彼らには無理からぬことだったのですが …
たかが、牛や豚の話じゃないか
殺処分は当然のことで感染経路が明確でない以上は、
感染拡大を防止する意味からも全頭殺処分はあたりまえ
の判断だ。
大多数の皆さんは、おそらくそう思うでしょう
それではこれが、彼らの星での出来事だったとしたら
どうなのでしょう ちょっとだけ想像 してみてください。
彼らの星では、人間を含む霊長類や動物種は食用には
むかないので、もっぱら家畜奴隷として食用植物類の栽培
や管理・収穫に従事させています。
そこで重度の口唇ヘルペスや目口鼻病などのウイルス性
の伝染病が蔓延し、その防止策として特定地域にいる人間
の全員に殺処分の判断が下されたとしたらどうでしょうか
生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで男女の区別
なく、まだ感染もしていない者まで全員が殺されるのです。
前ぶれもなく、ある日突然に、何の抗弁も抵抗も出来ない
ままに命を断たれるのですよ。
それがあなた自身に起きる出来事だとしたらどうですか
さぞや、悲しく無念極まりない気持ちで一杯のはずです。
そう考えるといたたまれない気持ちになりますよね。
だからといって、今回の措置を非難する意図などは毛頭
もありません。
ウイルスによる感染の広がりを考慮すればやむを得ない
処分でしょう。
そうは言っても、やはり 無念 だったことと思います。
むげに殺されていった牛や豚たちも、一方の被害者でも
ある畜産農家の方たちも …
だからこそ、
この機会にあらためて思い直さなくてはならないのです。
われわれ人間は、日頃から命を犠牲にして食を供じて
くれている家畜や他の動植物に対して、常に感謝をする
心を失くしてはならないということを …
さもなければ、彼らの 魂 は浮かばれませんし、今回の
出来事が生きて来ません。
さて、
宇宙船 オックスカウ号 のクルーたちが元の世界に無事
に帰還できたのかどうかは皆さんの想像に任せますが、
カンのいい皆さんのことですから彼らの運命を見通すこと
は容易でしょう。
戻れたにせよ、そうはならなかったにせよ、
いずれにしても、
彼らの世界(惑星)では トン でもない話 だと
ギュー の 音 もでないほどのショックを
受けることだけは確かなようです!
同様に、彼ら牛豚の惑星を支配する物理法則である
ギュートンの運動力学も、時空間には通用しません。
ゴメン えっと ニュートン だっけ …
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