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透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 摩天楼

 摩天楼に溢れ返る人の波 …

 なるほど、期待に違(たが)わぬシステマチックな景観だ。

 林立する超高層ビルをぬけて血管の如く張り巡らされた
道路網を走る車両は、まるで赤血球に乗ったヘモグロビン
が酸素を運ぶかのように忙(せわ)しなく、時折、見られる
暴走車とパトカーとのカーチェイスは、外部からの侵入者
(細菌)と白血球との死闘のように刺激的で、サイレンを
唸らせて追跡するありさまは、免疫Gメンの如くである。

      
        『東京 摩天楼』 出典: ganret.jp

 街並みも道路も信号も、見るものすべてがオートマチック
に感じて、人々はアクティビティで、まさに想像したとおりの
世界だったと ・・・

      
             『上海の摩天楼』
           
          出典 natgeo.nikkeibp.co.jp

 彼は、そうメモに記してから摩天楼(かす)む
雑踏の街スケッチするのでしょうか 


       『新宿摩天楼夜』 出典:ganret.jp

 それとも、

 多くの人々の目は虚ろで、手にした小さな箱型の機械に
視線を落としたまま、黙々と指先だけを動かしている一方
で、身体を使わずに大金をせしめる輩が横行している。

 額に汗して働かず、口先と頭だけで稼ごうという連中を
自分は「ペテン師野郎」 と蔑(さげす)んだものだ
が、未来社会ではどんな方法でもを掴んだ
人間憧れ対象となる。

 まったく トンデモ「拝金時代」だと ・・・

 500年後の世界を目撃して、そう思うのでしょうか

 たとえ彼が、もっと違う別の感慨を抱いていたとしても、

 レオナルド・ディ・セル・ピエ-ロ・ダ・ヴィンチ
この未来世界希望を託していたのです。

 草葉の陰からどう思おうと「罠」メッセージ
ダ・ヴィンチにとっての期待されるべき未来に向けて
発信されたものだったのですが、


 「私を軽蔑するな。  私は貧乏ではないからな。
  やたらに沢山のものを欲しがる者こそ貧乏なのだ


          (レオナルド・ダ・ヴィンチ)

 なんだか負け惜しみのような強がりにも聞こえますが、

 「世界でいちばん貧しい大統領」愛称
で知られる南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領の
ようでもありますね

 そんなダ・ヴィンチのことですから、現代社会を侮蔑し、

 「ペテン師どもが跳梁跋扈する時代」
であるとして、唾棄するかもしれませんが、

 彼が秘密裏に仕組んだ「罠」メッセージ
“負け犬の遠吠え”“引かれ者の小唄”など
にしないためにも、その真意を汲みとる努力を惜しむ
わけにはいきません。
  
 ダ・ヴィンチは「カオス」(混沌・無秩序)を有限
超越する無限なる「無」であり、からである
「ガイア」としての「コスモス」(調和・秩序)が
生まれたものと考えました。

        

 そのことを具象化したのが『モナ・リザ』として
有名な油彩画がみせる一面ですが、

     

 他面においては、




 『ヨハネの黙示録』封印最大「罠」
を仕組んだ『最後の晩餐』における「謎」解く




 マスター・キーとしてのドラゴン・レーダー
CPU(中央演算処理装置)でもありました。


    ドラゴンレーダー(プロトタイプ)の可動例

         

       ドラゴンレーダー(パイロット版)

 ドラゴン・レーダーについては、

 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 パズル』
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/416.html
 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 地動説』
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/420.html
 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 羅針盤』
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/427.html
 symbol2 『ダ・ヴィンチの罠 直観力』
 url http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/430.html

 などを参照してみてください。

 さて

 最初の「罠」は、デビュー作の『受胎告知』での


      
        謎の肢と隠れた蛇のうねりquestion2
 


 『キリストの洗礼』での挑戦的な実験(いたずら)



 コブラUFO(空飛ぶ円盤)


 などのアレンジquestion2を試したうえで、

 1481年にサン・ドナート・ア・スコペート修道院から祭壇画
としての委嘱を受けた『東方三博士の礼拝』
(マギの礼拝)に仕掛けられることになりました。



 東方の三博士とは、三人の賢者あるいは占星学者であり

  1 メルキオール(黄金 right 王権の象徴で青年の姿)
  2 バルタザール(乳香 right 神性の象徴で壮年の姿)
  3 カスペール(没薬 right 受難死の象徴で老人の姿)

 というように、7世紀頃から相場が決まっていたのですが、

     

 ダ・ヴィンチの絵画では、中央の岩の前に聖母マリアが
座り、幼いイエスを抱いています。



 そこに、東方(オリエント)からベツレヘムの星に導かれて
やってきた三人の賢者がイエス・キリストに祈りを捧げると
いう『新約聖書』の一場面を設定しています。


 1   2                        3

 左手前の片膝をつきながら黄金を手にイエスを見上げる
青年の姿が賢者メルキオール1 で、

 その奥、聖母マリアの足もとで深々と頭をさげているのが
乳香を捧げ終えた壮年の賢者バルタザール2 の姿で、

 右手前で跪拝し、誕生まもないイエスに没薬を奉じている
のが老人の姿をした賢者カスパール3 でしょう。

 聖母マリアのうしろで献上された乳香のフタを持っている
人物はマリアの夫の養父ヨセフだと思われます。
           down
        

 こうして一応の定石に照らし合わせて構図化していますが
、ダ・ヴィンチの本意は別のところにありました。

 一見すると、聖母マリアを頂点とする典型的な三角構図
で描かれ、焦点は中央にあるようですが、そうでしょうか



 『受胎告知』にて、すでに実験済みの焦点の移動



(フォーカス・スライド)により、ここでは主役たち
にスポットがあてられるようになっていると思うのですが、



 額に手を翳(かざ)すup_slow
髭の人物やupその隣の男も

イエスを見ているように思えますが、実は左端にたたずむ
黒装束老人を見ているのです。
      down
  同じように、 
                              up
 乳香のフタを持った養父ヨセフの視線も右端青年



 に注がれていて、イエスを見ているのではありません。

      
       1   2             3

 深く頭を垂れる賢者バルターザール2 もイエスに対して
平伏しているというよりも右端青年にひれ伏して
                         down_slow

        
 いるようですし、片膝で跪く賢者メルキオール1

  
    1 2        3      up_slow
イエスではなく木陰で天を指さす壮年人物注視



 するように見上げているのです。



 むしろ、            
        up_slow     down_slow
     left    

 こちらの三角構図の方がメインであって、天を指さす
人物は、洗礼者聖ヨハネであり、時間超越
した人類の歩みとしての青・壮・老をダ・ヴィンチに



 仮託して具象化したメタファ(暗喩)でもあるのです。



 表向きは天より来たる救世主キリストの到来を示す
ポーズとなっているわけですが、ダ・ヴィンチにとっての
最後作品である『洗礼者聖ヨハネ』

        

 「謎」妖しい微笑とともに一連「罠」
に共通するを指さすポーズに秘められた最初
して最後につながる重大なるメッセージが、

 「罠」“アルファ”であり“オメガ”なのです。


 「十分に終わりのことを考えよ。
     まず最初に終わりを考慮せよ」


          (レオナルド・ダ・ヴィンチ)

 要するに、

 この天を指し示すポーズはイエス・キリストの降誕
予告祝福するものではなく、もっと衝撃的
理解しがたいような意味内容を持っているのです。

 「我々の周りにある偉大なことの中でも、の存在が
最も素晴らしい。 その基本は時間的には過去と未来の
間にあり、現在の何ものをも所有しないところにある。

この無は、全体に等しい部分、部分に等しい全体を持つ
。 分割できないものと割り切ることができるし、割っても
掛けても、足しても引いても、同じ量になるのだ


         (レオナルド・ダ・ヴィンチ)

 ダ・ヴィンチが思うところの「無」としてのカオス
 (渾然一体となった有限を超越するような無秩序の状態)

 すなわち、
 
 エキゾチックでオリエンタルな情景混在する世界
混沌とする群衆たちの姿を通してカオスを表現
しているのが『東方三博士の礼拝』です。



 そして最後最後にすべてがひとつに統合されて
コスモス(調和・秩序)へと至る道程意図して
いるのが『洗礼者聖ヨハネ』なのです。

        

  「すべては、すべてから来る。
  すべては、すべてから創られ、
  すべては、すべてに戻っていく。
  すべては、すべてに包み込まれる」


          (レオナルド・ダ・ヴィンチ)

 そこにガイアとしての『モナ・リザ』があり、
同時に『最後の晩餐』に仕掛けられた最大
「罠」「謎」を解くためのドラゴンレーダー
パーツとして、『聖アンナと聖母子』
ともに『洗礼者聖ヨハネ』があるわけです。

 つまり、死ぬまで手もとに置いていた3枚の油彩画です。


『聖アンナと聖母子』  『モナ・リザ』   『洗礼者聖ヨハネ』


 こうして

 『東方三博士の礼拝』から本格的な「罠」
の仕込みが始まるのですが、この続きは次回ということで、


 さて、今日からGWに入ります

 黄金週間(ゴールデンウイーク)というくらいですから
、「東方の三博士」で言えば、青年の姿をした王権の象徴
である賢者メルキオールです。

 日本人は世界で一番、休みに無頓着で、有給休暇が
年に何日あるのかを知らない人の割合が53%にのぼり
、欧米やアジアなどの国や地域のなかで最も高かったと
する調査結果が先頃まとめられました。

 2位のオランダ(38%)、3位のノルウェー(28%)などを
大きく引き離し「仕事中心、休暇は二の次」
という日本人の姿があらためて浮き彫りになったわけです
が、長い休暇を取ることを遠慮して働いている会社人間
からすれば、なるほど「黄金」であったはずです。

 しかし、時は移ろい、かつてのような労働意欲は失われ、
いまや額に汗して働くことは疎んじられて、口先と頭を使う
だけのデスクワークが好まれる時代です。

 週休2日に祝日を合わせれば、3日に1日は休む勘定
なのに、国は休め、休めと言う。

 勤め人以外は休めば収入がなくなるのは当たり前で、
そうそう休める人たちばかりではないのですが ・・・

 そう言えば、

 先頃、保育所絡みの問題で「日本死ね !!という
書き込みが話題となりましたが、

 あれはちょっといただけませんでしたね

 気持ちは痛いほど伝わりましたが、それを報じるマスコミ
も政治家も異常でなんだか怖いくらいでした。

 文明の発達によって、新たな技術が生まれ、一見すると
素晴らしい世の中のような気になっていますが、すべての
物事には節度が必要なのです。

 しかし、

 そうした錯覚元凶である「ペテン師」
暗躍させている現代の世の中はもっといけませんnose7


 「“ぺ天使”とは、どんな天使なのじゃ、
      ペ・ヨンジュンのことかのぉ」


     

    「ペテン師です !!


 その昔、

 

 ニムロデ王(ニムロド right Nimrod)に代表される
古(いにしえ)の摩天楼バベルの塔)によって人類の
言葉が乱されたとするならば、今日の摩天楼に巣食う
「ペテン師」どもに鉄鎚を食らわすものとは
いったい何なのでしょう



 あるいは彼らに躍らせれている人間たちに下される
戒めとしての災厄とはいったい何なのでしょうか

    

        

 それらのヒント『東方三博士の礼拝』

        

      

 始まる一連の「罠」の中に隠されているのですが、

        

      

         さてさて、如何に ・・・

        

 … to be continue !!

  

コメント一覧

小吉
そういえば便乗したのかどうなのか知りませんが就職活動がうまくいかない学生が似たようなことをいって世の中が盛り上がっていました。
透明人間2号
その通りだと思います。
むらさき納言
「最も大きな貧困とは孤独です。 私は貧しいわけではない。
単に質素が好きなだけだ。本当にやりたいことをできる自由
がある」
そんなふうにホセ・ムヒカさんは言っていました。
さらに「私は悲観主義者ではない。人生で最も重要なことは
勝利ではなく、歩くこと。転ぶたびに起き上がることです。
そして自分の意志を持って生きることです」
そう言っていましたよ。
きっとダ・ヴィンチは精一杯の人生をよく生きたのでしょうね。
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