見出し画像

透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 表裏性

 「ポンティオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架
につけられ 云々・・・」とあるように、ピラトはイエスを
十字架につけた人間として、全世界の教会で自分の名前
が毎週のように唱えられている現実を彼は草葉の陰から
いったい、どんな思いで聞いているのでしょうか?

 symbol2 ピラトは後世に名を遺したのです。

 キリスト教の教会が存続する限り、彼の名前は決して
忘れ去られることはありません。

 彼はイエスを十字架につけた、その判決を下したこと
の一点によって、末代までの語り草となったのです。

 イエスを裁くことになったユダヤ総督であるピラトが
「お前がユダヤ人の王なのか!?」と問い質した時に、

   

 イエスは「それは、あなたが言っていることです」と
即座に切り返しますが、それを『マルコの福音書』15章
では、実に意味深で印象的に表記していると思われます。

 ここではそれを、具体化できませんが、気になる方は、

ダ・ヴィンチの罠 秘密裏 - 透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 秘密裏 - 透明人間たちのひとりごと

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画の中で最も印象的な作品は、何と言っても『最後の晩餐』でしょう!前回の『悪巧み』の記事で、壁画『最後の晩餐』は、ダ・ヴィンチの罠悪巧...

goo blog

 

 url『ダ・ヴィンチの罠 秘密裏』 

 を参考にしてみてください。

 小生には、

 イエス自身が、「ユダヤの王」だと名乗ったとは到底 
考えられませんが、当時において、それは社会の秩序を
乱す極めて重い罪でした。

 この重罪を煽っていたのは、パウロと密約をかわした
イエスの弟子たちで、そのように仕向けた張本人の一人
がイエスだったのです。

 それというのも、

 「イエス・キリスト計画」の決行に際し、

   🅰 見せ掛けの離反による教団の地下組織化 
   🅱 死からの復活によるイエスのキリスト化

 という「イエス・キリスト計画」における遂行上の
二大要件をクリアするための陽動作戦や誘導があって、

 彼が、このアイデアを捻り出したわけは、自らの罪を
より重くすることで、弟子たちの教団への関与や関係性
を否定しやすくする効果と十字架での処刑が確実に実行
されるように目論んだプロパガンダの一環だったのです。

 こうした作戦はまだ他にもありました。

 ローマに対し、絶対に服従しない素振りをみせて強い
反感を買い、挑発を繰り返すことで危険分子であるとの 
認識を深めることです。


            歴史の転換期 www.historist.jp

 当時のユダヤはローマ帝国の支配下にあり、ローマは
総督を置いていましたが、通常総督は、ユダヤ人の宗教
問題や信仰の問題に首を突っ込んで、裁くようなマネは
しませんでした。

 そんなことをすればユダヤ人たちの反発を買うことは
火を見るより明らかです。 

 多くの民族から成り、多くの宗教が混在する大帝国を
築いていたローマでは、そのあたりの支配における要諦
やコツをつかんでいて、ローマの支配を否定しない限り
それぞれの宗教の活動を認めて、多少の問題については 
目をつぶっていたのです。

 しかし、今回は違いました。ユダヤ人の指導者たちで
あるサンヘドリン(最高法院=長老会)がイエスを総督
であるピラトに引き渡したからです。

 この男はローマに反逆を企てている、と訴えたのです。

  サンヘドリン(長老会)biblestory.jugem.jp

 彼らはイエスを、ユダヤ教における異端者としてでは
なく、ローマへの反逆者として総督ピラトのもとで断罪
させようとしていたのです。

 それは、イエスをローマのやり方で、つまり十字架に
つけることで抹殺してしまおうと考えたのでした。

 十字架刑は手足を釘で打ち付けてぶら下げ、じわじわ
と死ぬのを待つという残酷な刑でした。

 しかも、それだけでなく、


             『申命記』 subsplash.com

 『旧約聖書』におさめられた「申命記」21章23節には、
「木にかけられた者は、神に呪われたものだからである」 
とありますので、ユダヤ人にとっては神に呪われて死ぬ
という絶望的な処刑方法でもあったのです。

 もう少し詳しく書くとすれば、


      出典:blog.goo.ne.jp

 十字架刑は、後年において禁止されることになるほど
悲惨であり、最も残酷な処刑方法なのです。

 手足に釘を打ち付けるだけでは体重を支えきれず、力
を緩めれば手首がちぎれてしまいます。


      出典:blog.goo.ne.jp

 激しい苦痛の中で筋肉が反応し、大量のアドレナリン
が分泌されます。

 正気を保つだけが精一杯で、意識を失いそうになると
激痛に意識が戻るということの繰り返しのなかで最終的
には死に至るわけですが、それが反復して何度も何度も 
続くという残酷極まりない公開処刑なのです。 


      「完了した」 blog.goo.ne.jp

 「ユダの福音書」の記述からイエスの自作自演による
処刑の可能性が疑われるわけですが、それがシナリオで
あらかじめ予定されていたパウロの奸計に沿った人類の  
犠牲としての贖いであったとしても、実際の処刑の内容
が十字架刑になる保証はどこにもありませんでした。

 恐らくは、

 それを確実なものとするための会合が、エルサレムに
入城する少し前に要されたイエスとパウロの秘密の会談
であり、そこで話し合われた結果が十字架刑を選択する 
という結論につながって行ったのだと思われます。

 パウロは、イエスたちがエルサレムに入城する直前に
イエスとの秘密会談に臨み、彼の説得にあたります。

 どれほどの問答や意見の交換があったのか不明ですが、

 イエスは『旧約聖書』の終末に現れる救世主(メシア)
その人になるという意識と自覚から極めて残酷な十字架 
による処刑方法がベストであるとして積極的にパウロの
計画に便乗する決意を固めたのです。

 パウロが提案したアイデアと一連のシナリオの骨子は

 ① イエスが犠牲になることで、以後の生け贄(燔祭)
   を廃止する。


       古代ユダヤ教における燔祭(動物の犠牲)の儀式

 ② 死後に復活することで、イエスの救世主(メシア)
  すなわち、キリスト化を絶対的なものとする。


           『復活』を果たしたイエス

 というものでしたが、イエスはさらに、印象的な死を 
演出するために最も過酷な十字架刑を選択し、その決定
に向けて弟子たちにイエスが「ユダヤの王」を名乗って
いるとの噂話を吹聴させ、長老たちサンヘドリンの面々 
の怒りを買う工作に出たのでした。

 属州であったユダヤの指導者たちには死刑の決定権は
なく、必然的にローマ帝国のユダヤ総督であるピラトの
裁決を仰ぐ結果になることは織り込み済みの話で、一連
の逮捕劇も弟子たちの逃亡劇もシナリオどおりの展開で
あったというわけです。

 さて、

 イエスの死後、かつてイエスに従いながらもイエスの 
逮捕とともに彼を見捨てて逃げ去った弟子たちが、復活
した後のイエスに会うというストーリー(顕現体験)は、
パウロとイエスの合作による〝イエス・キリスト計画〟の
フィナーレを飾るイベントですが、


             『復活』 cdn-news.org

 イエスは今も「神」によって生かされているという
信仰にヒモ付けられ、イエス自身を「神」と同一視し
、〈神であり、神の子キリストでもある〉として、この
イエス・キリストを信仰と宣教の対象としたわけです。

 こうして、初期の原始キリスト教が成立するのですが
ここで言うキリスト教徒は、とりわけイエスの死を人間
の罪を贖(あがな)う犠牲行為と信じて、この贖罪信仰
をキリスト教の教理の中心に据えるのです。

 このようにして意味づけられたイエスの十字架上での
死の背後に、どす黒い陰謀に塗れた連中たちの裏歴史に
おける真実との「表裏性」を見る思いがします。


            『復活』イメージ blog.goodtv

 それにしても、イエスは尋常ではありませんでした。

 如何に強く、高い志があったとしても、たとえそれが、
人類を救うという妄想に憑かれた結果であっても、自ら
進んで死を選ぶということは常人には不可能な行為です。

 それを実践して見せたイエスの姿を目の当たりにした 
弟子たちはイエスが本当にホンモノのキリスト(メシア)
だと思ったに違いありません。

 その思いは刑の執行後にさらなる確信に変わります。

 イエス=キリストであるという偽りの作り話と復活の
アイデアは、パウロが考え出したペテンであり、究極の
イカサマですが、多少の医学知識があったイエスは事前
に弟子たちに対して暗示をかけていました。

 今で言う催眠術のようなもので、後催眠暗示を仕掛け
ていたのです。


   意識の彼方へ:催眠現象の秘密と魅力 note.com Photo by mirecat

 百人隊長であったロンギヌスの槍で死を確認された後、
三日後に復活したとの記述はすべての福音書に共通する
ものであり、実際に弟子たちにはそのように感じ、その
ように見えたのでしょう。

 イエスの語り掛ける言葉が聞こえた点に関して言えば
深い悲しみを有した者ならば、現代でも一般に知られて
いる心理現象として、特段に疑わしい事例とは言い切れ
ませんし、非科学的であるとも言えないでしょう。

 いずれにしても、

 弟子たちは、イエスがキリスト(メシア)であったと
信じ、それを証明するための復活神話が地下組織化した 
教団によって広められ、信者は増え続けて行ったのです。

 ところで、

 洗礼者ヨハネはガリラヤ領主ヘロデ・アンティパス
によって投獄され、斬首されるわけですが、少し前の

ダ・ヴィンチの罠 流れ弾 - 透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 流れ弾 - 透明人間たちのひとりごと

タイトルにある「流れ弾」についての検証作業にこれから入りたいと思うのですが、救世主であったはずの洗礼者ヨハネの死に関しては、謀殺の疑いが濃厚であるというのがダ・...

goo blog

 

 url『ダ・ヴィンチの罠 流れ弾』の記事において、

 ヘロデが、異母兄弟の「妻」を奪い取るという構図
は、「二人のメシア計画」から、イエス単独の贖いに
よる「イエス・キリスト計画」にスイッチしたことと
同じ裏切り行為であり、その縮図が 『福音書』の中で
暴露されるかたちで展開されていると書きましたが、


        ヘロデ大王の家系図 zushikyokai.holy.jp

 真実の秘匿には「表裏性」があり、異母兄弟としての
フィリポとヘロデは洗礼者ヨハネとイエスの予型として
表現されているとダ・ヴィンチは推理したわけです。

         
     (ホンマかいな)          (夢夢む)    

            獄中のヨハネと弟子たち wol.jw.org  

 歴史における真実の「表裏性」という意味から言えば、
イエスの死の背後に、〈罪人〉の〈罪〉を不問に付して
まで天国へ導こうと模索したイエスの生があったことを
我々は忘れてはならないのかもしれません。

     エッサイの株から一つの芽が出、
   その根から一つの若枝が生えて実を結び、
     その上に主の霊がとどまる。
   これは知恵と悟りの霊、深慮と才能の霊、
    主を知る知識と主を恐れる霊である。
     彼は主を恐れることを楽しみとし、
  その目の見るところによって、さばきをなさず、
   その耳の聞くところによって、定めをなさず、
      正義をもって貧しい者をさばき、
       公平をもって国のうちの
      柔和な者のために定めをなし、
      その口のむちをもって国を撃ち、
  そのくちびるの息をもって悪しき者を殺す。 
 正義はその腰の帯となり、忠信はその身の帯となる。


        エッサイの株 blog.goo.ne.jp 

 「おおかみは小羊と共にやどり、ひょうは子やぎと
 共
伏し、子牛、若じし、肥えたる家畜は共にいて、
 小わらべに導かれ雌牛と熊とは食い物を共にし、
 牛の子と熊の子と共に伏し、ししは牛のようにわら
 を食い、乳のみ子は毒蛇のほらに戯れ、乳離れの
 は手をまむしの穴に入れる」

  彼らはわが聖なる山のどこにおいても、そこなう
 ことなく、やぶることがない。 水が海をおおって
 いるように主を知る知識が地に満ちるからである。

       『イザヤ書』11章1-9節


   『狼と小羊が共に宿る』イメージ kanazawa-baptist.jimdofree.com
         (Ria SopalaによるPixabayからの画像 )

       ま、まさか、お前さん! こんなヨタ話を、
      
     「信じてはおらんじゃろな」

       

      
      「で~たぁ、ペテロ構文 !」
 
          そ、そっち なの?
      
       ・・・ って、おいおい、

           画像元: domani.shogakukan.co.jp
          なんでやねん!

      
            なんだかなぁ!           

              


       『洗礼者ヨハネの斬首』 カラヴァッジョ(1608年)

     … to be continued !!



コメント一覧

小吉
文字は読める。文字の意味も分かる。
その文字は文章として成り立っている。
それなのにその文章の「意味」が分からない。

「キリスト化」という表現は「救世主化」と書いたほうがいいかもしれません。
 一般の人は「キリスト」というのはイエスの名字か何かだと認識しているので「キリスト=救世主」という意味という前提を持っていないと読めません。

 別記事で「小学生でも分かるイエス=キリスト」みたいのが読みたいですね。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「ノンジャンル」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事