透明人間たちのひとりごと

『現代型うつ』の不思議

 連日連夜、深夜から未明、時には夜が明けるまでテレビ
にかじりついての応援に寝不足気味の人も多いと思われる
ソチ冬季五輪も、いよいよ終盤となり、盛り上がりも最高潮
のようですが …

 いや~あ、女子のフィギュアスケートは圧巻でしたね

 キム・ヨナ選手の銀メダルに不満の人物が採点の見直し
と判定の調査を求めるオンライン署名サイト「Change.org
での署名活動を始め、主に韓国人ユーザーの急速な支持
により、150万人を超える署名が集まっているそうですが、

 金メダルとなったロシアのソトニコワ選手はいろんな意味
「幸運」 だったということなのでしょうpeace

 採点表による得点比較を見る限りでは 「ロシアびいき」も
許容の範囲内だと考えられます。

 むしろ、ジャンプの出来ばえ点だけを比較すれば

   ソトニコワ キム・ヨナ  コストナー 浅田真央
     7.27    7.28     5.50     1.87 

 ということで、日本人としては真央ちゃんの 1.87 のほうが
ずっとずっと 大問題 ですよ nose6anger

 まあ、シロウトが 「ああだ、こうだ」 言ったところで
何も始まらないので、採点に関する話はこの辺にしますが、
参加することに意義がある」というオリンピックの理念から
は遠く離れた国家の名誉と威信を懸けた「代理戦争」
となっている以上、各国における各人各様のナショナリズム
が爆発するのも致し方のないことなのかもしれません

 さて、うつ病と診断され休職中だったS君がちゃっかりと
オリンピックの応援にソチまで出掛けて行ったのですが …

 そもそも 「仕事にはどうも足が向かないけど、オリンピック
の応援ならソチでもどこでも出掛けられる」というような状態
は、はたして異常(病気)なのでしょうか

 精神医学的な考察によると、精神的なエネルギーが低下
しているときに 「好きなことや興味のあることならできるが、
辛いことや苦手なことをするほどの元気がない」という状態
は当然のこととして生じ得るのだそうで、実際に、うつ病の
回復段階において、このような状態が一時的に生じること
は決して少なくないのだそうです。

 そうは言っても、理解に苦しむのが「仕事は拒絶、余暇は
歓迎」という症状を 「現代型のうつ病」 だとする見解です。

 要は 「現代型うつ」 は病気ではなく、単なる甘えや
サボりの心理から来る現実逃避ではないのか

 … という疑問ですase2

 純粋に病気なのかどうかという医学的な見地に立てば、

 稀に病気の場合もあるという範囲や程度に属する範疇の
もので、病理というよりも現象、あるいは傾向 …

 つまり、社会的現象や環境による傾向偏差みたいなもの
ではないでしょうか。

 しかし、WHO(世界保健機関)は 「健康」 について、
身体的、精神的、社会的に良好な状態 … (以下省略)」
と定義しています。

 それに従えば、S君をはじめ 「現代型うつ」 と診断
された人々は、少なくとも社会的に良好な状態ではない right
すなわち 「健康ではない」 と判断されるわけです。

 個人的には納得がいかないのですが、精神的な意味に
おける健康上の問題は、社会との関わりのなかで相対的
に出現してくることが多く、日本的な例では「ひきこもり」や
不登校」があります。

 こうしたことは、日本では社会問題として頭痛のタネです
が、発展途上の国々ではこのような問題は皆無ではない
ものの発生件数は極めて少ないようです。

 さらに、最貧国ともなると …

 今日の食事にも事欠き、明日の命も知れないような環境
にある貧しい国々では、糧を求めて能動的にならなくては
生きていけないわけで、当然のことにひきこもっていること
などできないわけです。 

 要するに、「ひきこもり」「不登校」 が可能
なのは、安心してひきこもれる環境が用意されているから
で、「現代型うつ」 もそうした社会の要件が整って、
はじめて出てくる 社会現象 なのでしょう。

 なんでも、聞くところによると、

 小さいころから何不自由なく育てられた比較的に裕福で、
学業的にも優秀とされる学校の生徒や学生、若しくはそう
した学校を卒業して、ホワイトカラーといわれる仕事に従事
するタイプの人間に多い傾向があるそうですから …

 その意味からは、「現代型うつ」 という病理現象は
豊かだからこそ生じる 「現代病」 なのかもしれません
が、やはり、どうしても シックリ としません。

 シックリとしないのは、シックロール(詐病)や仮病
との関係です。

 シャレてるわけではありませんよase2

 以前にアップした 『シックロールな時代』 でも
触れたように …

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/342.html(参照)

 何でもアリの時代になった結果として、何にもナシという
ように道徳的な規範もメリハリも箍(たが)も筋もなくなって、
ただ単にダラっとしてデレっとしたインポテンツ
ような日本に成り下がっていることに起因するわけです。

 共同体や家族の関係も希薄で流動化し、自己主張だけ
が闊歩するような時代です。

 まわりを見渡せば、蔓延するのは 〇〇依存症やPTSD
(心的外傷後ストレス障害)、パニック障害、社会不安障害
といった言葉が溢れています。

 自己主張するからには、同時に 「自己責任」 への
比重が高まるのは自明ですが、これがまた曲者なのです。

 一方でグローバリズムによる雇用不安は、若者に限らず
就職を困難にし、社会での居場所を見失わせ、自立をする
ことさえ適わない状況や人々を増大させていきます。

 そうした不安の強まりは社会の構造的な矛盾のあらわれ
ですが、私たちを生きづらくさせている社会構造は容易に
変わるものではありません

 そんな時代に登場した理解不能な 「現代型うつ」
ですが …

 つまり、「現代型うつ」 はサボりなのか … という
ことですが、何もする意欲が湧かずに精神的エネルギーが
低下して仕事がおっくうに感じられるような状態であっても、
1号2号 などの中高年層は 「社会人として仕事は
安易に休むべきではない
」 と考え、自らに無理強いを課し
て出社しますが、若年層は 「他人に病気をうつしたり、ムリ
して悪化してはまずいから休養して早く治そう」と考えます。

 つまるところは、

 そうしたジェネレーション・ギャップが生み出す病理現象
のひとつで、医学的に云々 … というよりも、社会的倫理観
に基づく価値判断や価値観の違いといった方がより真実に
近いのかもしれませんよね。

 ところで

 最近では学校に一度も休まずに通った生徒に与えられる
「皆勤賞」 が姿を消しつつあるようです。

 その理由は、上記したような価値基準によって、風邪など
の症状があるのにムリに通学させて、他の生徒に感染させ
てはいけないという判断がはたらくのです。

 いつしか、「学校は休まずに行く場所」 から

 「無理して行ってはいけない場所」 へと

 変わってしまったのです


 こうした価値観の変貌や判断基準の変遷は、これから
先にどのような新しい
「現代病」 もどきを
作り出していくのでしょうか



 「現代型うつ」 をどうしても 仮病 としか思えない
老いし1号の悩み若きウェルテルに問いたいのです

コメント一覧

ルート1/2
「時代は中性」とかなんとか、辻仁成が言ってるけど、そんなだから中山美穂に三行半されるんだよ!
男女共同参画社会も「育メン」や「主夫」もケッコウだけど、
そんなのも含めて、このナヨナヨした時代が訳のわからない病気をつくるんだよ!
ブラック・J
「新型うつ」、「現代型うつ」、「ディスチミア親和型うつ病」など名称はさまざまですが、社会医学的病理として完全否定することは不可能だと思われます。
「仕事なのだから苦手だろうと嫌だろうと、やるしかない」という状況で、「〇〇が苦手なら克服しろ」と苦手意識や壁を乗り越えることを強要された世代と「〇〇が苦手なら得意な分野で頑張ればいい」と許容された世代とでは、当然のことに前者では負荷に耐性があり、後者が負荷に耐えられないことは容易に想像が及ぶことでしょう。
少子化の進む現代では、過保護な親の関わりが子どもの社会形成を阻害し、集団の中でもまれるという経験もないままに社会に送り出されてしまうことも少なくないわけで、現代病のひとつと言える事例でしょう。
ココナン
とうとう「失恋休暇」なる休みが登場しました。
それを提唱した株式会社サニーサイドアップは働きがいのある会社、中小企業の部で第3位なのだそうですよ!
おいら
出社拒否症に登校拒否症、行きたくなければそんな理由で休めるんだから言ったもの勝ちだわ。
餃子ライス
「Change.org」の署名だけど、韓国人を中心に190万超から200万人に迫る勢いだとか、こんな調子で日本の悪口を世界中にばら撒いているんだろうな。 韓国人の執念は凄いよ!
バカボンのパパのパパ
なんでもかんでも理由をつけて病気にしてしまうような風潮には疑問を感じるのだ。
大いに異議アリなのだ!
皮肉のアッコちゃん
滅私奉公を続けて、ひたすら会社のために働いてきた中高年世代から見れば、仕事には行けないが遊びはOKなんて、単なる甘えにしか思えないでしょうね。
ただ、そうやって批判すると、うつ病だとされる彼らをさらに追い詰め、社会への適応を阻害すると言われるのだから、もうお手上げです!
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