『黙示録』の物語をモチーフに『モナ・リザ』を
描いたダ・ヴィンチにとっての第一義は、危機の回避
にありました。
とかく、クリエイティヴな人間ほど天邪鬼(あまのじゃく)な
ものですが、ダヴィンチのそれは頭一つ二つといった程度
を遥かに通り越したひねくれようで、群を抜くその曲がり方
は無限のループとなって鑑賞者を混乱させ、悩ませ続けた
あげくに間違った結論を導き出させる罠の宝庫です。
そんなダ・ヴィンチが熟考し、練りに練って仕上げた作品
が『最後の晩餐』で、その封印された罠を解く
「鍵の鍵」が『モナ・リザ』にあることは、繰り返し
このシリーズのなかで訴えてきましたが …
遠くない将来において起こると予測される母なる大地
(地球)と人類絶滅の危機を観念的に察知したダ・ヴィンチ
が『モナ・リザ』に隠し描いたアナザー・ストーリーは、
同時にローマ・カトリック教会の腐敗と横暴と欺瞞を未来に
告発するという目的をもったアレゴリー(寓喩)であり、
出典 popcultureplaypen.com
『モナ・リザ』に隠喩された『黙示録』に登場する
個々の生き物(怪物その他)や人物に、どこまでの意味を
持たせていたのかは不明ですが、鑑賞者の側にさまざまな
オブセッション(妄想)を引き起こすだけの卓抜した構成力
と構図を配していることは確かです。
通常、肖像画は、まず人物が決定され、場所が確定され、
時間が限定されるもので、特定の時間と空間との不可分な
関係下で成立するのが一般的ですが『モナ・リザ』は
時空を超えています。
いつでも自由に異次元の世界や別の空間に移動が可能
なことはもちろん、時間の超越も自在で特定の時間や空間
に固定されることはありません。
当然のことながら、
「鍵の鍵」である『モナ・リザ』に時空を超える
キャパシティがあるのであれば、『最後の晩餐』には
どんなパワーが秘められているというのでしょうか
エコロジーに進化する道を選ばなければ自然環境の
破壊が進み、早晩に人類と地球の危機が訪れる
と覚ったダ・ヴィンチが『最後の晩餐』に仕込んだ
罠と謎とは ・・・
この『ダ・ヴィンチの罠』が始まったキッカケは、
透明人間1号がボツにした記事のリメイクを
2号が代筆するなかで、ビビっと閃くものを感じた
からで、拙稿 『裏切り者ユダの福音書』では
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/378.html
伝え切れなかった何かが『最後の晩餐』の壁画に
隠されているとのインスピレーションを受け取った
ことは、まさにヨハネに黙示された幻のような天啓に
導かれているが如し出来事だったです
その代筆に個人的な補筆を加えた下記のエントリーは、
『最後の晩餐(CGの謎)』
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/398.html
『最後の晩餐(謎の迷宮)』
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/399.html
結果的に、このシリーズへのプロローグとなったわけで、
これから解説する予定の『黙示録』に登場するキャスト
とも密接に関連していますので参考にしてみてください。
ところで、
聖バルトロマイは生きながらにして生皮(自分の皮膚)を
剥ぎとられ殉教したと言われていますが、
『最後の晩餐』では鋭い視線でイエスを凝視する
ような、あるいは 遠く未来を見つめるようなバルトロマイ
の瞳に映っていたものは覇気のないイエスの表情
だったのか、それとも荒廃しつつある母なる地球の
哀れな姿だったのでしょうか
『最後の晩餐』 NHKの復元CG画像
そもそも、
バルトロマイとされる人物をダ・ヴィンチは、バルトロマイと
して描いているのでしょうか
プロローグとなった『最後の晩餐(CGの謎)』
や『ダ・ヴィンチの罠 予告版』でも記したように
http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/400.html
バルトロマイは人類の起点となるアダムに始まり、イエス
、大ヤコブ、そしてダ・ヴィンチ自身と一人で何役をも兼ねる
主要キャストのひとりです。
今日の関連で言えば、多分に不甲斐ないイエスを尻目に
遠い未来に想いを馳せているダ・ヴィンチ自身にダブらせて
いるようにも感じます。
生きたまま生皮を剥がれる苦痛を未来の人類と地球の
破壊に置き換えるアレゴリーであると理解できるからです。
さて、
『黙示録』に話を戻すと …
七つの封印で閉ざされた巻き物が「神」の手から
七つの角と七つの目をもった「子羊」に手渡されて、
ひとつひとつの封印が解かれていく神秘的な情景を
ヨハネは幻として見るわけですが …
一つ目の封印が開かれると隠し絵にあったライオンの
ような生き物が、雷のような声で「来なさい」と叫ぶと
白馬に乗った騎士が現われ、二つ目、三つ目、四つ目と
次々に封印が解かれるたびに、雄牛は赤い馬の騎士を
、人のような顔をした生き物は黒い馬の騎士を、鷲に似た
ものは青い馬の騎士をそれぞれに登場させます。
この四つの生き物に導かれた四人の騎士が乗る馬の色
は、古代の中国と日本で東・西・南・北に配置された
「四神獣」と偶然にも同じです。
つまり、
青青龍東、白白虎西、
赤朱雀南、黒玄武北、です。
しかしながら、
『黙示録』の四騎士は、それぞれに弓、剣、
秤、死をシンボル(象徴)として持っています。
白獅子征服(弓)、赤雄牛戦争(剣)、
黒人間飢饉(秤)、青大鷲墓場(死)。
をあらわしているとも言われていますが、冒頭のように、
ダ・ヴィンチの目的は教会への糾弾と環境破壊
の回避にあるわけで、ノストラダムスのように何事かを
占ったり、予言をすることではありません。
ですから、そこに特別の意味を込めることには興味もなく
何らの価値も置いてはいませんが、野次馬根性的には
いろいろと詮索してみたくなるもので、
次回では、「四神獣」と「四騎士」との関連性に
ついて言及してみたいと思っています。
最後になりますが、バルトロマイ(ダ・ヴィンチ)の思いの
一端を示す絶妙な画像を見つけたので紹介します。
『最後の晩餐』を捩(もじ)ったNHKのTV番組
“サラリーマン・NEO”のパロディです。
タイトルは『最後は解散』の1シーン。
出典 www.geocities.jp
取締役会において、効果的な指示も意思決定もできない
中央の社長(イエス)を凝視するメガネ姿の平取締役の
バルトロマイ …
秘書のヨハネに何事か訊ねる専務のペトロの手には …
はてさて、
バルトロマイ(ダ・ヴィンチ)の視線の先に見え隠れする
のは会社(地球)のどんな未来なのでしょうか
あてもなく回転するだけの死の星になるのは御免です
「言っとくことがあるが …」
「わしは専務じゃなくて副社長じゃ」
… to be continue !!
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