果たして、本当の意味で「謎解き」や「種明し」
になっていたのかどうかは、甚だ心もとない限りですが、
「謎解き」の手ほどきと、「種明し」の妙味を
味わったあとで、いよいよ本腰を入れて「罠」を紐解く
「鍵の穴」を見つけ出す作業に移りたいと思います。
すでに、
ここまでの手続きを踏まえている方々は、以下の記事を
参照する必要はありませんが、初めての方は予習の意味も
込めて出来るだけ参考にしていただければ幸いに存じます。
それでは、
早速にも「鍵穴」探しを始めたいと思いますが、
まずは、問題となる箇所を抽出しておきましょう。
① 遺骸は、同教会付きの神父たちの手によって運ばれる
② 同教会の教区長や主任司祭及び聖ドニ教会の副司教と
礼拝堂の司祭、同フランチェスコ修道士に随行される
③ 助祭 副助祭による3回の大きなミサと30回の読誦ミサ
④ 聖ドニ教会や聖フランチェスコ会で同様の儀式を行う
⑤ 60人の貧しき人たちの手で60本の松明がささげられる
⑥ この役務によって、貧しき者たちに金銭が付与される
⑦ その松明を、4つの教会に分けることを希望している
次に、それぞれの数字のもつ意味を簡単にまとめると
「3」は、三角、3つの目的、3枚の絵
「4」は、4つの教会、4つの窓、4分割、4分の1
4つの編成、4人の人物、4線譜
「9」は、反転、重ね、繰り返し
「30」は、フィボナッチ数列、連続性、偶数
「33」は、掛け合わせ、重ね合わせ
「60」は、仕掛けられた罠の数、解答
「90」は、偶数、直角
などを意図しているようです。
続いて、名詞(代名詞)や単語(語彙)の解釈ですが、
① 遺骸は、同教会付きの神父たちの手によって運ばれる
② 同教会の教区長や主任司祭及び聖ドニ教会の副司教と
礼拝堂の司祭、同フランチェスコ修道士に随行される
③ 助祭 副助祭による3回の大きなミサと30回の読誦ミサ
④ 聖ドニ教会や聖フランチェスコ会で同様の儀式を行う
③ の大きなミサは「罠」の存在を示しているので
3つの大きな「罠」と、その目的の宣言でしょう!
読誦ミサは、司祭がミサを唱えて、信者会衆がそれに
応じて唱和する形式が一般的ですので、聖歌を歌わずに
祈祷文を30回読誦することの要請です。
つまり、
葬儀に際し、アンボワーズの聖フロレンティーノ教会
に埋葬し、遺骸は同教会付きの神父たちの手で運ばれた
のちに、助祭と副助祭による3回の大きなミサが行われ、
聖グレゴリオで30回の読誦ミサを唱えるというわけです。
要するに、
3つの大いなる「罠」の目的を明確にすることと、
30回の読誦ミサを聖グレゴリオで執り行うわけですから
聖グレゴリオが 鍵穴になるかもしれません。
なるほどね!
その場合に
「聖グレゴリオ」=《グレゴリオ聖歌》を意味して
いると思われるわけですが、具体的にグレゴリオ聖歌
のどこの箇所を指しているのかは不明です。
しかしながら、④ にあるように、
聖ドニ教会や聖フランチェスコ会でも同様の儀式を
行うわけですので、やはり、これが「鍵の穴」の
有力な候補になるのでしょう!
鍵穴の暗号イメージ it-trend.jp
そこで、つらつら考えるに、
先の「謎解き」の記事でも触れているように、
洗礼者ヨハネを暗示する聖ドニ教会とフランチェスコ
会の創始者である聖フランチェスコが托鉢をしながら
、平和、愛、清貧を唱えていくうちに、次第に「兄弟」
と呼び合う同志が増えて、十二使徒に対応する12人の
仲間である「小さき兄弟の修道会」を名乗ったように
《グレゴリオ聖歌》の中に、それらに関係する聖歌が
ないかと思い探していたら、意外な発見がありました。
現在において、
広く一般に用いられている音名あるいは階名として
の「ドレミファソラシ」が、ローマ・カトリック教会
のグレゴリオ聖歌、《聖ヨハネ讃歌 Utqueant laxis》に
由来するもので、
聖ヨハネ讃歌 音符記号 F( ヘ音記号)が第3線にある sntcc.la.coocan.jp
ラテン語の聖歌(グレゴリオ聖歌)の「歌詞」から
採られていたという事実です。
すなわち、
「ドレミ」の原典は「洗礼者聖ヨハネの誕生」の祝日、
6月24日の第二晩課の時に歌われていた『ヨハネ讃歌』
の歌詞の「一番」だったのです。
Ut queant laxis resonare fibris Mira gestorum famuli
tuorum, Solve polluti labii reatum, Sancte Ioannes.
汝の僕が、弦をかきなでて、汝の妙なるわざを讃え得るように、
この穢れある唇の罪をのぞかせたまえ、聖ヨハネよ!
この太字で表示されているところから「ド・レ・ミ
・ファ・ソ・ラ」という音階が採用されたのですが、
最初の「Ut」がどうして「Do」になったのか? と
いうことと「S i」はどうなっているのか?という点に
関しては、ラテン語では、しばしば「J」の代わりに
「I」が使われていて、“Johannes” は、“Iohannes”と
綴られていましたので、「S i」は “Sante Iohannes”の
省略形と見做すことができるわけです。
「S i」が、洗礼者ヨハネに由来するならば、「Do」
は、「主=イエス」を意味する “Dominus” に由来する
という推論がここで成り立ちますが、
現在、長音階の第7音の「シ」は、短2度上行して
主音である「ド」に向かうことが多く、この性質から
イエスを導く音という意味の「導音」と呼ばれます。
音階の開始音を「主音」といい、主音の短2度下の
音が 「導音」 ですが、
音の名称 ongakunote.com
「S i」から「Do」への移行が、洗礼者ヨハネから
イエスへの流れと重なり合うことをイメージさせる
わけで、「シ」から「ド」が 主であるイエスを導く
洗礼者ヨハネのことではなく、真の救世主(メシア)
こそが「洗礼者ヨハネ」であるという真実の事柄を
ダ・ヴィンチは遺言状に託して伝えたかったのでは
ないでしょうか?
先の『聖ヨハネ讃歌』Utqueant laxis は、
まさしく、“元祖ドレミの歌”です。
いったい、どんな感じの讃歌なのか?
歌詞を見ながら、聴いてみることにしましょう。
Ut queant laxis resonare fibris Mira gestorum famuli
tuorum, Solve polluti labii reatum, Sancte Joannes.
汝の僕が、弦をかきなでて、汝の妙なるわざを讃え得るように、
この穢れある唇の罪をのぞかせたまえ、聖ヨハネよ!
ここでもまた、洗礼者ヨハネの登場ですね。
ふむ ふむ ふむ
画像元 www.pinterest.jp
おそらくダ・ヴィンチは、このことが言いたくて
意味深なる3枚の絵画を残したに違いないのです。
『モナ・リザ』 『聖アンナと聖母子』 『洗礼者聖ヨハネ』
こうしてダ・ヴィンチは3枚の絵画に新たな「罠」を
仕込んだうえで、それらの絵画を死ぬまで手もとに置いて
時々に筆を加えていたわけなのですが、
『聖アンナと聖母子』 『モナ・リザ』 『洗礼者聖ヨハネ』
その「罠」の在りかを示すメイン・キーとなるものが、
『モナ・リザ』を始めとする終生、手もとに置いていた3枚
の油彩画で構成された〝ドラゴンレーダー〟だったのです。
3枚の油彩画を合体・合成したドラゴンレーダー
ドラゴンレーダーについては、
『ダ・ヴィンチの罠 パズル』
『ダ・ヴィンチの罠 地動説』
『ダ・ヴィンチの罠 羅針盤』
などを参照してください。
ふむ ふむ ふむ
画像元 www.pinterest.jp
ところで、
『新約聖書』には2人の「聖ヨハネ」が登場します。
ひとりはイエスに洗礼を施した洗礼者ヨハネであり
もうひとりはイエスの愛弟子の聖ヨハネ(使徒ヨハネ)
ですが、前述したドレミの起源の《聖ヨハネ讃歌 》が
前者であることは一目瞭然で、『福音書』の中には、
洗礼者ヨハネに関する記述が随所に存在しています。
元来、《聖ヨハネ讃歌》は洗礼者ヨハネの誕生の日
における聖務日課で読誦される祈祷文です。
彼の誕生については、
『ルカの福音書』1章5〜22節と、同57〜65節に
詳細なる記述がありますが、長くなるのでここでは
割愛することにします。
カトリックの教会暦には多くの聖人の祭日が存在
しますが、そのほとんどが殉教した日なのです。
しかし、
洗礼者ヨハネに関しては、誕生した日(6月24日)
と斬首された日(8月29日)が、教会の祭日として
記念されています。
誕生日が祝われるのは聖人としては異例であって
洗礼者ヨハネには特別な地位が与えられてきたこと
を如実に示す事柄であるわけですが、なにか曰くが
ありそうな臭いがプンプンと漂ってきますよね!
う~む ・・・
さて、
今回も「ドレミの起源」に寄り道してしまった関係で
、遺言状についての解説を深掘りすることができません
でしたが、次回こそは、無理矢理にも鍵穴をのぞき込み
、是が非でも全容の解明に努めたいと考えています。
と言っても、
ドアをオープンにして全面開放の環境下で物事の探究
ができるわけではなく、小さな鍵の穴から目を皿にして
覗き込むのが精一杯ですから、自ずと限界がありますが
鍵穴から覗き見るイメージ (知覚の扉)karapaia.com
それでも、目一杯の知覚をはたらかせて「罠」の
解明に尽力したいと考えています。
ちなみに、
我々が知っている『ドレミの歌』を作ったのは
リチャード・ロジャースとオスカー・ハーマースタイン
2世ですが、彼らはきっと 『聖ヨハネ讃歌』に
想いを馳せて、世界中の子供たちが、もっと歌うことを
楽しめるようにと、現代版の『ドレミの歌』を
作ったのではないでしょうか!
では、皆さん、楽しく〝ドレミの歌〟を歌いましょう🎶
しかし、なんじゃな!
そう言えば、むかしのことじゃが
映画「パンツの穴」 aucfree.com
《パンツの穴》というちょっとエッチな下半身の
悲喜こもごもの事情を語り合う読者の投稿コーナー
があって、それが何と映画化されとったんじゃよ!
「パンツの穴から覗き見するワシらのような」
いやいや、もとい!もとい!
「鍵穴からのぞくワシらじゃったのぅ!」
・・・ って、おいおいおい、
マジかょ! こいつら、なんやねん (^▽^;)(^^ゞ
… to be continued !!
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