作家として精神科医として加賀乙彦さんの発言、「日本は戦後、戦争を卒業したはずなのに、最近の政治を見ていると、それが怪しくなっています。戦争の準備のために、税金を湯水のように使うのは容認できません」。軍事費よりも文化にお金を使う国こそが、本当に強い国だとも。時代と人間に正面から立ち向かった作家の“遺言”をかみしめたい。2023.1.20赤旗 潮流
19日 行動に参加した仲間たち
徹底追及 統一協会
全国93施設の不動産所有
高額献金・霊感商法が原資
全国に290カ所ある統一協会(世界平和統一家庭連合)の「教会」施設のうち、93施設(32%)の不動産を協会が所有していることが3日、本紙と日本共産党国会議員団の調査で分かりました。ここ12年で急速に資産を増やしており、いずれも金融機関から借金せずに購入しています。統一協会は信者をマインドコントロール(洗脳)し、霊感商法や高額献金に駆り立ててきました。それらの資金が協会の資産となった形です。(統一協会取材班)
調査対象は、統一協会が公表している「教会」施設と本部の計290施設。登記簿謄本をとり確認しました。保有が判明したのは93施設。確認できた土地面積は合計約7万4700平方メートルで、東京ドーム1・6個分の広さです。その他の「教会」施設は賃貸とみられます。
宗教法人法では、宗教法人が認めない限り、信者に対しても資産が公表されません。このため統一協会は資産を非公開にしており、本紙の調査で初めて協会の所有不動産数が明らかになりました。
地域ごとでみると、中四国地方が16施設、東海地方が14施設などとなっています(図参照)。入手時期は2011~22年に集中しており、62施設を取得しています。
図
総務省や法務省によると、宗教法人が本来の宗教活動に使う本殿などの施設は、不動産取得税、固定資産税、登録免許税が免除されます。統一協会は優遇措置を利用し、資産を増やしています。
統一協会の不動産は、1990年代以前に購入したものを除き、いずれも当初から金融機関の抵当権がついておらず、現金など自己資産で取得したとみられます。
全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、霊感商法や献金などの被害額は1987~21年までに合計約1237億円にも上ります。被害者らは被害救済や統一協会に解散命令を出すよう求めています。
被害救済に取り組んできた渡辺博弁護士は、「統一協会所有の不動産は、被害者への返済に充てる原資になる。ただ解散した場合、不動産を別法人の名義にされる可能性がある。私たちは政府に統一協会の資産を保全するよう求めている」と指摘します。(関連記事)
税制優遇やめるべきだ
日本共産党国会議員団統一協会問題追及チーム事務局長の宮本徹衆院議員の話 近年に統一協会の保有資産が急増した背景には、信者をマインドコントロール下においたことによる献金被害がある。施設を拠点に、さらなる被害を広げ、自民党候補らの選挙支援も行ってきている。これらの施設保有への税制優遇はやめるべきであり、岸田政権には速やかな解散命令請求を求めたい。