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最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■継ぎ目のない床暖房でポカポカ~低温式床暖房で無垢でも安心~プレーリーハウス

2008-01-28 09:41:01 | ■建築-実施・監理
しばらく、更新が途絶えていましたが・・・
例のプレーリーハウスの工事が急ピッチで進んでおります。



この日は、低温式床暖房の施工を行っていました。
今回の住宅では無垢のフローリングを採用しているのですが、東京ガスに代表される高温式の床暖房では、暴れやムクレがおきやすい為、使用材料が限られます。
その為、床暖房に流す温水の温度を40度~50度くらいに抑えたシステムを採用しています。

前回紹介した低温式床暖房”うらら”は、銅板を利用したものでその効果は実証済み。
今回はそれとはちょっと違う床暖房で、断熱材のパネルを敷設したのち、写真のように架橋ポリエチレンパイプという管を配管していきます。
コレは、現在使われている配管の中では信頼性が高く、継ぎ目のないのが特徴で漏水事故が起きづらい優れもの。



配管した架橋ポリエチレンパイプはサヤ管という管の中を通してヘッダーと呼ばれる連結部まで通されます。
ここに点検口を設けることで、メンテナンスも容易になります。

東京ガスの床暖房に比べ、何が優れているかというと・・・
先述の記事にも書きましたが、パイプの径が太い事。
また、継ぎ目もないので細くつぼまる部分もなく、つまりにくいのです。
(何年も使っていると、次第にパイプに付着物がついて細くなっていきます。)

そして、径が太い=流量が多いので温水の温度が下がりづらく、低温でも床暖房を運転できるという事になります。

結果、床材に負担を掛ける事がすくなく、問題がおきづらいのです。
(あくまで、おきづらいというぐらいです。人によっては問題だと思う方もいるかも)

今回のシステムは、ミナミヒーティングの”床暖パオ”という商品。
既存家屋でも床下から施工できるというメリットもあります。

※詳細は、こちらの記事をご覧ください。

まぁ、デメリットをあげるには立ち上がりが遅いのと・・・
熱々の床暖房を期待している人には向かないということでしょうか。



外部では、左官工事が始まりました。
ラスモルⅡという工法で、グラスファイバーメッシュを伏せこみクラックが入りづらいようにしています。



床暖房屋さんが2階を施工している間、1階では大工さんが合板フローリングの施工をしています。
今回は、プライベートな部分にはコストを掛けない予算配分しています。

ですから、2階は無垢の床材。
1階は複合フローリングとなっているのですが、実は複合フローリングの方が圧倒的に塗装が良く、ぱっと見はこっちの方がいいと思う方もいたりするのです。
これは、何年も経つとその差は歴然。
無垢の床材の良さは時の経過と共に現れてきます。

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我々建築家は、出来る限りそういった味わい深い材料を使いたいと思うもの。
しかし、本物の木は高く、色むらや節など扱いづらい問題も多い為、住宅メーカーや建売では敬遠されがちです。
(特に、床暖房では問題がおきやすい)

材料の性質をキチンと説明した上で、クセのある材料と付き合ってもらいながら、本物の良さをお客様には感じてもらいたいものです・・・

---プレーリーハウスの記事---



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■ついに上棟!~大工工事のはじまり

■継ぎ目のない床暖房でポカポカ~低温式床暖房で無垢でも安心

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★フランク・ロイド・ライトの精神は引継げたか?~竣工写真①

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※本物件はグループアプローチ建築設計事務所勤務時代に担当者として設計に携わりました。
現在は退所し、物件写真等は削除させていただいております。


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