ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■ハイドパーク&フランク・ロイド・ライト「フレデリック・C・ロビー邸」~シカゴ・カナダ旅行①

2007-10-08 15:59:58 | ■海外旅行(北米・南米)
2007年9月末に訪れたシカゴ・カナダ旅行のレポート第一弾。
まずはシカゴのハイドパークをご紹介します。

東京都シカゴの時差は14時間(サマータイム以外は15時間)。
昼過ぎに成田を出発した飛行機は日付変更線を越えて、”同日”の11時30分に到着。
ちょっとしたタイムマシン感覚で空港に降り立ちました。

時差ぼけでかなりネムケ眼の我々。
しかし、フランク・ロイド・ライトの設計した”フレデリック・C・ロビー邸”の見学予約をしていたので、空港近くのホテルにチェックインしそのまま向かいました。



この”ロビー邸”はライト自身が気に入っている建物の一つ(他に旧帝国ホテルとユニティテンプル)といわれている名作。

四角い建物を薄くスライスしてズラして構成した様な外観は、とってもカッコイイ!
複雑に入り組んだ外壁は、細部まで計算しつくされていて、ただただため息が出る。
さすがだなぁ~。



ライトのこだわりはレンガの目地にも表れていました。
竪の目地と横の目地で目地の深さはもちろんの事、色まで変えていた!
コレは、プレーリースタイル(アメリカの大草原に建つアメリカの邸宅のスタイルを確立しようとしていた)で、一貫して見られるのですが・・・
大地に根差した建物を意識して”水平線”を強調している為。

すごい!
ここまで徹底したデザインはなかなか出来ません。
いったい幾ら掛かっているんだという話(笑)



邸内は、ガイドツアーのみで見学が可能。
ツアー中は建築中止だったので、外から窓越しに撮った写真しか掲載できないのがほんと残念でなりません。

ここは二階のリビングルーム。
ライトは、日当たりのいい二階をリビングにする事が多かったように思います。
そして、もう一つの特徴は暖炉を中心に構えているという事。
その為外観にもその特徴が現れているのですが、ライトは暖炉の暖房効率を高める事とともに家族の象徴として中心に添えていたのでしょう。

まぁ、裏を返せばそれが可能なほど家がおっきいという事。



天井高さも贅沢なほど高いし、空間も伸び伸びしている。
本当は、今計画しているプレーリーハウスのなにか参考になればと思っていたのですが・・・

全てが大きすぎる!(参考にするには)
モールや窓枠、飾りや、割付・・・
全て空間の大きさに合わせてデザインされていて、みごとに調和が取れているのですが、一般的な日本の住宅にこのディテールを取り入れたら、とても重苦しい空間になってしまう・・・

幅木の高さや模様をどれほどシンプルにして取り入れるか?
使う木材の量や飾り。
結局の所、自分の感覚でリ・デザインしなければならなく、今回の見学が参考になったのかはとても?です。



そんなおっき~いロビー邸なのですが、その中でも玄関部分は比較的天井高さが低く抑えられていて気持ちが良い。
やっぱキチンと天井高さを抑えているところは抑えているんだなぁと。
日本の賃貸やマンションみたいに画一的な天井高さ(2100、2400~2600or吹き抜け)の室内と違って、必要な高さを計算して作られた空間はとても説得力があります。

ライトの住宅には基本的にカーテンがありません・・・
今回の計画の中で一番悩んでいる所で、どのように処理しているのか?
雑誌や写真集に載らない所で、そういった工夫が見られないかなぁと思っていたのですが、残念。
やっぱりブラインドやカーテンは考慮していなかったみたい。

まぁ敷地が広いのと、実際住む人が突っ張り棒みたいなのでカーテンをぶら下げていたみたいで、建築として処理している片鱗は見られませんでした。
残念。

■ロビー邸・ライトのスタジオ&自宅の公式HPはこちらから
見学予約はこちらから可能です。
私の訪れた9月末は予約しないでも現地でチケット買える状況でした。
また、オークパークになる自邸&スタジオに2ドルの割引券が置いてあったので、時間がある方は先にスタジオを見学してから、ロビー邸に来た方がお得だと思います。

また、1階は修復中で、あまり、見ごたえはありませんでした。
時間がなくて片方しか見学できないのであれば、迷うことなくオークパークを訪れてみてください。



フレデリック・C・ロビー邸の向かいにある多目的施設。
ライトの設計思想に影響を受けてつくられたようなのですが・・・
やはりあまりよくない。

実意は、見学ツアー前に外人の建築家さんにあの建物もいいよと言われて見に行ったのですが、あまりにもモダンに造られ過ぎていて、素材感や、空間の質がまるで違う。
外観は確かにライト的なところを感じるのだけれども泥臭さを感じさせないスッキリトしたデザインには、あまり感心しません。
近代建築としては評価できる部分もあったのですけどね。



このロビー邸のあるヒドパークという地区は、シカゴのダウンタウンから南に15kmぐらい離れたエリアでシカゴ大学を中心に閑静な住宅街といった雰囲気。
シカゴ大学の中に町があるというか、町の中にキャンパスがあるというか・・・
ともかく、とてもいい雰囲気の街並み。

このロックフェラー・メモリアル・チャペルはそんなハイドパークの中心的チャペルで、とても存在感がある。
建っているというよりは、そびえるという言葉の方がしっくりくる。



シカゴ大学は世界有数の大学。
アメリカの大学というとハーバード大学ですが、ノーベル賞の受賞者数ではその2倍と群を抜いている名門校。



キャンパスは伸び伸びしていて、ベンチで読書をしたり芝生にねっころがって勉強していたり・・・
こういう環境が、ノーベル賞受賞者を育てているのだと思う。



シカゴ大学の?図書館で、この建物がなかなか良かったです。
レゲンスタイン図書館という名前です。



コンクリートの多層に積み重なっていて、上から順に小さくなると共に、奥へ引っ込んでいく。
それに伴って開口部のガラスが大きくなっていて・・・
イイ。



そして、さらに良かったのがその内部。
十字に組まれた梁が多層に重なっており、その中心をアッパーライトで照らしてある。
シンプルながら、複雑な光の効果を醸し出しておりとても雰囲気が良い。
こんな落ち着いた図書館があったらいつまでも本を読みたくなってしまいそうだ。



公園で出会ったかわいこちゃんたち。
ほんと、満面の笑みをカメラに向けてくれたこの二人。
かわいかったなぁ~。
時差ぼけで辛い私たちを完全に癒してくれました。

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とわいうものの疲れはピーク。
眠さの限界です。

この時期のシカゴは大規模なコンベンションが行われている為、ダウンタウンのホテルは劇高!
その為、市内から1時間離れた空港近くのホテルをとっていたので・・・
地下鉄に乗って帰宅。
へとへとになりながら、ホテルで晩御飯を済ませ泥のように眠りに落ちたのでした。

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次回はオークパークにあるライトの自邸とスタジオ、そしてユニティ・テンプルについて触れます。
↑クリックしていただくと別ウィンドウにて引き続きお楽しみいただけます。

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■フランク・ロイド・ライトの自邸&スタジオ・ユニティテンプル探訪~シカゴ・カナダ旅行②

■フランク・ロイド・ライトの玉手箱~オークパーク探索・全部見せます~シカゴ・カナダ旅行③
■建築の坩堝~ミース・ファンデ・ローエに珠玉の夜景~~シカゴ・カナダ旅行④

■地球上のブラックホール~ナイアガラの滝・トロント・ハミルトン~シカゴ・カナダ旅行⑤

■メープル街道に北米唯一の古城~シカゴ・カナダ旅行⑥

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■AkatukiのHPはこちらから
世界各国の美しい写真を多数ご覧いただけます。

■フランク・ロイド・ライト氏デザインの帝国ホテル正面玄関の写真を公開してます


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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (賃貸情報)
2007-10-08 16:06:53
いつも役に立つ情報ありがとうございます


私は「賃貸情報」と言うサイトを運営しています


もし良ければ一回来てみてくださいね

返信する
芝生に寝っ転がって (aonuma)
2007-10-08 21:51:26
いつも役に立つ情報ありがとうございます

緑あふれるキャンパスっていいですよね。
僕も芝生に寝っ転がって、本当に寝てしまったことがありますよ。

あっ、寝ちゃいけないのか

あそこで勉強してたらノーベル賞取れたかも(笑


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Unknown (ひろぽん)
2007-10-09 01:09:29
フレデリック・C・ロビー邸の入り口(玄関?)がすごいかっこいいです!塀も微妙に斜めになっているところがいい!
こんな家に住んでみたいものです(^^;)
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賃貸情報 (akatuki)
2007-10-09 23:23:43
>aonumaさん

一本とられました・・・
↑上のような広告コメントは即座に削除したい所なのですが・・・
aonumaさんのコメントの為に取っておきます(笑)

イグノーベル賞だった可能かもしれませんね・・・

>ひろぽんさん

斜めになっているのは写真のセイだと思います・・・
実際は垂直だったハズです。
わかりづらくてすみません。
せめて、こんな家に住んでいる人とお友達になりたいですね(^0^)
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