歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

山下 努 (著)  「老人優先経済」で日本が破綻

2013年09月22日 | amazon.co.jp・リストマニア
年金・社会保障の世代間格差を激烈に描く, 2013/9/22

By 歯職人

 朝日新聞記者の山下努氏による現在の社会の低迷の原因を、主に「老人優先経済」から描く一冊です。
 各章を並べると「第1章 食い尽くされる若者たち」「第2章 シルバーマネーが資本主義を葬った!」「第3章 公共事業と年金の世代間格差が若者世代を殺す」「第4章 世界中が「老人優先経済」化している?」「第5章 福祉・高齢者ビジネスが経済回復のカギ――それって本当?」「第6章 そして…シルバー超インフレ時代がやって来る!」、ちょっとお腹一杯てす。
 部分的には首肯できる論点もあるが、ヨーロッパ経済を論じた部分は、他に比し筆に勢いがない。
 社会保障制度改革国民会議報告書と対比して読み比べることが、本書の有効活用の方法であろう。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4893088033/ref=cm_cr_mts_prod_img

「老人優先経済」で日本が破綻

山下努:著

■ISBN: 9784893088031
■定 価: 1,400円
■発行年月: 2013/07/10
■分 類: 社会・経済

アベノミクスが若者世代に押しつけた罪!
「国債バブル」と「老人優先経済」の実情を知り、生き残れ!!
これ以上騙されたくない、すべての60歳以下の人に必読の書!

目   次

第1章 食い尽くされる若者たち
若者をインド人、中国人と競争させる――それが「老人優先経済」だ! /消費税増税は「老人優先経済」を盤石化するだけ/「世代会計」とは、すなわち「未来会計」のことである/親世代のような「普通の幸せ」はもうやって来ない/老人への手厚い手当の前に、未婚30代に結婚手当を出してくれ!/自民党政権によって、勝ち組優遇措置はさらに強化される /「老人優先経済」の余波で、五重苦にあえぐ30年後の若者たち/窮乏化時代は草食化で生き延びるしかない!

第2章 シルバーマネーが資本主義を葬った!
65歳以上は、かろうじて幸せなまま死ぬことができる /福祉医療予算は高齢者がほぼ独占している/「老老相続」時代の税法改正――損をするのは誰だ?/「老人優先経済」の前提となる「人口オーナス」社会の到来とは?/「時間」までもが高齢者のものなのか?

第3章 公共事業と年金の世代間格差が若者世代を殺す
無用な新幹線と高速道路に殺され続ける若者世代/日本がムダなダムと道路に埋め尽くされているのはなぜか?/原発事故は、エネルギーの大量消費で時間を速めた社会が引き起こした /老人が死ぬまでもらえる「年金」という所得/橋下市長殿、年金はすでに「掛け捨て」ですよ! /若者世代に、まさかの年金未納のススメ!?/東京五輪はシルバーオリンピック、インフラの高齢化を止める最後のチャンス?

第4章 世界中が「老人優先経済」化している?
低金利時代への突入で、世界の年金制度が大きな危機に!/世界中が陥る年金の「ニッポン化」状態とは?/アメリカの公的年金も「ニッポン化」!?/ドラッカーが予測していた年金の失敗 /死に体企業の年金制度の行きつく先も「ニッポン化」/マネタイゼーションが、世界の若者の夢を食べてしまう/ユーロ崩壊に見る、民主主義のデフォルト事情 /世界の中央銀行が日銀化? 政府が出した国債を政府が買うという愚/「老人優先経済」国家向きのケインズ政策を知っていますか? /あの田中角栄が日本の政治にケインズ政策を採用した!/日銀新総裁の「黒田節」が、安倍インフレに「クロシロ」を付ける!

第5章 福祉・高齢者ビジネスが経済回復のカギ――それって本当?
日本のデフォルトを避けたければ、まずは記憶をデフォルト(忘却)せよ /若者離れが著しい介護業界に奇策はあるのか?/なぜ特養ばかりに行列ができるのか?/老人ホームで若者も虐待されている?これがシルバー搾取だ!/介護福祉の現場にあるという現役世代と高齢者の「談合」って?/親の介護で、家庭が破産!?/残酷な未来予測の先にあるものとは?/これからの介護生活は家庭介護か、地方の老人ホームか

第6章 そして…シルバー超インフレ時代がやって来る!
これからは、税金の中で一番公平なのが消費税だ!/「老人優先経済」の背骨を支える悪魔、それが「国債」/プライマリーバランス信仰というアベクロミクスの愚行!/シルバーインフレ時代突入で、株はどうなる?/シルバーインフレでも、マイホームは資産になるのか?/シルバーインフレで没落する前に、未来のために考えるべきこと /誰でもわかる世代会計の分析方法

現在、年間53兆円が支出される公的年金も今後、高齢者の急増でどんどん膨らんでいきます。すでに現役世代が納めた保険料をそのまま高齢者で配るだけでは足らずに10兆円規模の税金を投入しています。「組織の高齢化により資産は負債になる」という法則は、国にも当てはまります。政府予算(一般会計)の税収40兆円台で、債務が1000兆円という状況は、企業ならとっくに倒産です。日本国にも財政崩壊、国債暴落などの政府メルトダウンは刻一刻と迫っています。その前奏曲を奏でるのが破綻寸前の「アベノミクス」でありましょう。日本経済の老化を隠す新たな「目隠し」なのです。この仕組みは、真の民主主義とはいえません。政権を維持するためには問題(借金)を先送りさせるという欠陥があります。その結果、政府債務が膨張し人口構成がいびつになると、老人支配のため、そのツケは若者に回されます。―――本書序文より

=著者:山下努(やました つとむ)=
1963年、山梨県生まれ。’86年に朝日新聞社に入り、大阪経済部、東京経済部、ヘラルドトリビューン朝日、編集部などを経て現在に至る。朝日新聞出版「AERA」編集部記者。財政や税制、社会保障、世代間格差、高齢化問題、不動産・株式の資産市場分析などが好きで、マクロ経済分野の記事を精力的に執筆している。'90年代に目覚めた世代会計分野については「マスコミ業界で一番詳しく、しかも毒舌極まる」と自負。二児の父。自説を実践するため、帰省する際に子供には「お年玉は1億円ねだりなさい」と言い聞かせ、家族には大不評ながら東日本大震災を機にマイカーを手放し、取材にもほとんど自転車で回る変わり者。

最新の画像もっと見る