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歯科技工士・岩澤 毅

日本医師会通史 前史 官製・日本医師会

2022年02月02日 | 基本・参考
日本医師会通史
日医創立記念誌 (med.or.jp)
https://www.med.or.jp/jma/about/50th/pdf/50th100.pdf
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前史
現在の日本医師会は昭和22年(1947)11月に設立された。戦時中に,東条内閣のもとで改組された官製医師会を改めて,全国の医師の自由意思による社団法人として,再発足したものである。
日本医師会は,大正5年(1916)に,開業医の自発的な運動の成果として設立され,破傷風とジフテリアの血清療法の発見者であり,伝染病研究所所長であった北里柴三郎を会長に戴いた大日本医師会以来の,32年間の前史がある。
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官製・日本医師会
こうして発展してきた医師会も,日中戦争から太平洋戦争へと続く戦時体制のなかで,戦争遂行のための国家総動員体制に組み込まれた。太平洋戦争が始まった直後の昭和17年(1942)2月,それまでの医師法をはじめとするすべての医事法を統合して,国民医療法が制定,公布された。
医師会は「国民体力の向上に関する国策に協力するを以て目的とす」と規定されて,医師は,現役の軍医を除いて,大学教授も官公吏もすべて強制加入となった。「行政当局の監督を強化することにより,医師会を国家の別働機関たらしむる」と説明された。「医師会は全医人打って一丸としたる真の職域奉公体」であって,「開業医は認めるが,その医業が国家目的に十分に沿いうるように規制した上で認める」とされて,強い国家統制のもとに置かれた。
医師会の役員はすべて官選となった。昭和18年(1943)2月,小泉親彦厚相は医師会長に稲田龍吉,副会長に中山寿彦を任命した。
医師会の官製化と合わせて,特別法人としての日本医療団が設立された。医療団は,病院や診療所,産院の運営と,医療関係者の指導錬成にあたるとされた。陸海軍病院を除く国公立病院を傘下に収めたほか,戦地に赴いた医師が開業していた医院を中心に,民間の病院,診療所の吸収も進めた。医療団の総裁には稲田龍吉が就任して,日本医師会長と兼任した。医師会は,戦争遂行のための国家組織の重要な一翼を担い,終戦を迎えた。


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