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歯科技工士・岩澤 毅

犯意―その罪の読み取り方 (単行本) 乃南 アサ (著), 園田 寿 (著)

2009年01月03日 | amazon.co.jp・リストマニア
法廷が必要とする「事実」と小説が必要とする「事実」

 裁判員制度開始に時を合せた関連企画本である。
 月刊誌に一年間にわたり連載された、小説家による犯罪現場と関係者の描写・提示と、法律家によるその解説本である。
 「犯罪」者に転落する道は、貴方の回りに幾重にも準備されていると示唆する様な状況設定が、経済状況の厳しさとあいまって現実味を持つだけにつらいものがある。月一であれば耐えられるが、この様に一冊にまとめられると読み通すのは中々辛い。
 裁判員制度を「裁判員に当たる」側からの議論はあるが、裁かれる被告の側の「納得」を得て刑に服し再犯を防止する道として如何に整備するのか、それは可能なのかという根本的な議論が置き去りにされている様に思われる。


ハンイ ソノツミノヨミトリカタ
犯意―その罪の読み取り方

乃南 アサ 園田 寿【著】
新潮社 (2008/08/30 出版)

370,11p / 19cm / B6
ISBN: 9784103710103
NDC分類: 913.6

価格: ¥1,575 (税込)

詳細
マスコミは報じない犯人の心理に至るまで、ミステリーの名手がこの上なくリアルに描く12の短編小説。
じっくり読んで事件を追体験した後は、熟達の法律家が裁判のポイントをわかりやすく解説する。
証拠は十分?過去の判例はどうなってる?裁判員制度に備える最強のコラボレーション。

娘をDV夫に殺させた母親の罪、どう裁く? 裁判員制度が始まればアナタが裁く12の事件。リアルな短篇と「誰でもわかる法律解説」の絶妙コラボレーション!
著者紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て作家活動を開始した。’88年、『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作に選ばれる。’96(平成8)年『凍える牙』で直木賞受賞

園田寿[ソノダヒサシ]
1952(昭和27)年、熊本生れ。関西大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。旧西独ケルン大学刑事法研究客員研究員、関西大学法学部教授などを経て2004(平成16)年より甲南大学法科大学院教授。インターネット上の刑法問題の研究で知られる。弁護士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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