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歯科技工士・岩澤 毅

霞が関の逆襲 (単行本) 江田 憲司 (著), 高橋 洋一 (著)

2008年09月20日 | amazon.co.jp・リストマニア
「官邸の森蘭丸」と「霞ヶ関埋蔵金」男の闘争宣言, 2008/9/20

By 歯職人

 橋本政権で「官邸の森蘭丸」と呼ばれた橋本総理側近の江田憲司と小泉・竹中政権で竹中側近として役割を果たした高橋洋一の共著である。二人の共通点は出身官庁に弓を引き、霞ヶ関を敵に回し、霞ヶ関に復帰せず、己の時価で民間に職を求めた点である。
 江田憲司は、小泉・竹中政権に対し、『小泉政治の正体―真の改革者か稀代のペテン師か』を著し、一度は「稀代のペテン師か」と世に問いながらのその最側近との共闘である点が注目される。
 政治家は、選挙の洗礼を受けなければならない。その政治家のレベルが低いのであれば、それは選挙民・有権者のレベルに相応しいだけの話である。その政治家が構成する議会が選んだ総理のレベルが低いのであれば、それは議会と議員のレベルが低いだけの話である。
 しかし、霞ヶ関官僚は主権者の直接のチェックを受けない。バリアに守られ権力を行使しながら、その行動を検証されることが無い。
 官庁で育ち、首相官邸を経由することで、霞ヶ関官僚の手口と体質をより知る者による官僚征伐物語の入り口の口上といった趣の一冊である・
 また本書は、脱藩官僚の会「官僚国家日本を変える元官僚の会」の結成と江田の次期衆議院選挙の公約の役割も担っているものと思われる。
 本書によって暴露される官僚の手口の細部、その微細さ緻密さと組織性は、江田の言う「毒をもって毒を制す」脱藩官僚の能力の活用を必要としているのかもしれない。
 自浄能力は別として、生命力・再生能力旺盛な霞ヶ関官僚を知る上ではタイミングの良い一冊といえる。

霞が関の逆襲

江田憲司 高橋洋一
講談社 (2008/09 出版)
286p / 20cm / B6判
ISBN: 9784062149556
NDC分類: 317.2
価格: ¥1,575 (税込)

内容紹介

脱藩官僚たちがついに立ち上がった
「役人無法地帯は今も増殖している!」

●年金を喰らうGPIFという名の妖怪
●消費者庁設置が国民の首を絞める
●知られざる天下り機関の数々
●「財投債」で尻抜けにされた郵政改革
●永田町で暗躍する霞が関の「裏部隊」
●「霞が関のドン」官房副長官のパワー
●労働保険特別会計に眠る巨大な埋蔵金
●JT株と地デジで6兆円
●財務省の知られざる特別待遇
●総務省が行っていたカルテル
●タスポは天下り団体を作る伏線か
●「消費税を社会保障財源に!」は罠
●温存された道路公団「打出の小槌」
●舛添大臣を取り込んだ霞が関のテクニック
●演説原稿に手を入れ総理を操る技
●3年で30兆円も掘り出せる埋蔵金
●独立行政法人に眠る15兆円の埋蔵金
●URのファミリー企業が行った「埋蔵金隠し」
●業者を規制する法律を業者が作る不可思議
●巨大な霞が関の闇を隠す「居酒屋タクシー」

目次

第1章 霞が関が狙う次の利権
第2章 改革骨抜きのテクニック
第3章 まだ闇に包まれている埋蔵金
第4章 霞が関を支配する財務省
第5章 霞が関の伏魔殿
第6章 接待の嵐
第7章 天下り暗黒回廊
第8章 官僚vs.脱藩官僚

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