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歯科技工士・岩澤 毅

サムス,C.F.(著) DDT革命―占領期の医療福祉政策を回想する

2012年10月14日 | amazon.co.jp・リストマニア
戦後日本の焦土からの医療福祉政策出発点を、占領者の立場から回想, 2012/10/14

By 歯職人

 太平洋戦争の日本の降伏による終結後、占領軍として日本再建の設計図を作成し、指令塔となったGHQ公衆衛生局長サムス准将による占領政策実務を含む回顧録である。
 苦学し軍人である医師となり、米本土やヨーロッパ戦線で実務経験を重ね、日本上陸戦での医療需要予測を立案し、占領後の医療福祉政策の策定した、軍人である医師による「日本占領期のGHQの公衆衛生と医療政策の実際の記録」と言うべき一冊である。
 内容は広範であり、現在の医師、歯科医師、薬剤師等の医療職のあり方。看護職の役割。病院組織、保健所制度、学校給食、米中心の食事から肉類の摂取等々政策の立案にかかわる実際に及ぶ。
 初期の戦後学校給食世代の方々にとって記憶に残る「脱脂粉乳」に関わる話は、この世代にとって必読ではないだろうか。
 また、医療関係職種にあるものにとって、その実質的出発点を知る上で貴重な資料となる一冊である。
 新版が『GHQサムス准将の改革―戦後日本の医療福祉政策の原点』(桐書房) が発行されているが、新版では、5章日本文化との出会い 15章 麻薬 18章 コミュニスト
21章 日本での生活が割愛されている。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4000014455/ref=cm_cr_mts_prod_img

DDTカクメイ デイ-デイ-テイ-カクメイ センリヨウキノイリヨウフクシセイサクオカイソウスル
DDT革命―占領期の医療福祉政策を回想する


サムス,C.F.【著】 竹前 栄治【編訳】
岩波書店 (1986/08/11 出版)

442,17p / 19cm / B6
ISBN: 9784000014458
NDC分類: 498.1

価格: ¥2,730 (税込)

詳細

戦後日本人の驚異的な体位の向上や平均寿命の伸長、急激な食生活の変化の原点は、占領期の医療改革にある。
―1945年8月30日、廃墟となった日本にGHQの公衆衛生局長として赴任した著者は、大胆な改革を行なった。
DDT撒布、性病の蔓延阻止、予防医学の導入、病院管理、ララ物質や学校給食による栄養改善、…一連の戦後改革の中で、社会生活に大きな影響を及ぼした医療改革の実際を伝える貴重なドキュメント!

1 日本進駐
2 ペリメーター
3 東京
4 GHQ公衆衛生福祉局の設置
5 日本文化との出会い
6 食糧・栄養問題
7 予防医学の導入
8 衛生統計
9 保健所制度の改革
10 医学教育・病院管理・医師会など
11 看護改革
12 製薬産業
13 獣医
14 ABCC
15 麻薬
16 社会福止
17 社会保障
18 コミュニスト
19 人口問題
20 占領の要約
21 日本での生活

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