『日本歯技』2014年12月号 巻頭言
若手歯科技工士よ、臆することなく前に進め
早いもので2014年も終わろうとしている。本会は杉岡会長の下、“日技新発展『7』プラン”を基に会務が日々遂行されている。
歯科技工従事者の高年齢化や、歯科技工士教育機関の閉校に伴う卒業生の減少により、将来、歯科技工士不足になるのではと懸念されている。これは本会も重要視している問題である。
時代は常に動き、歯科医療業界もCAD/CAM冠の保険導入でデジタル設計による歯科技工が増え、常に新しい情報と知識を得なければならず、孤立した個人では限界があると思う。本会には会員の学術研鑽・技術向上を図るための生涯研修制度があり、また“日技新発展『7』プラン”では、若手歯科技工士や離職した人に対する社会教育セミナー・卒後セミナー・休業復帰支援セミナー等を行い、仕事にすぐ役立ち実践できる研修を行っていく予定である。この受講者の中から、ゆくゆくは日技認定講師となり、新たな後輩の指導者の一人となっていただきたい。
本会にとって長年の懸案であった歯科技工士国家試験の全国統一化が、平成27年4月1日付で施行されることになり、平成28年の試験から実施される。この年に試験を受験する学生の皆さんは歯科技工士の新しい歴史を刻む人たちになる。
近年、社会では女性リーダーを育てるべく様々な活動が行われていると聞く。歯科技工士業界も女性の歯科技工士が増え、女性のみのラボや会社の半数以上が女性歯科技工士であるところも少なくない。本会の執行部にも2名の女性常務理事が起用され、福井県技では初の女性会長が就任された。さらに積極的に地域組織の歯科技工士会運営にも女性の理事を起用していただき活躍の場を与えてほしい。
本会では10月8日を「入れ歯感謝デー」と定め、市民の皆さまに歯科技工士の仕事を知っていただくためのイベントを行っている。普段仕事場に籠りがちの私たちにとっては、自分たちの仕事を国民に伝える場であり、国民とのコミュニケーションの場でもある。若い人たちにこそこのようなイベントに参加していただきたい。そして、皆で力を合わせて事業を成功させる達成感をつかんでほしい。