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歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 障がい社員新聞「絆(きずな)」と私 障がい社員新聞「絆(きずな)」11月号(通算138号) 

2020年10月09日 | 歯科川柳・日本歯科新聞





障がい社員新聞「絆(きずな)」2020年11月号(通算138号) 2020(令和2)年10月10日発行
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障がい社員新聞ご愛読頂く皆様方へ

秋本番を迎えました。標記の新聞11月号(10月号ではありません。通算138号)が完成しました。コロナ禍の中、思うように取材が出来ません。工夫あるのみです。どうかご関心を寄せられる記事を見つけて頂きお読みください。12~15頁がおすすめです。

 令和2年10月12日 
   和田精密歯研(株)顧問  三好博文(75)拝


障がい社員新聞「絆(きずな)」と私

秋田市 岩澤 毅


   (1) 6個のsince

 本新聞の冒頭には、6個のsinceが配置されている。

①「歯も心も美しく」「当社の合言葉」since1978。②社章W since1963。
③障がい社員新聞「絆(きずな)」since2011。④歯の妖精「トゥースフェアリー」since2003。
⑤和田精密歯研株式会社 個人創業since1958&⑥会社組織since1966。


 以上の6ヵ所6個である。
 この配置に編集・発行人の三好博文さんの「絆(きずな)」新聞に対する思いや目指してきた位置づけが象徴されていると強く感じます。

Since とは
主な意味  …以来、…の時からずっと、…した時から(今までの間に)、…してから(…年目になる)、…だから、…のゆえに
コア 事柄の起点を表す
現在または話題となっているある時点まで継続している事柄の起点を示す

Weblio英和・和英辞典より

   (2)絆新聞を配達依頼?された。その訳とは

 私が最初に絆新聞を読ませていただいたのは何時頃からなのか、既に記憶は不確かになっていますが、紙の絆新聞を「配達」したというチョット珍しい体験をしたのでこれを説明する。
 
 今から8年前のある日、「今、秋田空港に着いたところです。障害者雇用に取り組む企業・団体の研修会のためです。迎えのバスで貴殿の職場からそう遠くない障害者雇用に実績のある秋田基準寝具(株)の見学に向かいます。そこで今まで送付した絆新聞をあれぱこの研修会で紹介したいと思いついたのでサンプルを届けて貰いたい」と三好氏から依頼を受けたのです。突然の依頼とその理由をとっさには分からず、秋田基準寝具に電話ししてみると「今から障害者雇用の研究会がある」との説明で納得しました。藪から棒の頼み事であってもお断りせずおとどけしました(翌号の絆新聞に秋田基準寝具障碍者雇用の視察とその研修会報告記事が載っていて私も読むことが出来ました)。

 現在、私の散歩コースになっている秋田基準寝具(株)が所在する秋田港近くの流通団地には、数多くの企業が進出しています。敷地や建物の手入れ(特に敷地の周辺の公道・歩道との境界の「雑草」など)、社員の通勤風景、社用車の運転等々、各社の社風が垣間見ますが秋田基準寝具さんの堅実経営と手入れの生き届いた工場敷地を見るにつけ別段のものがあります(障害者雇用を成功させる秘訣が読み取れたような気がしました)。

   (3)働くことと職場
 本新聞の冒頭には更に、以下が記されている。

周囲から①好かれ、②愛され、③ほめられ、④必要とされ、⑤役に立ち、⑥尊敬されていますか!
〈もっともバラツキのない、日頃の向上心〉(当社創業者が最も理想とする社員像)
当社の経営理念:「口福を目指して」(since2002)
        「何よりも美味しく食べることのできる美しい口もと創り」


 本新聞には和田精密歯研(株)の永年勤続表彰に関連する記事が時々掲載される。過去、歯科技工士を目指す者の動機に「将来独立」「一国一城の主」の言葉があった時代もあった。
 しかし、歯科技工業界の生産技術革新や経営力の必要性などから、その様相は一変している。
 歯科技工業が産業として確立し、社会に適正な位置を占め、貢献して行く上での必要な家庭であったと思う。「永年勤続表彰」を行うことが出来る企業とそれに応えることが出来る従業員。歯科技工業界にもそれなりの数の企業がある中、先見の明と持続する志の賜物であり、経営体としての揺るぎない恒常性を獲得した証と思います。

   (4)歴史を記録し掘り起こし、そして記憶を強化する。そこから生まれる新物語

 本新聞は、和田精密歯研(株)に在籍する障がい社員の「絆」として位置づけられている。
 また同時に日本における歯科技工業界の先頭を駆け抜けてきたトップ企業の経営理念のもと、半世紀を超え連綿と続く障害者雇用と社員教育の歴史と記憶を強化し、そこから良き集合体が自然と生まれてきて紡がれているような気がします。
 国家や民族、そして一定以上の大きな人間集団が背景として持つべき物語は、進むべき方向性を明らかにし見失わないために必要であり、集団存続の為に必然的に形成されるものと思う。アメリカ合衆国におけるメイフラワー号の物語や、NHK朝のテレビ小説で繰り返される戦中・戦後の物語は、その典型と言える。身体に障害を持つ者が、一般の歯科技工学校で歯科技工を学び免許を取得、歯科技工に従事する様子をつまびらかにし、健常と障害に関わらず皆が一緒にダイバーシティ構想に従い生きた情報発信を続けるメディアが本新聞と思う。
 6個のsinceは、その起点としてあるに違いない。年表では表現しきれない障がい者人の営みを三好編集長の編集により更に紡がれ続けることを期待したい。




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