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歯科技工士・岩澤 毅

二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター188号

2020年03月01日 | 医療経済研究・権丈善一・二木立
https://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/index.html

2020.3.1(日)
「二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻188号)」
BCCでお送りします。出所を明示していただければ、御自由に引用・転送していただいて結構ですが、他の雑誌に発表済みの拙論全文を別の雑誌・新聞に転載することを希望される方は、事前に初出誌の編集部と私の許可を求めて下さい。
論文を引用される場合は、出所として本「ニューズレター」の号数・発行年を示すのではなく、カッコ内に示した初出誌の巻号・頁数・発行年を明記願います。
御笑読の上、率直な御感想・御質問・御意見、あるいは皆様がご存知の関連情報をお送りいただければ幸いです。
本「ニューズレター」のすべてのバックナンバーは、いのちとくらし非営利・協同研究所のホームページ上に転載されています:http://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/ 。

3.私の好きな名言・警句の紹介(その183)-最近知った名言・警句

<研究と研究者の役割>
○中村秀一(医療介護福祉政策研究フォーラム理事長、国際医療福祉大学教授)「私の経験では、大蔵省・財務省は文書を極めて大事にしていた役所である。(中略)それに対し、現業官庁である当方[厚生労働省]は野戦病院のような騒ぎで仕事をしているので、自慢にならないが文書管理はお粗末だった」(『平成の社会保障』社会保険出版社,2019,485-486頁)。
二木コメント-私の経験では、残念ながら、厚生労働省の文書管理軽視の傾向は最近強まっていると思います。

○土井脩(医薬品医療機器レギュトリーサイエンス財団理事長、元厚生省大臣官房審議官(薬務担当・医薬安全担当))。2019年12月29日死去、76歳)「アリバイづくりの制度になってはいけない」(『国際医薬品情報』2020年1月27日号:37頁。岩垂廣同誌編集長が「追悼 土井脩氏の死を悼む」で、土井氏がよく使っていたフレーズとして紹介し、それに続けて、土井氏を以下のように評した。「制度は目的を達成するための手段にすぎないから、その目的を見失わないよう制度に魂を込めた。また、自然科学への畏敬とともに、全ての判断基準に科学に基づいた合理性を求めた」)。
二木コメント-安倍内閣の下では、「アリバイづくりの制度」やスローガン倒れの政策が増えている気がします。

○堤修三(元厚生労働省老健局長)「官僚のMoral(倫理)の最低限の基本は、法治主義にある。(中略)官僚の広義のMoralを担保するものはなんだろうか。それは、法律案作成を含む行政運営における個々の選択・判断に至る経緯についての正確な記録の作成・保存・(一定期間経過後の)公表である。(中略)こうした観点からは、近年の公文書管理や情報公開制度の後退とも思える運用は大きな問題だというほかない」。「現在、官邸官僚などと言われて幅を利かせている人々は徳川幕府で言えば『側用人』のようなものであろう。閣老(閣僚)を凌ぐ権勢を振るうことがあるというところも似ている。内閣官房の官僚には組織のミッション実現に向けたMorale[志気]は不要で、ただ官邸の主に対する個人的忠誠心があればいいのだ。彼らに各省の官僚と同様のMoralとMoraleを期待するのは難しいと言うべきか」(『国際医薬品情報』2020年2月10日号:22-24頁、「官僚のMoralとMorale~極私的官僚論」)。
二木コメント-この論文は、安倍内閣・官邸(官僚)による公文書管理のずさんさ(隠蔽・破棄)が官僚のmoralとmoraleの低下を招いている様を活写しており、ご一読をお勧めします。官邸官僚=「側用人」との比喩は秀逸です。



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