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歯科技工士・岩澤 毅

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営 [単行本]

2011年05月08日 | amazon.co.jp・リストマニア
非営利組織のリーダー論と運営論, 2011/5/8

By 歯職人

 現在は、社会の重要な構成員として「非営利組織」が注目される時代である。
 国や地方行政の手にはなじまない課題に携わる非営利法人(NPO法人)の存在は、もはや珍しいものではない。東日本大震災の復興・復旧でも、その存在の重要性はより高まると思われる。
 国を加盟単位とする国際組織とは別に、環境問題をはじめとする地球規模の問題に対応する国際的NPO等の活動は良く知られるものとなった。
 その非営利組織の経営に注目し、半世紀以上前から「非営利組織」に関する考察を著したのがドラッカーである。
 ドラッカーは営利組織を含む「マネージメント」を分析し、この言葉に新たな概念を与え、現代社会の課題を明らかにしたと言っても良いであろう。 
 本書でドラッカーは、非営利組織を概説しその要点を「人々に自己実現を可能にし絆を作る場を提供する」とする。
 本書の冒頭第1部「ミッションとリーダーシップ」第1章に「ミッション」を置く論述は、「ミッションの定義」「リーダーが始めに行うべきは、自らの組織のミッションを考え抜き、定義することである。」から始まる。
 本書各部各章では、順次ドラッカーの「非営利組織」論が語られろ実例が示される。
 他部の見出しを掲げると、
 第2部「マーケティング、イノベーション、資金源開拓」(マーケティングと資金源開拓;成功する戦略 ほか)
 第3部「非営利組織の成果」(非営利組織にとっての成果;「してはならないこと」と「しなければならないこと」 ほか)
 第5部「自己開発」(自らの成長;何によって憶えられたいか ほか)

 第4部ボランティア第1章「人事と組織」では、組織には必要な「人事の原則」、これもまた必要な「人を育てる」、必ずその時期を迎える「トップの継承」等々、組織運営の上で必須な条項でありながら過誤も生じさせる問題が詳細に論じられる。
 本書は全体として、「非営利組織」の理事者、リーダー層等組織運営側に多くの示唆を与えるものと思われる。是非味読をお勧めする。

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ヒエイリソシキノケイエイ ドラッカーメイチョシュウ 4
ドラッカー名著集〈4〉
非営利組織の経営
原書名:Managing the Nonprofit Organization(Drucker,Peter F.)
ドラッカー,ピーター・F.【著】〈Drucker,Peter F.〉 上田 惇生【訳】
ダイヤモンド社 (2007/01/26 出版)

244p / 19cm / B6判
ISBN: 9784478307052
NDC分類: 335.08
価格: ¥1,890 (税込)


詳細
第1部 ミッションとリーダーシップ(ミッション;イノベーションとリーダーシップ ほか)
第2部 マーケティング、イノベーション、資金源開拓(マーケティングと資金源開拓;成功する戦略 ほか)
第3部 非営利組織の成果(非営利組織にとっての成果;「してはならないこと」と「しなければならないこと」 ほか)
第4部 ボランティアと理事会(人事と組織;理事会とコミュニティ ほか)
第5部 自己開発(自らの成長;何によって憶えられたいか ほか)

著者紹介
ドラッカー,ピーター・F.[ドラッカー,ピーターF.][Drucker,Peter F.]
1909‐2005。20世紀から21世紀にかけて経済界に最も影響力のあった経営思想家。東西冷戦の終結や知識社会の到来をいち早く知らせるとともに、「分権化」「目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」「コアコンピタンス」など、マネジメントの主な概念と手法を生み発展させたマネジメントの父

上田惇生[ウエダアツオ]
ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連会長秘書、国際経済部次長、広報部長、(財)経済広報センター常務理事、ものつくり大学教授を経て、現職。ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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