[013/052] 162 - 衆 - 予算委員会 - 7号
平成17年02月07日
○長妻委員
そして、中医協の問題でございますけれども、尾辻大臣にお尋ねしますが、贈収賄事件がございまして逮捕者が出ました。その調査結果、昨年の九月二十八日、厚生労働省です、こんな調査結果ですね。中医協のかかりつけ歯科医の初診料、これがゆがめられたんじゃないのか、こういうような疑念があって、調査を厚生労働省がされて、その結果でございます。
「今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」。完全に払拭できないということなんですね。これは具体的にはどの部分ですか。
○尾辻国務大臣 あえてこう書きましたのは、捜査権がないことなど、行政としての検証には一定の制約がある、こういうことでこの記述にしたということでございます。(長妻委員「どこか疑わしいところある」と呼ぶ)いえ、ですから、完全に払拭できないというのは、自分たちには捜査権がないので、そこのところを完全に払拭できないと言うただけであります。
○長妻委員 二〇〇一年の六月に、元社会保険庁長官の中医協委員がわいろをもらったとされています。翌月のその委員の、元長官の議事録でございますが、もう話題を事務局がかえようとしたときに、非常に不自然にこういう発言をしております、その元長官。かかりつけ歯科医の要件をもうちょっと緩和したいとこういうことなんですかね、つまり。もう話題が終わっているのにそういう発言をされて、そして、具体的に問題があるということであれば再検討することについては議論の余地はあるということで、議論がもうほかの話題に行っているのに、それをちょっと、総合的に検討していくべきだとか、こういう話が出て、これは非常に、お金をもらった直後ということで不自然ではないかというふうに思っております。
実は、この委員がお金をもらったとされる翌月にこの発言が、七月二十五日、あったわけですが、その同じ七月の二日に、橋本元総理は臼田歯科医師会の会長から一億円の小切手をもらったんですよ。まさにこういう初診料の緩和が、攻勢がピークを迎えているときでありまして、検察官の冒頭陳述にもこういうくだりがあります。臼田被告は、二〇〇一年五月ごろ、日歯連から歯科医療政策の陳情などをするため平成研幹部と関係を修復しておく必要があると考え、橋本龍太郎元首相、平成研事務総長の野中広務氏、青木幹雄氏と会食することになった云々と。そして、七月二日に開かれて、一億円が、小切手が渡された、こういうような冒頭陳述がございます。
これ、大臣、日本という国は、額に汗して一生懸命働くよりも裏金を配った方が何か収入が上がる、こういう国では困るわけで、事実、二〇〇二年の四月に歯医者さんの初診料、要件緩和で、二百億円毎年毎年、初診料だけに限ると増収になっているんですね。一生懸命働くより裏金配った方が収入はすぐにふえるということに見られかねないような事態が起こっているんですが、こういう政治家の働きかけも含めて、こういう初診料、医療費のあり方というのは解明が必要だと思われますか。
○尾辻国務大臣 まずお答えいたしますが、そのときの調査のそれぞれの、例えば加藤委員の今議事録でおっしゃったような発言に対する評価というのがございます。(長妻委員「下村さんです、下村さんの発言」と呼ぶ)まず、加藤委員の発言に係る評価というところを読ませていただきます。
後から振り返れば、日本歯科医師会の主張に理解を示したような発言と受け止められなくもないが、「かかりつけ歯科医初診料」をどのように見直すかが具体的な課題である中医協の議論の流れの中の議論としてみれば、行政としての検証の制約から、今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできないものの、殊更にこの問題について発言をして議論をリードしようとした形跡は認められなかった。
私どもの調査はあくまでもこの中医協の事実関係だけを調査しておりますので、その他についての報告はありません。
○長妻委員 ちょっと答弁をはぐらかされているんですが、政治家に対して日本歯科医師会がかかりつけ歯科医など医療費の問題で裏金あるいはやみ献金などを渡して、そして政治家がいろいろな働きかけをしてゆがめられる、こういうことがあるのかどうか、責任者としてそういう解明というのは必要じゃないですか、そういう質問です。
○尾辻国務大臣 私どもの持っています権限の範囲の中でそれがやれるかどうか、検討させていただきたいと存じます。
○長妻委員 検討する、政治家の絡みも。ぜひ、今前向きな御答弁がありましたので、我々といたしましては、臼田さんが何で一億円渡したのか、橋本元総理が受け取って、どういう意識で受け取ったのか。ここは非常に重要なのは、単に裏金一億円というだけが話題になっていますけれども、一生懸命働いているよりも、裏金、やみ献金した方が簡単に収入がふえちゃう、こういうような疑念があるんですよ、国民の皆さんの中に。それを払拭する。二百億円、初診料だけばんとふえちゃった。これを解明したいということで、証人喚問、臼田さん、橋本元総理を含めて我々は要求しておりますので、検討するということで一歩前進だと思いますので、ぜひそれを深めていただきたいと思います。
もう一つ、官房長官にちょっとお尋ねしますけれども、質問主意書というのは何か行政の阻害要因じゃないのかというような発言があったようなことを聞いておりますけれども、何で阻害要因なんですか。
○細田国務大臣 私は、平素、長妻議員が非常に詳細な行政に関する資料その他を請求されることには心から敬意を表しております。
ただ、問題は、ここから聞いていただきたいんですが、実は平成十五年に、例えば一年間の質問主意書は、共産党が三十六件二百三十七ページ、社民党が五十件四百二十六ページ、民主党が百五十二件で四千二百三十五ページ、その他の党が四十一件三百十二ページなんですが、長妻議員からは、実は、七十七件三千七百五十六ページにわたる質問主意書の回答を出しておるわけです。
これ自体は資料請求ですからいいんですが、私の方では、この資料、これだけ、閣議決定でございますから、私が申し上げているのは、一つには、原口議員も、いなくなってしまったけれども、予算委員会の理事のときに私は資料担当だったんですよ。予算委員会のとき、一・五メートルも……(発言する者あり)まあ最後まで聞いてください、おっしゃったんだから。もう一メーター五十ぐらいになる資料を各党から請求されて、佐々木憲昭先生からも大変な資料請求があったし、それは、国政調査権の一つとして、委員会の審議で政府がお出ししているんです。
ところが、これが質問主意書になりますと、一ページ一ページ、一項目ずつ全部整理して閣議決定をするということで、結果的に三千七百五十六ページの資料を出さなきゃならない。これが大変なサービス残業になって、しかも、エリートでない官僚のことで……(発言する者あり)いや、もうそれは大変な数になるんですよ。
そこで、何とかお願いしたいと。もちろん国政調査権ということはわかるけれども、何とかお願いしたいということで議院運営委員会で整理をしていただいた、それだけの話でございまして、何ら国政調査権を阻害したり、これがけしからぬということではなくて、官僚の大変な仕事も何とか合理化してほしい、そういうことを申し上げただけでございます。それは議院運営委員会で御理解をいただいております。
○長妻委員 ちょっとびっくりしますね。サービス残業をさせていたんですか、お役人に。かわいそうじゃないですか。犯罪ですよ、サービス残業は。官房長官、責任者でしょう、人事の。何を考えているの。それは後からやりますよ。
そして、何千ページ何千ページといって、それだけの話で、量が多いからよくない。ほかの先進国で、もっときちっと、何倍も出している国はいっぱいありますよ。
それで官房長官に一言聞きますが、官房長官が記者会見で、私が出した質問主意書の答弁書、この分厚いのを、こんなのを長妻は出してとんでもないというのを片手に上げて記者会見されましたけれども、その答弁書はどういう役割があった、どういうことがわかった答弁書か、それはわかっていて言っているんですよね。
○細田国務大臣 その千五百ページの答弁書は、私は中身の題名は覚えておりませんが、しかし、これは委員会で要求になって、例えば予算委員会でも議院運営委員会でも、これは大事な要求であるということになれば、ちゃんと各省の分をまとめてぽんとお渡しするわけですよ。調べもする。
しかし、閣議決定をするというのは、大変な伝統で、大変な整理が必要でございまして、一字一句の整合性、そして字句の訂正、読み合わせ、そういったことをして、しかも国会議員皆さんに印刷してお配りをする。そういう作業がどうしても必要なものですから、私は中身のことは申しておりません、大事な議員活動であることは認めておりますが、そこのところを何とか議運で整理してほしいということを申し上げ、議院運営委員会ではもう理事会で整理をしていただいたというふうに聞いております。
○長妻委員 立法府ですよ、我々は。行政府の官房長官が立法府に対してそういうことを言うというのは、三権分立を全く理解されていない。
そして、今、私、本当にびっくりしましたよ。官房長官が、私が出した質問主意書の答弁書を片手に持って記者会見されて、こんな何千ページとんでもない、税金のむだ遣いだと。そして、その答弁書がどういうものかわからないで言った。
私が聞くところによると、お役人に、こういうのが野党からいっぱい出るから、ちょっと何とか言ってくださいと。人のいい細田さんは、お役人の口車に乗って、何かこんなのがおかしいと言って出した。
その答弁書はどういう意味があるかというと、例えば言いますよ、私が出したその答弁書は、国の施設にテナントというのが、床屋さんとかレストランとか七千四百軒入っています、北は北海道から南は沖縄まで。そのうちの四千五百一軒が無料で入っていたんですよ、家賃無料で。五四%が無料で入っていたんですよ、家賃。そのうち、公募はたった一割だけですよ。これは商店街の皆さんが聞いたら怒りますよ。おれも、そうしたら、役所のところへ無料でテナント入りたいと。一割しか公募じゃない。こういうことがわかったんですよ、あの答弁書で。
それで、その後、財務省が、国の庁舎等の使用又は収益を許可する場合の取扱いの基準についてというのを平成十六年六月二十二日に改正しているんです、きちっとやれと。そして、国家公務員共済組合が国有財産を使用するときの要項について、これも改正しているんです、五年以内にきちっと契約を見直しなさいとか公募にしなさいとか。これだけのことがわかっているわけですよ。
何でもかんでも、厚いからだめだ厚いからだめだと、役人の口車に乗って、あなたはお役人の用心棒ですか。撤回してくださいよ。阻害要因というのを撤回してくださいよ。
○細田国務大臣 そうではございません。確かに、私も、今余りたくさんあるので申し上げなかったのですが、四十二番に、国の施設に入るテナントの選定及び適正使用料に関する質問、これが千五百二十四ページでございますが、その質問が九月三十日にありました。
そこで、議運がどういうふうな仕切りをしてくれたかということを申し上げた方がいいと思います。
私は、記者会見で議員の名前などは申しておりません。それから、この資料が無意味なものであるなどということも申しておりません。したがって、最初に……(長妻委員「何で阻害要因なのか」と呼ぶ)いや、資料の中身の話をしております、私は。それは、千五百二十四ページの……(長妻委員「そうしたら監修作業やめろ」と呼ぶ)いや、答えます。(発言する者あり)
○甘利委員長 静粛に。答弁中ですので、静粛に。
○細田国務大臣 千五百四十ページの閣議決定資料をつくるのにどれほどの時間と日数がかかるかということでありまして、ただ、議運の議論の整理を申し上げます。議運は正しい議論の整理をしてくれました。
国政調査権というのは、あくまでも院とか委員会の意思でもって政府に対して調査を行うことができるということでありますから、個人のいわゆる質問主意書が国政調査権の中身であるとは直ちに言えない。そこで、院を通して適切な資料要求をする、そういうことで整理する。
したがって、予算委員会でも、ここにおられる各党は予算委員会が始まると大量の資料請求をされるんですが、こういう資料請求の場合には、院を通じてお出しになっていただければ喜んでお答えいたしますから、そういう意味で、資料を、閣議決定によってお答えする量はほかの党並みに何とかしていただきたい。たったお一人で全体の大半を占めるような請求はしないでいただきたい。(発言する者あり)
個人名は表現しておりませんからね。それは大変な時間がかかりますよ、全体で四千ページも……(長妻委員「効果が上がっているじゃないか」と呼ぶ)もちろん効果は認めています。資料要求でやってくださいということを言っているんです。
○長妻委員 本当にこれは、阻害要因は、私、職場で監修作業をする方が阻害要因だと思いますよ、わけのわからない本を大量に買って。何が阻害要因ですか。
そして、もう一つ官房長官、実はよく考えていただきたいのは、そういう官房長官の発言がある前後から、議運は通った、議運は通って質問主意書が出た。ところが、多くの質問主意書が、今、議運は通っても、例えば、作業が膨大なものとなるためお答えすることは困難であるとか、取りまとめに要する作業が膨大になるためお答えすることが困難である、調査に時間を要するため困難である、ほとんど答えなくなっちゃったんですよ、議運を通ったものも。これは、大本営発表の遺伝子が首をもたげてきたと私は思いますよ、本当に。これは大変なことですよ。ほかの国では、もっときちっと出している国なんていっぱいあるんですから。
これを振り返ってみると、社会保険庁なんです、初めは。これは昨年の四月二日に、社会保険庁絡みでいろいろ質問主意書が出て、社会保険庁は大変なことになった。国民の皆さんが、いろいろなむだ遣いが質問主意書によってわかった。
それで、こういう文書が社会保険庁の中から出て、こういう社会保険庁の職員が書いた文書が出て、「社会保険庁への批判について」という文書があるんです。これが出ました。
この文書はどういう文書かというと、マスコミ批判のほとんどが、長妻議員による質問主意書による内容である。こういった報道のせいで保険料の未納者がふえ、国民年金の空洞化がますます拡大してしまうとしたら大きな問題であり、制度の存続すら懸念される。社会保険庁の内部資料ですよ。質問主意書によってマスコミがいろいろむだ遣いと騒いだから未納者がふえたというふうに社会保険庁は言っているんですよ、そんなばかなことを。
それで、その前後、四月二日に、坂口大臣が閣議終了後、福田官房長官に会って、主意書の制限の検討を要請しているんですよ。そういう流れなんです。年金でむだ遣いが主意書でばれちゃった、では、余りまじめに答えても得なことはない、ここから発生しているんですよ。
官房長官、よく中身を見てください。中身を見ないで、枚数が多いからむだだむだだ、こういうことじゃだめですよ。質問主意書の中で、みんなきちっと役割を果たしていますよ。このテナントでも、私が出した後、幾ら家賃収入が新規に発生しているんですか。かなり収入がふえていますよ。いろいろな効果が出ているんですよ。それをよく見て、ほかにむだな仕事がいっぱいあるでしょう、役所は。野党の質問を余計な業務と考えているんですよ。そういう発想じゃだめなんだよ。よくきちっと考えていただいて、この行政の阻害要因ということをぜひ撤回していただきたいというふうに思うわけであります。(発言する者あり)
平成17年02月07日
○長妻委員
そして、中医協の問題でございますけれども、尾辻大臣にお尋ねしますが、贈収賄事件がございまして逮捕者が出ました。その調査結果、昨年の九月二十八日、厚生労働省です、こんな調査結果ですね。中医協のかかりつけ歯科医の初診料、これがゆがめられたんじゃないのか、こういうような疑念があって、調査を厚生労働省がされて、その結果でございます。
「今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできない」。完全に払拭できないということなんですね。これは具体的にはどの部分ですか。
○尾辻国務大臣 あえてこう書きましたのは、捜査権がないことなど、行政としての検証には一定の制約がある、こういうことでこの記述にしたということでございます。(長妻委員「どこか疑わしいところある」と呼ぶ)いえ、ですから、完全に払拭できないというのは、自分たちには捜査権がないので、そこのところを完全に払拭できないと言うただけであります。
○長妻委員 二〇〇一年の六月に、元社会保険庁長官の中医協委員がわいろをもらったとされています。翌月のその委員の、元長官の議事録でございますが、もう話題を事務局がかえようとしたときに、非常に不自然にこういう発言をしております、その元長官。かかりつけ歯科医の要件をもうちょっと緩和したいとこういうことなんですかね、つまり。もう話題が終わっているのにそういう発言をされて、そして、具体的に問題があるということであれば再検討することについては議論の余地はあるということで、議論がもうほかの話題に行っているのに、それをちょっと、総合的に検討していくべきだとか、こういう話が出て、これは非常に、お金をもらった直後ということで不自然ではないかというふうに思っております。
実は、この委員がお金をもらったとされる翌月にこの発言が、七月二十五日、あったわけですが、その同じ七月の二日に、橋本元総理は臼田歯科医師会の会長から一億円の小切手をもらったんですよ。まさにこういう初診料の緩和が、攻勢がピークを迎えているときでありまして、検察官の冒頭陳述にもこういうくだりがあります。臼田被告は、二〇〇一年五月ごろ、日歯連から歯科医療政策の陳情などをするため平成研幹部と関係を修復しておく必要があると考え、橋本龍太郎元首相、平成研事務総長の野中広務氏、青木幹雄氏と会食することになった云々と。そして、七月二日に開かれて、一億円が、小切手が渡された、こういうような冒頭陳述がございます。
これ、大臣、日本という国は、額に汗して一生懸命働くよりも裏金を配った方が何か収入が上がる、こういう国では困るわけで、事実、二〇〇二年の四月に歯医者さんの初診料、要件緩和で、二百億円毎年毎年、初診料だけに限ると増収になっているんですね。一生懸命働くより裏金配った方が収入はすぐにふえるということに見られかねないような事態が起こっているんですが、こういう政治家の働きかけも含めて、こういう初診料、医療費のあり方というのは解明が必要だと思われますか。
○尾辻国務大臣 まずお答えいたしますが、そのときの調査のそれぞれの、例えば加藤委員の今議事録でおっしゃったような発言に対する評価というのがございます。(長妻委員「下村さんです、下村さんの発言」と呼ぶ)まず、加藤委員の発言に係る評価というところを読ませていただきます。
後から振り返れば、日本歯科医師会の主張に理解を示したような発言と受け止められなくもないが、「かかりつけ歯科医初診料」をどのように見直すかが具体的な課題である中医協の議論の流れの中の議論としてみれば、行政としての検証の制約から、今回の贈収賄容疑となった不適切な働きかけによって影響を受けた可能性を完全に払拭することはできないものの、殊更にこの問題について発言をして議論をリードしようとした形跡は認められなかった。
私どもの調査はあくまでもこの中医協の事実関係だけを調査しておりますので、その他についての報告はありません。
○長妻委員 ちょっと答弁をはぐらかされているんですが、政治家に対して日本歯科医師会がかかりつけ歯科医など医療費の問題で裏金あるいはやみ献金などを渡して、そして政治家がいろいろな働きかけをしてゆがめられる、こういうことがあるのかどうか、責任者としてそういう解明というのは必要じゃないですか、そういう質問です。
○尾辻国務大臣 私どもの持っています権限の範囲の中でそれがやれるかどうか、検討させていただきたいと存じます。
○長妻委員 検討する、政治家の絡みも。ぜひ、今前向きな御答弁がありましたので、我々といたしましては、臼田さんが何で一億円渡したのか、橋本元総理が受け取って、どういう意識で受け取ったのか。ここは非常に重要なのは、単に裏金一億円というだけが話題になっていますけれども、一生懸命働いているよりも、裏金、やみ献金した方が簡単に収入がふえちゃう、こういうような疑念があるんですよ、国民の皆さんの中に。それを払拭する。二百億円、初診料だけばんとふえちゃった。これを解明したいということで、証人喚問、臼田さん、橋本元総理を含めて我々は要求しておりますので、検討するということで一歩前進だと思いますので、ぜひそれを深めていただきたいと思います。
もう一つ、官房長官にちょっとお尋ねしますけれども、質問主意書というのは何か行政の阻害要因じゃないのかというような発言があったようなことを聞いておりますけれども、何で阻害要因なんですか。
○細田国務大臣 私は、平素、長妻議員が非常に詳細な行政に関する資料その他を請求されることには心から敬意を表しております。
ただ、問題は、ここから聞いていただきたいんですが、実は平成十五年に、例えば一年間の質問主意書は、共産党が三十六件二百三十七ページ、社民党が五十件四百二十六ページ、民主党が百五十二件で四千二百三十五ページ、その他の党が四十一件三百十二ページなんですが、長妻議員からは、実は、七十七件三千七百五十六ページにわたる質問主意書の回答を出しておるわけです。
これ自体は資料請求ですからいいんですが、私の方では、この資料、これだけ、閣議決定でございますから、私が申し上げているのは、一つには、原口議員も、いなくなってしまったけれども、予算委員会の理事のときに私は資料担当だったんですよ。予算委員会のとき、一・五メートルも……(発言する者あり)まあ最後まで聞いてください、おっしゃったんだから。もう一メーター五十ぐらいになる資料を各党から請求されて、佐々木憲昭先生からも大変な資料請求があったし、それは、国政調査権の一つとして、委員会の審議で政府がお出ししているんです。
ところが、これが質問主意書になりますと、一ページ一ページ、一項目ずつ全部整理して閣議決定をするということで、結果的に三千七百五十六ページの資料を出さなきゃならない。これが大変なサービス残業になって、しかも、エリートでない官僚のことで……(発言する者あり)いや、もうそれは大変な数になるんですよ。
そこで、何とかお願いしたいと。もちろん国政調査権ということはわかるけれども、何とかお願いしたいということで議院運営委員会で整理をしていただいた、それだけの話でございまして、何ら国政調査権を阻害したり、これがけしからぬということではなくて、官僚の大変な仕事も何とか合理化してほしい、そういうことを申し上げただけでございます。それは議院運営委員会で御理解をいただいております。
○長妻委員 ちょっとびっくりしますね。サービス残業をさせていたんですか、お役人に。かわいそうじゃないですか。犯罪ですよ、サービス残業は。官房長官、責任者でしょう、人事の。何を考えているの。それは後からやりますよ。
そして、何千ページ何千ページといって、それだけの話で、量が多いからよくない。ほかの先進国で、もっときちっと、何倍も出している国はいっぱいありますよ。
それで官房長官に一言聞きますが、官房長官が記者会見で、私が出した質問主意書の答弁書、この分厚いのを、こんなのを長妻は出してとんでもないというのを片手に上げて記者会見されましたけれども、その答弁書はどういう役割があった、どういうことがわかった答弁書か、それはわかっていて言っているんですよね。
○細田国務大臣 その千五百ページの答弁書は、私は中身の題名は覚えておりませんが、しかし、これは委員会で要求になって、例えば予算委員会でも議院運営委員会でも、これは大事な要求であるということになれば、ちゃんと各省の分をまとめてぽんとお渡しするわけですよ。調べもする。
しかし、閣議決定をするというのは、大変な伝統で、大変な整理が必要でございまして、一字一句の整合性、そして字句の訂正、読み合わせ、そういったことをして、しかも国会議員皆さんに印刷してお配りをする。そういう作業がどうしても必要なものですから、私は中身のことは申しておりません、大事な議員活動であることは認めておりますが、そこのところを何とか議運で整理してほしいということを申し上げ、議院運営委員会ではもう理事会で整理をしていただいたというふうに聞いております。
○長妻委員 立法府ですよ、我々は。行政府の官房長官が立法府に対してそういうことを言うというのは、三権分立を全く理解されていない。
そして、今、私、本当にびっくりしましたよ。官房長官が、私が出した質問主意書の答弁書を片手に持って記者会見されて、こんな何千ページとんでもない、税金のむだ遣いだと。そして、その答弁書がどういうものかわからないで言った。
私が聞くところによると、お役人に、こういうのが野党からいっぱい出るから、ちょっと何とか言ってくださいと。人のいい細田さんは、お役人の口車に乗って、何かこんなのがおかしいと言って出した。
その答弁書はどういう意味があるかというと、例えば言いますよ、私が出したその答弁書は、国の施設にテナントというのが、床屋さんとかレストランとか七千四百軒入っています、北は北海道から南は沖縄まで。そのうちの四千五百一軒が無料で入っていたんですよ、家賃無料で。五四%が無料で入っていたんですよ、家賃。そのうち、公募はたった一割だけですよ。これは商店街の皆さんが聞いたら怒りますよ。おれも、そうしたら、役所のところへ無料でテナント入りたいと。一割しか公募じゃない。こういうことがわかったんですよ、あの答弁書で。
それで、その後、財務省が、国の庁舎等の使用又は収益を許可する場合の取扱いの基準についてというのを平成十六年六月二十二日に改正しているんです、きちっとやれと。そして、国家公務員共済組合が国有財産を使用するときの要項について、これも改正しているんです、五年以内にきちっと契約を見直しなさいとか公募にしなさいとか。これだけのことがわかっているわけですよ。
何でもかんでも、厚いからだめだ厚いからだめだと、役人の口車に乗って、あなたはお役人の用心棒ですか。撤回してくださいよ。阻害要因というのを撤回してくださいよ。
○細田国務大臣 そうではございません。確かに、私も、今余りたくさんあるので申し上げなかったのですが、四十二番に、国の施設に入るテナントの選定及び適正使用料に関する質問、これが千五百二十四ページでございますが、その質問が九月三十日にありました。
そこで、議運がどういうふうな仕切りをしてくれたかということを申し上げた方がいいと思います。
私は、記者会見で議員の名前などは申しておりません。それから、この資料が無意味なものであるなどということも申しておりません。したがって、最初に……(長妻委員「何で阻害要因なのか」と呼ぶ)いや、資料の中身の話をしております、私は。それは、千五百二十四ページの……(長妻委員「そうしたら監修作業やめろ」と呼ぶ)いや、答えます。(発言する者あり)
○甘利委員長 静粛に。答弁中ですので、静粛に。
○細田国務大臣 千五百四十ページの閣議決定資料をつくるのにどれほどの時間と日数がかかるかということでありまして、ただ、議運の議論の整理を申し上げます。議運は正しい議論の整理をしてくれました。
国政調査権というのは、あくまでも院とか委員会の意思でもって政府に対して調査を行うことができるということでありますから、個人のいわゆる質問主意書が国政調査権の中身であるとは直ちに言えない。そこで、院を通して適切な資料要求をする、そういうことで整理する。
したがって、予算委員会でも、ここにおられる各党は予算委員会が始まると大量の資料請求をされるんですが、こういう資料請求の場合には、院を通じてお出しになっていただければ喜んでお答えいたしますから、そういう意味で、資料を、閣議決定によってお答えする量はほかの党並みに何とかしていただきたい。たったお一人で全体の大半を占めるような請求はしないでいただきたい。(発言する者あり)
個人名は表現しておりませんからね。それは大変な時間がかかりますよ、全体で四千ページも……(長妻委員「効果が上がっているじゃないか」と呼ぶ)もちろん効果は認めています。資料要求でやってくださいということを言っているんです。
○長妻委員 本当にこれは、阻害要因は、私、職場で監修作業をする方が阻害要因だと思いますよ、わけのわからない本を大量に買って。何が阻害要因ですか。
そして、もう一つ官房長官、実はよく考えていただきたいのは、そういう官房長官の発言がある前後から、議運は通った、議運は通って質問主意書が出た。ところが、多くの質問主意書が、今、議運は通っても、例えば、作業が膨大なものとなるためお答えすることは困難であるとか、取りまとめに要する作業が膨大になるためお答えすることが困難である、調査に時間を要するため困難である、ほとんど答えなくなっちゃったんですよ、議運を通ったものも。これは、大本営発表の遺伝子が首をもたげてきたと私は思いますよ、本当に。これは大変なことですよ。ほかの国では、もっときちっと出している国なんていっぱいあるんですから。
これを振り返ってみると、社会保険庁なんです、初めは。これは昨年の四月二日に、社会保険庁絡みでいろいろ質問主意書が出て、社会保険庁は大変なことになった。国民の皆さんが、いろいろなむだ遣いが質問主意書によってわかった。
それで、こういう文書が社会保険庁の中から出て、こういう社会保険庁の職員が書いた文書が出て、「社会保険庁への批判について」という文書があるんです。これが出ました。
この文書はどういう文書かというと、マスコミ批判のほとんどが、長妻議員による質問主意書による内容である。こういった報道のせいで保険料の未納者がふえ、国民年金の空洞化がますます拡大してしまうとしたら大きな問題であり、制度の存続すら懸念される。社会保険庁の内部資料ですよ。質問主意書によってマスコミがいろいろむだ遣いと騒いだから未納者がふえたというふうに社会保険庁は言っているんですよ、そんなばかなことを。
それで、その前後、四月二日に、坂口大臣が閣議終了後、福田官房長官に会って、主意書の制限の検討を要請しているんですよ。そういう流れなんです。年金でむだ遣いが主意書でばれちゃった、では、余りまじめに答えても得なことはない、ここから発生しているんですよ。
官房長官、よく中身を見てください。中身を見ないで、枚数が多いからむだだむだだ、こういうことじゃだめですよ。質問主意書の中で、みんなきちっと役割を果たしていますよ。このテナントでも、私が出した後、幾ら家賃収入が新規に発生しているんですか。かなり収入がふえていますよ。いろいろな効果が出ているんですよ。それをよく見て、ほかにむだな仕事がいっぱいあるでしょう、役所は。野党の質問を余計な業務と考えているんですよ。そういう発想じゃだめなんだよ。よくきちっと考えていただいて、この行政の阻害要因ということをぜひ撤回していただきたいというふうに思うわけであります。(発言する者あり)