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歯科技工士・岩澤 毅

エビと日本人 2 (2) (岩波新書 新赤版 1108) 村井 吉敬 (著)

2009年09月30日 | amazon.co.jp・リストマニア
トコトン足で書かれた「エビと日本人」」, 2009/9/30

By 歯職人

 「円」に力があった時代、日本人が世界から「食」を買い漁った時代。国境を越えて、日本人が「グローバル化時代」を謳歌した時代、その時世界では何が起こっていたのか、逆に日本の生産の現場では何が起こっていたのかを訪ねトコトン足で書かれた一冊です。
 ごくごく普通の日本人がより安価に「エビ」を食べること・食べることを望むことが、そこに経済の論理と組織が介在することによって、めぐりめぐって世界の各地に何をもたらすのか?
 現地の文化と環境に大きな変化をもたらし、場合によっては食の安全を脅かす事態を引き起こす。
 「エビ」から見えて来る世界の姿を見詰めながら、経済の成長著しい隣国中国の13億人の食の嗜好の変化と動向に思いを馳せた。
 本書に注文を付けるとすれば、現場報告から導き出される著者の将来展望と予測或いは日本人への警告を読みたかった。

岩波新書
エビと日本人〈2〉暮らしのなかのグローバル化
ISBN:9784004311089 (400431108X)
210,2p 18cm
岩波書店 (2007-12-20出版)

・村井 吉敬【著】
[新書 判] NDC分類:664.76 販売価:777(税込) (本体価:740)


前著から二〇年、「エビの現場」を追って、台湾、タイ、インドネシアなどの養殖池や加工工場を歩きつづけた著者が、豊富なデータを織り込みつつ、グローバル化時代のアジアと日本の風景を鮮やかに描き出す。
世界中を「食卓基地」として、輸入に深く依存した飽食文化を謳歌する消費者・日本人に対する鋭い問いに満ちた最新レポート。

第1章 エビとマングローブの海辺―アチェの津波と東ジャワの熱泥(「怪獣のような殺人流体」;津波とエビ養殖池 ほか)
第2章 変わるエビ養殖種―ブラックタイガーからバナメイへ(ニカラグアのバナメイ;バナメイというエビ ほか)
第3章 養殖池を歩く―「海辺の廃墟」への旅(「草蝦の父」はいま;藤永元作と秋穂とクルマエビ ほか)
第4章 グローバル・エビ食の時代―世界のエビ事情(台湾コネクション;エビ輸入国としての中国の台頭 ほか)
第5章 食のグローバル化とフェアトレード―飽食しつつ憂える時代に(食料自給率は三九%;バナナの問題 ほか)


村井吉敬[ムライヨシノリ]
1943年千葉県に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。現在、上智大学教授。社会経済学、インドネシア研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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