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歯科技工士・岩澤 毅

○「歯科技工士養成所指導ガイドライン」の一部改正について

2017年12月25日 | 判例・通知・他
○「歯科技工士養成所指導ガイドライン」の一部改正について

(平成29年12月25日)

(医政発1225第2号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知)



(公印省略)

「歯科技工士学校養成所指定規則の一部を改正する省令(平成29年文部科学省・厚生労働省令第4号)」が平成29年11月10日付けで公布され、平成30年4月1日をもって施行されるところである。

これに伴い、別紙のとおり、「歯科技工士養成所指導ガイドライン」(平成27年3月31日付け医政発0331第62号厚生労働省医政局長通知)を一部改正することとしたので、貴管下の関係機関に対し周知徹底を図られるとともに、貴管下の養成所に対する指導方よろしくお願いする。

また、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言であることを申し添える。

なお、改正後の「歯科技工士養成所指導ガイドライン」については、平成30年4月1日から施行することとし、この省令の施行の際現に指定を受けている養成所に限り、平成31年度の入学生からの適用とすることができることとする。


(参考(改正後全文))

歯科技工士養成所指導ガイドライン

第一 設置計画書に関する事項

養成所を設置しようとする者(学生の定員を増加しようとする者を含む。)は、次に掲げる事項を記載した養成所設置計画書(学生の定員を増加しようとする場合は定員変更計画書。以下いずれも「計画書」という。)により、授業開始予定日の一年前までに、養成所の設置予定地(学生の定員を変更しようとする場合は養成所の所在地)の都道府県知事に提出すること。

1 設置者の氏名、住所及び履歴(法人にあっては、名称、主たる事務所の所在地及び定款又は、寄附行為)

2 養成所の名称

3 位置

4 設置予定年月日(定員の変更にあっては、変更予定年月日)

5 入学予定定員(定員の変更にあっては、現在の定員及び変更予定定員並びに変更の理由)

6 長の氏名及び履歴

7 収支予算及び向こう二年間の財政計画

第二 一般的事項

1 歯科技工士学校養成所指定規則(昭和三一年厚生省令第三号。以下「指定規則」という。)第二条第一項に基づく指定の申請及び第四条第一項の変更の承認の申請を行うに当たっては、遅くとも授業を開始しようとする日(変更の承認にあっては、変更を行おうとする日)の六か月前までに、申請書を養成所の設置予定地(変更の承認にあっては養成所の所在地)の都道府県知事に提出すること。

2 設置者は、国又は地方公共団体が設置者である場合のほか法人であることが望ましく、かつ、その法人は営利を目的としないものであること。

3 学則には、少なくとも次に掲げる諸事項が明示されていること。

(1) 設置目的

(2) 名称

(3) 位置

(4) 修業年限

(5) 学生定員、学級数

(6) 学科課程

(7) 学年、学期、休日

(8) 入学時期

(9) 入学資格

(10) 入学志願者の選考

(11) 入学手続

(12) 転入学

(13) 欠席、休学、復学、退学

(14) 成績考査、進級、卒業

(15) 入学検定料、入学金、授業料、実習費等の学費

4 敷地、校舎、その他諸設備は設置者が所有することが望ましく、かつ、その位置及び環境は教育上適切であること。

5 養成所の経理が他と明確に区分されていること。

6 会計帳簿、決算書類等収支状態を明らかにする書類が完備されていること。

7 入学検定料、入学金、授業料及び実習費等は学則に定める額であり、寄付金等の名目で不当な金額を徴収しないこと。

8 指定規則第四条に基づく変更承認申請書等又は第五条に基づく定期報告書の提出については、歯科衛生士養成所・歯科技工士養成所の指定事項の変更手続きについて(昭和五五年四月一日歯第二九号)又は歯科技工士学校養成所指定規則第五条の規定に基づく報告について(昭和五四年一月一六日歯第三号)に基づき、確実かつ遅滞なく提出されること。

第三 学生に関する事項

1 学則に定める学生の定員が遵守されていること。

2 入学資格の審査のため、高等学校の卒業証書の写等大学に入学することができる者であることを証する書類調査書を提出させること。

3 入学の選考は適正に行われていること。

4 入学は学年の初めに行い、転学は学年又は学期の初めに行うこととし、その措置は、学則の定めるところにより厳正に行われていること。

5 学生の出席状況が確実に把握されており、特に出席状況の不良な者については、進級又は卒業を認めないものとすること。

6 入学、進級、卒業、成績、出席状況等に関する諸記録が確実に保存されていること。

7 入学時の健康の状態の把握、入学後の健康診断の実施、疾病の予防措置等学生の保健管理上の必要な措置が講ぜられていること。

第四 教員及び事務職員に関する事項

1 昼間の課程と夜間の課程とを併設する場合にあっては、課程ごとにそれぞれ所定の専任教員がおかれていること。

2 専任教員は、各学年各学級ごとにおき、学生の指導に支障をきたさないようにすること。

3 専任教員のうち一名は教育に関する主任者(教務主任)とし、歯科医師又は歯科技工士がこれにあたること。昼間の課程と夜間の課程とを併設する場合にあっては、課程ごとに教務主任がおかれていること。

4 教育上必要な教員数が確保されていること。

5 一教員当りの教育担当時間数が過重にならないこと。

6 教員は、その担当する教科に関して専門的な知識、技術、技能を有する者又は教育の経歴のある者であること。なお、歯科医師が担当することが望ましい授業内容については、歯科医師が担当すること。

7 原則として専任の事務職員がおかれていること。

第五 授業に関する事項

1 指定規則別表に定める学科課程が確実に実施されていること。教育実施については、別添1に基づいて行われていること。

2 授業は、教員の出勤簿等の書類により、授業状況が把握されていること。

3 授業方法は単独授業によるものとする。ただし、科目により支障のない場合は合同授業を行ってもさしつかえない。

4 歯科技工実習および歯科理工学実習は養成所内において実施されること。

5 夜間の課程を設置する場合は、修業年限を三年以上とし、一日における授業時間は四時間を超えないものとすること。

6 単位制について

歯科技工士養成所に係る単位の計算方法等については、次のとおりであること。

(1) 単位の計算方法

ア 基本的計算方法

一単位の授業科目を四五時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、一単位の授業時間数は、講義及び演習については一五時間から三〇時間、実験、実習及び実技については三〇時間から四五時間の範囲で定めること。

イ 時間数

時間数は、実際に講義、実習等が行われる時間をもって計算すること。

(2) 単位の認定

ア 単位を認定するに当たっては、講義、実習等を必要な時間数以上受けているとともに、当該科目の内容を習得していることを確認する必要があること。

7 授業内容については、現状の歯科技工技術に即した内容となるように配慮すること。

第六 教室に関する事項

1 同時に授業を行う学級の数を下らない数の専用の普通教室を有すること。

2 教室の面積は、学生一人につき一・六五平方米以上であり、かつ一教室の総面積は二四・七五平方米以上であること。

3 専用の基礎実習室、歯科技工実習室および歯科理工学検査室を有すること。

4 基礎実習室、歯科技工実習室および歯科理工学検査室の面積は、学生一人につき二・三一平方米以上であり、かつ一室の総面積は三四・六五平方米以上であり、電気、ガス、水道等の設備が備えられていること。

5 図書室、鋳造研磨およびポーセレンについての実習が実施できる実習室を有すること。この場合、図書室はおおむね二〇平方米以上であること。なお、鋳造研磨およびポーセレンについての実習が実施できる実習室は、他の実習室と併用しても差し支えない。

また、更衣室(ロッカー室)、標本室、機械器具、材料等を保管する室を有することが望ましい。

6 前記の他、便所、給湯設備等が備えられ、校舎の各室は、採光、換気等が適当であり、学習上、保健衛生上および管理上ふさわしい環境であること。

第七 教育用機械器具、標本、模型および図書に関する事項

1 教育に必要な機械器具、標本および模型は、別添2を基準として同時に実習を行う学生数に応じて備えられていること。

2 基礎分野、専門基礎分野、専門分野に関する図書雑誌は、一五〇〇冊以上備えられていること。この場合雑誌は一巻を一冊として算定するものとすること。

3 機械器具、標本、模型および図書は、学生定員数に応じ、適宜補充し更新すること。

第八 その他の事項

養成所新設の場合、地域歯科関係者との協力体制を勘案すること。


(別添1)

 
教育内容

単位数

教育の目標


基礎分野
     
医療従事者として必要な科学的・論理的思考力を育て、人間性を磨き、自由で主体的な判断と行動を培う。

加工技術の基礎となる知識を習得する。

国際化及び情報化社会に対応しうる能力を習得する。


科学的思考の基盤

人間と生活
 
5

     

小計

5
 

専門基礎分野

歯科技工と歯科医療

3

歯科技工学の目的、歯科技工士の歯科医療における役割、医の倫理、歯科疾患・歯科治療の概要について理解する。

また、歯科技工士に必要な関係法規について習得する。


歯・口腔くうの構造と機能

7

歯の形態を十分に理解し、歯の発生、加齢、歯周、頭蓋の骨及び口腔周囲の筋について習得する。

顎関節の形態、顎口腔の機能、顎運動、咬合器、修復物の咬合について習得する。


歯科材料・歯科技工機器と加工技術

7

歯科技工に使用する材料の歯科理工学的性質・安全性・品質検査及び歯科技工に必要な機器の知識と加工技術を習得する。


小計

17
 

専門分野

有床義歯技工学

12

有床義歯に関する知識を理解し、有床義歯製作の技術を習得する。


歯冠修復技工学

13

各種の歯冠修復物に関する知識を理解し、歯冠修復物製作の技術を習得する。


矯正歯科技工学

2

矯正歯科の基礎的概念を理解し、矯正装置製作に関する知識と技術を習得する。


小児歯科技工学

2

小児歯科の基礎的概念を理解し、乳歯歯冠修復物と咬合誘導装置製作に関する知識と技術を習得する。


歯科技工実習

11

知識・技術を歯科臨床の場面に適用し、理論と実践を結び付けて理解できる能力と技術力を習得する。


小計

40
 
 
合計

62
 


(別添2)

教育用機械器具、標本及び模型

(1) 設備品・機械器具


品名

個数

備考


技工台

学生数
 

コンプレッサー

適当数
 

石膏トラップ

適当数
 

ダウエルピン植立器

適当数
 

モデルトリーマー

適当数
 

技工用エンジン

学生数
 

技工用マイクロスコープ

適当数
 

リングファーネス

一以上
 

真空埋没器

適当数
 

溶接機(スポットまたはレーザー)

適当数
 

鋳造機器一式

適当数

鋳造機(遠心または吸引加圧または高周波)・リバーナー・ブローパイプを含む。


ポーセレンファーネス

一以上
 

電気レーズ

適当数
 

集塵機

適当数
 

サンドブラスター

適当数
 

研磨器

一以上
 

スチームクリーナー

適当数
 

サベヤー

適当数
 

脱ろう装置

適当数
 

義歯製作用器具一式

適当数

加熱重合器・加圧重合器・フラスコ・フラスコプレスを含む。


超音波洗浄器

適当数
 

光重合器

適当数
 

測色器(シェードガイド含む)

適当数
 

各種咬合器

各一
 

顔弓

一以上
 

実験用器具一式

適当数

実験台・マイクロメーター・ノギス・各種温度計・はかり・硬度計・熱膨張計・メスシリンダーを含む。


万能試験機

一以上
 

顕微鏡一式

一以上

金属顕微鏡・読み取り顕微鏡を含む。

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