臨床医療経済学の入り口, 2007/4/1
レビュアー: 歯職人
「講座・医療経済・政策学」も第4巻となり、「臨床経済学」からの各論の入り口に近づいてきました。
本巻では、医療技術や医薬品の「効果」の測定、「費用」の算出、複数ものの比較の考え方とその技法が示されています。しかしながら、それらは完成品としてではなく、先行する欧米の研究成果を摂取した上での現在進行形の営為として記述されています。
研究の基礎となるべき我が国のデータの不在の指摘が、我が国の医療経済・政策学の進展の足枷となっている様子が垣間見えます。
「講座・医療経済・政策学」の中でも、医療現場の従事者に最も身近な部分と不得手とする経済数学が混在する領域と言えるでしょう。
ややもすると医療現場の従事者は、現場を持つが故に視野狭窄に陥りがちな体質を持つが、本書を活用し視点の再構築を図る上で有用と考える。
医療技術・医薬品 講座 医療経済・政策学 第4巻 (単行本)
池上 直己 (編集), 西村 周三 (編集)
単行本: 192ページ
出版社: 勁草書房 (2005/11)
ISBN-13: 978-4326748341
ASIN: 4326748346
目次
第1章 臨床経済学の方法論
第2章 費用効果分析の技法と論争点
第3章 費用便益分析と仮想評価法
第4章 薬剤経済学研究の政策決定への利用と研究ガイドライン
第5章 臨床経済学のためのモデル分析
第6章 予防医学領域における分析事例
第7章 疾病管理の概念とわが国への適用―生活習慣病の管理を中心に
http://www.populus.est.co.jp/asp/booksearch/detail.asp?m_code=13586&s_key=1158021&scode=1836
医療技術・医薬品
池上 直己 (慶応義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授) ・西村 周三 (京都大学大学院経済学研究科教授) 編著
講座・医療経済・政策学第4巻
A5 ・ 2730 円 (税込)
2005年11月15日発行
4-326-74834-6
978-4-326-74834-1
出版元:勁草書房(s1836)
岐路に立つ日本医療の改革を目指す新たな分析視点「医療経済・政策学」シリーズ第4巻。医薬品、医療機器など個々の技術を評価する方法論。
医療技術の効果と費用をそれぞれ評価する方法は国際的に確立されてきたが、医療提供体制、医療従事者の技術水準などの違いにより、その分析結果は国によって異なる。本巻は医療技術を経済評価する個々の方法論を述べた上で、わが国の医療の効率性を追求するにあたっての論争点や課題を抽出する。
関連書:『医療保険・診療報酬制度』(講座 医療経済・政策学 第2巻)
第1章 臨床経済学の方法論
第1節 臨床経済学の意義
第2節 臨床経済学の基本
第3節 臨床経済学の方法
第4節 臨床経済学の利用と課題
第2章 費用効果分析の技法と論争点
第1節 費用効果分析とは
第2節 費用と臨床的アウトカムの測定
第3節 効用理論と測定手法
第4節 QALYsの概念と技術的論点
第5節 個人の選好と社会の選好
第6節 効率性と公平性をめぐる政治倫理的議論
第3章 費用便益分析と仮想評価法
第1節 費用便益分析
第2節 仮想評価法
第4章 薬剤経済学研究の政策決定への利用と研究ガイドライン
第1節 先進諸国における薬剤経済学の活用状況
第2節 薬剤経済学の分析結果の評価
第3節 わが国への示唆と今後の課題
第5章 臨床経済学のためのモデル分析
第1節 臨床試験と臨床経済学
第2節 ディシジョンツリー
第3節 マルコフモデル
第4節 モデル作成のためのソフトウエア
第5節 モデルへのデータ設定
第6章 予防医学領域における分析事例
第1節 予防医学領域における経済評価の位置づけ
第2節 一次予防の事例
第3節 がん検診の事例
第4節 Helicobacter pylori 除菌の事例
第7章 疾病管理の概念とわが国への適用
──生活習慣病の管理を中心に
第1節 疾病管理とは
第2節 米国における疾病管理の歴史と発展
第3節 日本における疾病管理の現状と今後の展開
第4節 疾病管理普及における課題
事項索引
欧文索引
執筆者一覧
レビュアー: 歯職人
「講座・医療経済・政策学」も第4巻となり、「臨床経済学」からの各論の入り口に近づいてきました。
本巻では、医療技術や医薬品の「効果」の測定、「費用」の算出、複数ものの比較の考え方とその技法が示されています。しかしながら、それらは完成品としてではなく、先行する欧米の研究成果を摂取した上での現在進行形の営為として記述されています。
研究の基礎となるべき我が国のデータの不在の指摘が、我が国の医療経済・政策学の進展の足枷となっている様子が垣間見えます。
「講座・医療経済・政策学」の中でも、医療現場の従事者に最も身近な部分と不得手とする経済数学が混在する領域と言えるでしょう。
ややもすると医療現場の従事者は、現場を持つが故に視野狭窄に陥りがちな体質を持つが、本書を活用し視点の再構築を図る上で有用と考える。
医療技術・医薬品 講座 医療経済・政策学 第4巻 (単行本)
池上 直己 (編集), 西村 周三 (編集)
単行本: 192ページ
出版社: 勁草書房 (2005/11)
ISBN-13: 978-4326748341
ASIN: 4326748346
目次
第1章 臨床経済学の方法論
第2章 費用効果分析の技法と論争点
第3章 費用便益分析と仮想評価法
第4章 薬剤経済学研究の政策決定への利用と研究ガイドライン
第5章 臨床経済学のためのモデル分析
第6章 予防医学領域における分析事例
第7章 疾病管理の概念とわが国への適用―生活習慣病の管理を中心に
http://www.populus.est.co.jp/asp/booksearch/detail.asp?m_code=13586&s_key=1158021&scode=1836
医療技術・医薬品
池上 直己 (慶応義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授) ・西村 周三 (京都大学大学院経済学研究科教授) 編著
講座・医療経済・政策学第4巻
A5 ・ 2730 円 (税込)
2005年11月15日発行
4-326-74834-6
978-4-326-74834-1
出版元:勁草書房(s1836)
岐路に立つ日本医療の改革を目指す新たな分析視点「医療経済・政策学」シリーズ第4巻。医薬品、医療機器など個々の技術を評価する方法論。
医療技術の効果と費用をそれぞれ評価する方法は国際的に確立されてきたが、医療提供体制、医療従事者の技術水準などの違いにより、その分析結果は国によって異なる。本巻は医療技術を経済評価する個々の方法論を述べた上で、わが国の医療の効率性を追求するにあたっての論争点や課題を抽出する。
関連書:『医療保険・診療報酬制度』(講座 医療経済・政策学 第2巻)
第1章 臨床経済学の方法論
第1節 臨床経済学の意義
第2節 臨床経済学の基本
第3節 臨床経済学の方法
第4節 臨床経済学の利用と課題
第2章 費用効果分析の技法と論争点
第1節 費用効果分析とは
第2節 費用と臨床的アウトカムの測定
第3節 効用理論と測定手法
第4節 QALYsの概念と技術的論点
第5節 個人の選好と社会の選好
第6節 効率性と公平性をめぐる政治倫理的議論
第3章 費用便益分析と仮想評価法
第1節 費用便益分析
第2節 仮想評価法
第4章 薬剤経済学研究の政策決定への利用と研究ガイドライン
第1節 先進諸国における薬剤経済学の活用状況
第2節 薬剤経済学の分析結果の評価
第3節 わが国への示唆と今後の課題
第5章 臨床経済学のためのモデル分析
第1節 臨床試験と臨床経済学
第2節 ディシジョンツリー
第3節 マルコフモデル
第4節 モデル作成のためのソフトウエア
第5節 モデルへのデータ設定
第6章 予防医学領域における分析事例
第1節 予防医学領域における経済評価の位置づけ
第2節 一次予防の事例
第3節 がん検診の事例
第4節 Helicobacter pylori 除菌の事例
第7章 疾病管理の概念とわが国への適用
──生活習慣病の管理を中心に
第1節 疾病管理とは
第2節 米国における疾病管理の歴史と発展
第3節 日本における疾病管理の現状と今後の展開
第4節 疾病管理普及における課題
事項索引
欧文索引
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