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歯科技工士・岩澤 毅

白石 草 (著) メディアをつくる――「小さな声」を伝えるために (岩波ブックレット)

2012年04月22日 | amazon.co.jp・リストマニア
「メディアをうらむなら、メディアをつくれ」, 2012/4/22

By 歯職人

 テレビ、ラジオと幾多のチャンネルがある日本のメディア状況のなか、あっても良さそうな大きな財力や大きな力を持たない市民が作り手、送り手になるメディアの創設を志した白石草さんの市民に贈る「メディアをうらむなら、メディアをつくれ」のメッセージです。
 白石草さんは、日本の大手テレビ局の現場に入社早々、9.11アメリカ本土同時多発テロで右往左往しジャーナリズムとしての立脚点の危うさを露わにした報道現場と会社の弱点に気付き、その教訓の中からインターネット放送局OurPlanet‐TVを立ち上げる。
 本書は、白石さんのこの経験をベースに、欧米の市民メディアの歴史とそれを支える社会の仕組みまで俯瞰した、市民の小さな声を伝えるためのメディア創設・運営・支援の必要性を説いたブックレットです。
 極めて薄い(約60ページ)ながらも、市民メディアの必要性が手堅くまとめられている。
 機材の開発や通信環境の整備により技術的には市民が利用可能なツールが整う中、「専門家」によるあと一歩のアシスト、市民の側のメディアテラシーの獲得をサポートすることにより市民メディアの可能性を開花させようとする白石さんの思いが凝縮した一冊です。
 ご一読をお勧めします。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4002708233/ref=cm_cr_mts_prod_img


メディアヲツクル チイサナコエヲツタエルタメニ イワナミブックレット
岩波ブックレット
メディアをつくる―「小さな声」を伝えるために


白石 草【著】
岩波書店 (2011/11/08 出版)

63p / 21cm / A5判
ISBN: 9784002708232
NDC分類: 699.8

価格: ¥525 (税込)

詳細

マスコミ報道のあり方に疑問を感じ、テレビ局を辞めた著者はインターネット放送局OurPlanet‐TVを立ち上げ、独自の取材・情報発信で注目を集める。
自らの体験をもとに日本のメディアの抱える問題を検証し、ツイッターやユーストリームなどが普及する今、国内外に広がる一般市民による様々な情報発信の試みを紹介する。


はじめに―メディアが激変する時代に
第1章 ジャーナリズムが機能しないのはなぜ?―私の経験から
第2章 今、誰もが発信者の時代へ
第3章 世界に広がる「市民チャンネル」
第4章 「小さな声」を伝えるために―始まる日本での試み
おわりに―一人ひとりがメディアの主役に
マスコミが信用できないなら、自分たちでメディアをつくろう! インターネット放送局Our Planet-TVを立ち上げ、独自の取材・発表を続ける著者が、激変するメディア状況の意味を読み解き、反貧困を訴える若者や、子どもの健康を守るために立ち上がった福島の母親たちなど、多様な人々の情報発信の試みを報告する。


著者紹介

白石草[シライシハジメ]
1993年早稲田大学卒業。テレビ朝日系の技術会社を経て、1995年東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)入社。ビデオジャーナリストとして、ニュース・ドキュメンタリー番組の制作に携わる。2001年に独立し、フリーランスとして活動。同年10月に非営利のインターネット放送局「OurPlanet‐TV」を設立。一橋大学大学院地球社会研究科客員准教授および早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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