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歯科技工士・岩澤 毅

医政歯発0331第1号 補てつ物等の作成を国外に委託する場合の使用材料の指示等について

2010年03月31日 | 判例・通知・他
平成22年3月31日
医政歯発0331第1号

各都道府県衛生主管部(局)長 殿

厚生労働省医政局歯科保健課長

補てつ物等の作成を国外に委託する場合の使用材料の指示等について

 歯科医療の用に供する補てつ物等については、患者を治療する歯科医師が歯科医学的知見に基づき適切に判断し、当該歯科医師の責任の下、安全性に十分配慮した上で作成されるものですが、通常、患者を直接診療している病院又は診療所内において歯科医師又は歯科技工士が作成するか、病院又は診療所の歯科医師から委託を受けた歯科技工所において、歯科医師から交付された歯科技工指示書に基づき歯科技工士が作成しているところです。
 また、国外で作成された補てつ物等の取扱いについては、「国外で作成された補てつ物等の取り扱いについて」(平成17年9月18日付け医政歯発第0908001号医政局歯科保健課長通知。以下「課長通知」という。)において、国外で作成された補てつ物等を歯科医師が輸入し、患者に供する場合は、使用材料の安全性に関する情報等について、患者に対して十分情報提供を行うよう指導したところです。
 今般、補てつ物等のさらなる安全性の確保等の観点から、補てつ物等の作成を国外に委託する場合の使用材料の指示等について、別添のような取扱いとしますので、よろしく御了知願います。


(別添)

 補てつ物等の作成の委託については、患者を治療する歯科医師の責任の下、安全性に十分配慮した上で実施されるべきものであることから、歯科医師は、補てつ物等の作成を国外に委託する場合、課長通知のとおり取り扱うとともに以下の事項を遵守されたい。

① 補てつ物等を作成する場所(名称及び所在地)を明示して指示を行うとともに、当該指示の内容の要点を診療録等に記録すること。

② 使用する歯科材料を明示して指示を行うとともに、当該指示の内容の要点を診療録等に記録すること。
 なお、指示に際しては、歯科材料の組成・性状や安全性等に関する情報を添付文書等により事前に把握し、(注1)ISO規格や(注2)「歯科鋳造用ニッケルクロム合金(冠用)の製造(輸入)の承認申請について」(昭和60年3月30日付け薬審第294号薬務局審査課長通知)等で定める基準を満たした歯科材料を選定した上で、当該歯科材料が特定されるよう、製品名(製造販売業者名を含む)等を明示して指示を行うこととする。

(注1)ISO規格においては、個々の歯科材料の成分分量等に関する基準が規定されている。
(注2)「歯科鋳造用ニッケルクロム合金(冠用)の製造(輸入)の承認申請について」においては、「ベリリウムを検出してはならない」等の基準が規定されている。

③ 補てつ物等を患者に供する前に、当該補てつ物等を作成した者から使用された歯科材料を証明する書類等を取得し、①及び②の指示の内容等に基づき作成されたかどうか確認を行うとともに、当該書類等を診療録に添付する等、適切に保管すること。

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