未完の総理 石橋湛山
By 歯職人 2014/8/24
本書は、明治から言論人として東洋経済新報社を拠点に活躍し、隆盛する対外拡張主義と軍事増強の風潮の中、経済合理性の観点から植民地放棄論と小国主義を唱え、実践する経済ジャーナリストとの評価を高め、戦後は政界に転身し、吉田茂や岸信介、GHQとの様々な抗争を経て、自民党総裁、内閣総理大臣の座を手にし、病を得て潔くその座を降りた石橋湛山の伝記である。
時勢に阿ることなく自説を展開するその生き方が、根強いファンを持つ石橋湛山を、日本歴史学会編と言う形を取り、現在日本に暮らす中国人学者の手による評伝である。
湛山の晩年の理想主義は、現場感覚からの乖離ととらえることも可能ではないか。戦前戦中の熾烈な言論状況と切り結んだ頃のリアリズムに裏打ちされた行動、自由民主党結成前後の政治的抗争を生き抜いた現実感覚が、晩年には喪失していると感じる。それもまた、故なきことではなく、晩年の理想主義という形で昇華することも、人生の幕を閉じるに際して必要ではないか。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9F%B3%E6%A9%8B%E6%B9%9B%E5%B1%B1-%E4%BA%BA%E7%89%A9%E5%8F%A2%E6%9B%B8-%E5%A7%9C-%E5%85%8B%E5%AF%A6/dp/4642052712/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1408887513&sr=8-3&keywords=%E7%9F%B3%E6%A9%8B%E6%B9%9B%E5%B1%B1
人物叢書 新装版
石橋湛山
姜 克實【著】《ジャン/クーシー》/日本歴史学会【編】
価格 \2,376(本体\2,200)
吉川弘文館(2014/02発売)
サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 19cm
商品コード 9784642052719
NDC分類 289.1
内容説明
石橋湛山―明治から昭和に活躍した言論人・政治家・思想家。戦前は植民地放棄論、小国主義を唱えた経済ジャーナリストとして活躍した。戦後は政界に転身して自民党総裁、内閣総理大臣まで登りつめたが、病に倒れわずか二カ月で退陣し、その後は中国との国交回復に尽くした。多彩な言論と顔を持ち、「ナショナリズムの超克」を終生追い続けたその生涯を描く。
目次
第1 思想の形成と初期の言論活動(人格形成の要素;王堂哲学との出会い ほか)
第2 小国主義ビジョンの確立(普通選挙と代議政治論;帝国主義批判論 ほか)
第3 戦争への抵抗(経営者の横顔;世界経済の原則堅持 ほか)
第4 小国復興の理念と実践(更生日本の針路;政界入りと大蔵大臣就任 ほか)
第5 脱冷戦の構想と行動(第一次訪中;日中米ソ平和同盟論の誕生 ほか)
著者紹介
姜克實[ジャンクーシー]
1953年生まれ。1983年復旦大学大学院中退、来日。1991年早稲田大学大学院博士課程修了(文学博士)。現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
By 歯職人 2014/8/24
本書は、明治から言論人として東洋経済新報社を拠点に活躍し、隆盛する対外拡張主義と軍事増強の風潮の中、経済合理性の観点から植民地放棄論と小国主義を唱え、実践する経済ジャーナリストとの評価を高め、戦後は政界に転身し、吉田茂や岸信介、GHQとの様々な抗争を経て、自民党総裁、内閣総理大臣の座を手にし、病を得て潔くその座を降りた石橋湛山の伝記である。
時勢に阿ることなく自説を展開するその生き方が、根強いファンを持つ石橋湛山を、日本歴史学会編と言う形を取り、現在日本に暮らす中国人学者の手による評伝である。
湛山の晩年の理想主義は、現場感覚からの乖離ととらえることも可能ではないか。戦前戦中の熾烈な言論状況と切り結んだ頃のリアリズムに裏打ちされた行動、自由民主党結成前後の政治的抗争を生き抜いた現実感覚が、晩年には喪失していると感じる。それもまた、故なきことではなく、晩年の理想主義という形で昇華することも、人生の幕を閉じるに際して必要ではないか。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9F%B3%E6%A9%8B%E6%B9%9B%E5%B1%B1-%E4%BA%BA%E7%89%A9%E5%8F%A2%E6%9B%B8-%E5%A7%9C-%E5%85%8B%E5%AF%A6/dp/4642052712/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1408887513&sr=8-3&keywords=%E7%9F%B3%E6%A9%8B%E6%B9%9B%E5%B1%B1
人物叢書 新装版
石橋湛山
姜 克實【著】《ジャン/クーシー》/日本歴史学会【編】
価格 \2,376(本体\2,200)
吉川弘文館(2014/02発売)
サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 19cm
商品コード 9784642052719
NDC分類 289.1
内容説明
石橋湛山―明治から昭和に活躍した言論人・政治家・思想家。戦前は植民地放棄論、小国主義を唱えた経済ジャーナリストとして活躍した。戦後は政界に転身して自民党総裁、内閣総理大臣まで登りつめたが、病に倒れわずか二カ月で退陣し、その後は中国との国交回復に尽くした。多彩な言論と顔を持ち、「ナショナリズムの超克」を終生追い続けたその生涯を描く。
目次
第1 思想の形成と初期の言論活動(人格形成の要素;王堂哲学との出会い ほか)
第2 小国主義ビジョンの確立(普通選挙と代議政治論;帝国主義批判論 ほか)
第3 戦争への抵抗(経営者の横顔;世界経済の原則堅持 ほか)
第4 小国復興の理念と実践(更生日本の針路;政界入りと大蔵大臣就任 ほか)
第5 脱冷戦の構想と行動(第一次訪中;日中米ソ平和同盟論の誕生 ほか)
著者紹介
姜克實[ジャンクーシー]
1953年生まれ。1983年復旦大学大学院中退、来日。1991年早稲田大学大学院博士課程修了(文学博士)。現在、岡山大学大学院社会文化科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)