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歯科技工士・岩澤 毅

日本歯技9月号 反射鏡 ○この夏、女性アスリートの出産と競技復帰をめぐり、

2013年09月02日 | 日本歯技


日本歯技
2013年9月号
反射鏡

○この夏、女性アスリートの出産と競技復帰をめぐり、一部テレビと週刊誌等が過剰で的外れな騒動を繰り広げた。多数の媒体が競争を繰り広げる世界の負の側面と言えるだろうか。常時マスコミの監視の中にいる職業に、プロ野球の監督がある。ヤクルトスワローズ等の監督を経験した野村勝也さんは、マスコミを通しご自分の考えを表明し、チームと球界へのメッセージを発することに長けていた。野村氏により知る事が出来た名言格言・故事成句の一つに、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」(『剣談』松浦静山)がある。氏は未開発のチームを引き受け、教育により機能するチームを作り上げたイメージが強い。

○氏が指揮した時代に教えを受けた選手の回想によれば、チーム作りの基本は、言葉の力、「ミーティング」にあった様だ。整理された情報の提供が、能力を引き出す一つの力となり、「野村ID野球」との言葉を生んだ。実態を正確に言えば「広報野球」?だろうか。

○政権交代後、野に下った側からの「失敗の研究」本が、幾つか刊行されている。その一つに、ジャーナリスト(TBS)から首相官邸に内閣広報官室審議官として入った下村健一氏の『首相官邸で働いて初めてわかったこと』(朝日新書)がある。取材する側から、取材される側への転身であり、毀誉褒貶もある。下村氏が見聞した、業務に従事する中での激動の日々が、綴られている。情報が集中し、ややもすれば人間業では制御不能に陥りかねない官邸が、状況により情報の真空地帯にも似た困難さに直面し、苦悩する瞬間が描かれる。

○氏のやや首肯し難い記述に、「攻めの広報」と「守りの広報」と広報を二分する記述がある。単純化すれば、下村氏が展開しようとした広報が「攻めの広報」、従来の官邸スタッフが展開してきたものが「守りの広報」という色分けになる。広報の任にある者として、この「やや首肯し難さ」にこだわり、広報のあり方を考え続けたい。


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