故事成語でわかる経済学のキーワード (新書) 梶井 厚志 (著)

故事成語でわかる経済学のキーワード (新書)
梶井 厚志 (著)
新書: 288ページ
出版社: 中央公論新社 (2006/11)
ASIN: 4121018710

経済学入門挫折者を救う、別角度からの経済学プレ入門書, 2006/12/25

レビュアー： 歯職人

　「○○曲線」、数式、記号、無理筋の訳語、本人が自分の理論を理解しているのか不安にさせる経済学者の言動。経済学の入り口から躓いたあなたを救う一冊です。
　本書は、我々に馴染みのある漢字と漢字を生み出した中国の故事成語を題材に、経済学の考え方を説明します。
　標準教科書や教室での講義・授業が無味乾燥になりがちになるなか、結局記憶に残るものが教師の「脱線」した小話であることがままある。
　本書は、小話から教科である経済学を語る。本書は、腹を抱えて笑いはしないが、面白いのである。
　著者の勤務先大学の体質、「改革」を成したがる新任の管理職を語るその語り口は辛いが、これも芸の内であろう。
　
目次

覆水盆に返らず―サンク・コスト
蛇足―追加的利害を考える
矛盾―トレードオフ
他山の石―分業と専門の経済効果
洛陽の紙価を貴む―価格理論
先ず隗より始めよ―ケインズと乗数効果
青は藍より出でて藍より青し―インセンティブ
鶏鳴狗盗―リスクからの収益をどう考えるか
漁夫の利―先読み
伯牙絶弦―コミットメント〔ほか〕