『日本歯技』2016年8月号
就任所信「意思のあるところに道は開ける」
公益社団法人日本歯科技工士会
会長 杉 岡 範 明
会長 杉 岡 範 明
この度、第5回社員総会において公益社団法人としては3回目となる役員選挙が行われ、理事20名、監事2名の新役員を選出していただき、直後の理事会により二期目の会長に選任いただきました。改めて、会員、代議員、理事の皆さんに心から感謝とお礼を申し上げます。
本会の連綿と続く活動の中で、会長として創立60周年を司り、新たな門出とも言うべき61年目の組織運営を担う役割に身の引き締まる思いです。同時に、ここで今一度、会員と歯科技工士の皆さんに訴えたいことは、私たちが抱える諸懸案解決のためには、今も昔も歯科技工士のナショナルセンターである「日本歯科技工士会」という私たち自身の組織が必要不可欠であるということです。
社会環境が成熟し、少子高齢化と人口減少が進む日本のような社会にあっては、関係者の様々な利害が重層的に絡み合い、一方だけの主張が通るということは、余程のことがない限り難しいことです。私たちが抱える諸懸案の解決のためには、複雑な連立方程式を解き、ある種のパワーゲームを生き抜く必要があります。
その一つとして、行政当局は、業界の混乱回避と国民医療の安定的運営のため、常に関係団体間の調整を求めてきます。それは、今日の社会システムの中では、ある種避けて通れないことかもしれません。だからこそ、全体を俯瞰し正当性のある、国民の期待に応える私たちの「解」を提示し、全体の理解を得なければなりません。そのためには、内外の英知を結集し、戦略と手段をもって前進させることが肝要です。
今を生きる私たちには、この60年という歴史の上にある現在の歯科技工士のナショナルセンターをさらに発展させ、初心を貫く重い責任があります。その実践のためには、まず、組織を構成している一人ひとりが他人任せではなく、自ら組織のために何ができるかを常に考えていただかなければなりません。
その支えを力に、私は、国民歯科医療の充実と発展に役割を果たしている歯科技工士が、夢と希望を持ち職務を全うできるよう、労務環境の改善に全力で取り組みます。
「意志のあるところに道は開ける!」と言われています。どんなに困難な道でも、それをやり遂げる意志さえあれば必ず道は開けるという、希望と勇気が湧く言葉です。
私は、必ずやり遂げます!歯科技工士の明るい未来のために。
http://www.nichigi.or.jp/about_nichigi/nihonshigi_1608.html