歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

野島正美 「歯科技工所の経営について」/ 「デジタル技工時代に挑戦する」

2016年07月24日 | 基本・参考
http://www.denture.co.jp/index.php?menuindex=1#1:1

福島県歯科技工士会・生涯研修基本課程
開催日 7月24日(日)
会 場 磐梯熱海・青陵山倶楽部
時 間 10:00~16:00
演 題 「歯科技工所の経営について」/ 「デジタル技工時代に挑戦する」


保険技工主体の技工所こそ、歯科用CAD/CAMシステム導入で
「世間並」の労務環境を獲得し、口腔内スキャナー普及時代に備えよう


私は、今年68歳になりました。
幸い、時代の追い風にも恵まれ、多くの友人や他業種を含む諸先輩に教えを頂き、精一杯その教えに耳を傾け、従業員にも支えられ、歯科技工所経営を続けることが出来ました。
振り返ると失敗した新規の機器・機材や材料、システムの導入も数多くあります。失敗例の商品名を挙げることは憚られますが、1.素材やシステム自体が成熟していなかった商品。2.日本の皆保険制度との関係を築けなかった商品。3.自費をうたいながら競争力のなかった商品等に整理できると思います。


時代と環境に適応する経営を
他業種も同様でしょうが、歯科技工所経営にとって不採算分野への投資や、新規の機器・機材の導入失敗は、経営の足かせとなり大打撃となります。
しかし、時代の変化に対応し自らの事業を改革し進化していくことは、従業員の生活を守り生き残る上で絶対必要条件です。過去には、ゴム床義歯からレジン床義歯への技術革新、金属鋳造技術の普及、光重合技術の登場等、拒否することのできない時代を大変革する新規技術の登場がありました。


「世間並」「世間並み以上」の労務環境を
また歯科技工所経営は、低価格競争による経営体力低下にさらされ労務環境の悪化をもたらし、歯科技工士の早期離職現象として社会的にも知られる様になりました。それは、歯科技工士の職業としての魅力の低下を招き、歯科技工士学校入学者の激減という結果をもたらしました。そして今、求人難として、歯科技工所経営に打撃を与えています。
生き残りを使命とする歯科技工所経営者は、従業員に対し「世間並」「世間並み以上」の労務環境を保障する経営を構築しなければなりません。


歯科用CAD/CAMシステム導入に向き合う
現在の環境の中、歯科技工所経営にとって最大の課題は、歯科用CAD/CAMシステム導入にどのように向き合うかだと思います。スルーするか、どの機種を何時導入するか?経営者の判断力が試されます。当初輸入された歯科用CAD/CAMシステムは、ジルコニア加工を中心に限られた市場に向けられたものでした。この限られた市場に多くの歯科技工所が集中することにより、大半の歯科技工所にとっては、経営に寄与することなく、導入しているとの対外的なポジションを得る等の効果を期待する程度のものになってしまいました。


保険技工での応用可能性こそ追求すべき
日本の歯科技工市場は、保険技工が8割以上です。歯科用CAD/CAMシステムが持つ歯科技工の機械化や合理化、標準化によるプラス面の潜在力を引き出し、利益を得て歯科技工士の生活を「世間並」「世間並み以上」にするためには、その保険技工での応用可能性こそ追求されるべきものなのです。


自動車産業のCAD/CAMシステム開発を牽引したデジタルプロセス
http://www.dipro.co.jp/products/dental/
私が歯科技工士として、歯科技工所経営者として学び考えてきたものを、ご縁があり自動車産業等で利用されるCAD/CAMシステム開発のパイオニアのデジタルプロセス(株)の関係者の皆さんにトコトンぶつけ、歯科技工士主導の歯科用CAD/CAMシステムとして開発頂いたのが当社の扱う「DORA」であり、「WAXY」です。
私の願いをお聞き入れ頂き、保険診療が主体となっている日本の歯科治療においても、歯科技工所としても十分にペイするシステムとして開発されました。


口腔内スキャナー実用時代への準備
口腔内スキャナーが実用段階を迎え、口腔内印象や石膏模型を経ない、データのオンライン化が近づいています。この変化に対応するためには、現在の歯科用CADシステムを習熟することは不可欠です。従来の石膏模型上での技工から、その石膏模型そのものを不要とする時代が来るのです。その時、歯科医師が歯科用CADに習熟していない歯科技工所にデータを送ってくることがあるでしょうか?歯科技工士がスキャナーの特性を理解せず、個別の歯科医師に助言できるでしょうか?歯科用CADシステムは標準設備になります。
現在保険導入されているハイブリッド冠だけに対応することを考えれば、小規模の歯科技工所にとって歯科用CAD/CAMシステムの自社導入は過剰投資でしょう。しかし、1.保険技工のWAX加工作業への応用。2. 口腔内スキャナーへの対応、この2点に視点を置くと、当社が提供するシステムの優位性と導入時期として、現在の最適性が明らかとなります。
さらに、3Dプリンターの普及も遠くはないでしょう。その時、歯科技工士が獲得しておかなければならない技術は、歯科用CAD/CAMに習熟し特性を理解し使いこなす能力です。


歯科技工士の使いやすさを第一に置いた開発コンセプト
当社の歯科用CAD/CAMシステムの開発コンセプトは、1.多くの歯科技工士にとって使いこなすことが出来る。2.歯科技工士が培って来た「歯科医師のかゆい所に手が届く」技術を反映できるシステムです。
歯科用CAD/CAMシステムを道具として使いこなすためにも、他の道具と同じように経験を必要とします。保険技工への使用で、先んじて豊富な経験値の獲得と蓄積ができます。


歯科技工士の知恵を蓄積する歯科用CAD/CAMシステム
当社の歯科用CAD/CAMシステムは、保険診療が主体となっている日本の歯科治療環境においても、十分にペイするシステムです。歯科技工士にとってより良い歯科用CAD/CAMシステムを、日本の歯科技工士さんとともに更に成熟させていきます。
是非一度、「DORA」、「WAXY」など当社の歯科用CAD/CAMシステムをお試しいただき、率直なご意見をお聞かせください。
日本の歯科技工業の新たな時代を共に作りましょう。


デンタルネットコミュニティ株式会社 http://www.dn-c.jp/

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