歯科技工管理学研究

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歯科技工士・岩澤 毅

日本歯科技工士連盟 人生100年時代に活躍できる歯科技工士のあり方の検討及び歯科技工士に関する課題解決に向けた要望書

2020年05月24日 | 基本・参考
議連総会資料


歯科技工士に関する制度推進議員連盟
会 長  上 川 陽 子 様

日本歯科技工士連盟   
会 長 杉 岡 範 明


人生100年時代に活躍できる歯科技工士のあり方の検討及び
歯科技工士に関する課題解決に向けた要望書


 口腔の健康と全身の健康の関係性が指摘されており、口腔の健康を保つことは重要な課題となっています。人生100年時代に向けて、歯科専門職の活躍が期待されていますが、現状において、口腔機能の維持・回復に不可欠な歯科補てつ物等の製作する歯科技工士は、臨床の現場に関わることができる場面が限られています。
 また、従来からの歯科技工士を取り巻く厳しい状況もあることから、以下の事項について協議を進め、早期に解決するよう要望します。



1. 歯科医師と歯科技工士の連携を推進し、より質の高い歯科医療を提供する観点から、臨床に関わる業務を含め歯科技工士の業務のあり方について、具体的な検討を行うこと。

2. 1.の議論の進捗状況にあわせて教育内容についても検討を行い、そのために必要な就業年限の延長 (歯科技工士養成学校指定規則第二条第二号の修業年限を三年以上とする) を行うこと。また、一学級の学生又は生徒の定員数については、現状を鑑み、第二条第五号の定員を一学級三十人以内とすること。

3. 診療報酬の歯科点数表第12部における「歯科技工士に関する考え方」の周知を含む、歯科技工の評価について、引き続き歯科医師と歯科技工士が情報を共有できるように協力を頂きたいこと。

以上



https://nichigi-renmei.jp/members1/posts_m/members/202004031518/

第15回歯科技工士に関する制度推進議員連盟総会が開催される





3月24日(火)午後5時から衆議院第1議員会館1階多目的ホールで第15回歯科技工士に関する制度推進議員連盟総会が開催された。

総会は、新型コロナウイルス感染症の影響で開催が危ぶまれたが、アルコール消毒やマスク着用、人との距離間を適度に保つ等、十分な配慮を行い開催した。

議連所属の国会議員の皆さん総勢54名(代理出席を含む)と厚生労働省から田口歯科保健課長、小椋歯科医療管理官、他2名が出席した。

日技連盟からは、感染拡大に配慮して杉岡会長をはじめとする6名の役員と事務局が出席した。

冒頭、上川会長から我が国の歯科医療の推進に寄与されていることの感謝と人生100年時代での歯・口腔の健康をどのように手当てをするか、たいへん重要である旨を述べられた。その意味から入れ歯等口腔の健康管理について歯科技工士の果たす役割は、計り知れない。

この議連は、平成25年に発足し、何を課題とするのか優先順位を明らかににして、一つ一つ解決をして課題を進めてきた。令和2年度の診療報酬改定のこと、歯科技工士の養成と確保に関する検討会の報告書のこと等、を踏まえ今後も進めていくので各位のご協力をお願いしたい旨を述べた。

杉岡会長からは、現下の社会情勢のなか総会を開催して頂いたこと、日頃より歯科技工士の環境整備に献身的に取り組んでもらっている感謝とお礼を述べた。直近の衛生行政報告例によると歯科技工士の就業場所は約73%が歯科技工所、約26%が病院・診療所であり、この割合は年々差が開いており、患者さんが歯科技工士を目の当たりにすることが少なくなっていることから、姿の見えない医療技術者になっている。このことから歯科技工士の様々な指標はマイナスに転じており誇りと責任を失いつつある。歯科技工士が活躍できる環境整備の推進に特段のご配慮とご尽力を頂くよう述べた。

その後、厚生労働省医政局は、この議連からの要望書により医療職俸給表の改正や国家試験の全国統一化したこと、修業年限の延長や教育を取り巻く課題に対して教育カリキュラムの大綱化で時間制から単位制に、また教員の要件の見直しを行ったこと、更には「歯科技工士の養成・確保に関する検討会」を立ち上げ、各界各層による議論を経て近々に報告書が出る予定であること、厚生労働省の歯科補てつ物製作等の情報提供推進事業、歯科技工所業務形態改善等調査検証事業、の推進に協力を頂いていることを述べた。厚生労働省保険局からは、この議連からの要望に基づいて2019年度全国9か所で「製作技工と製作管理に関する周知」の研修会を開催したこと、今年度においても実施の予定であることを述べられた。

令和2年度診療報酬改定で歯科技工関連において実態に合わせ評価する見直しを行うことも述べられた。

杉岡会長は、検討会が示したものとして歯科技工士の業務に関する今後の方向性について引き続き検討を行うよう要望した。国からの直轄事業を受注して鋭意取り組んでいるところであり、万全を期して対応する旨を述べた。また今回の診療報酬改定で歯科技工関連の評価の見直しに感謝するとともに、官報や日技作成資料に基づいて説明を行った。加えて「人生100年時代に活躍できる歯科技工士のあり方の検討及び歯科技工士に関する課題解決に向けた要望書」を提出した。

質疑応答で、出席された国会議員からは、金パラの高騰への対応のこと、製作技工の考え方の周知研修会の成果のこと、日進月歩する歯科技工技術や材料に対応するには2年間の教育では無理ではないか、修業年限の延長が叶わない理由は、歯科医師教育過程で歯科技工現場を知る必要性、離職率が70%を超えている理由は、等建設的なご意見をたくさん頂いた。

厚生労働省からは、頂いたご意見を真摯に受け止めて今後の政策に反映するように努力する旨回答があった。


最後に上川会長からは、先程の杉岡会長からあった要望書について3項目をこの議連の活動指針にする旨述べ、承認を確認した。

議連所属議員の皆様の歯科技工士に対する熱意を感じており、感謝の一言です。議連総会を開会、運営にご尽力頂いた議連役員の皆さまに感謝申し上げ、過日の総会の報告とする。


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