2016年6月18日
第5回社員総会 会長挨拶
公益社団法人日本歯科技工士会
会 長 杉 岡 範 明
会 長 杉 岡 範 明
第5回社員総会にお集まりの皆様に、一言ご挨拶申し上げます。
冒頭、この度の熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
被災された会員の皆様については、「日技熊本地震災害対策本部」の施策に添ってしっかりと対応させていただきます。
さて、昨年は歯科技工士法制定および本会創立60周年の記念すべき年でありました。10月17日に福岡市で開催した60周年地域交流記念大会は、行政、関係団体はじめ、各種表彰の受賞者等、多数の方々のご参加を得て、盛大に開催することが出来ました。開催地の福岡県技と九州の各地域組織のご協力の賜物です。本会の歴史に新たなページを刻み、歯科技工士の明るい未来に向けた船出となりました。ご協力に感謝申し上げます。
本年2月28日には、我が国初の全国統一による「歯科技工士国家試験」が実施され、歯科技工士の長年の悲願が適いました。3月28日には合格者が発表され、1,104名の若者が歯科技工士としての歩みを始めました。次代を担う彼らが、この先も誇りを持って歩んで行けるような環境を作ることが、我々の使命です。
この1年間、日技新発展『7』プラン推進の成果として、研修カードの発行、日技指定研修事業における顎口腔機能学研修の実施等の新規事業をスタートさせました。また、歯科技工士という職業を進路選択の時期にある高校生世代にお伝えするための書籍『歯科技工のおもしろさ』は、2版を重ねました。さらに、地域組織の皆様に複数回にわたりご協力いただきました「歯科技工所開設届け出等整備推進事業」の進展により、厚生労働省担当部局が衛生行政報告例における歯科技工所数の誤りを認め、より正確な結果を得る制度設計として、歯科技工士法施行規則等の一部改正等を行うに至りました。引き続き、工程表に沿って魅力ある組織作りに邁進するとともに、皆様からお預かりした会費を確実に事業として還元してまいります。
歯科技工士の諸課題解決の道筋を審議していただいた総合政策審議会からは、2月12日、「歯科技工士の資質向上」と「歯科技工士の環境整備」を主要テーマに答申書をいただきました。この答申を力に、全体を俯瞰しながら各論の実現を進めます。
具体的な政策活動は、法律と制度を改正するために連盟組織と協調して、歯科技工士養成所指定規則第2条2の改正による修業年限3年以上を目指すとともに、良好な歯科技工経済実現に向けての第1歩として、これまでの積み重ねてきた製作技工に関わる診療報酬点数の改正が担当者の果実となるように、行政に対し社会保険歯科診療における「製作技工に要する費用」の定義の明確化を求め、歯科医師、歯科技工士の共通理解を促進し、新たに製作技工に関わる診療報酬点数の通知を求めてまいります。
会長という大任にご指名いただき、これまで全力で駆け抜けて参りました。中でも、東京都大田区立池上第二小学校の6年生の女子児童からの「私の夢は歯科技工士です」というお手紙を頂くことから始まった『ドリームプロジェクト』への協力は、私にとって特に思い出深く、未来への希望を感じるものでした。改めて、今を生きる者の責任を痛感し、今期の会務執行に対するご協力に深く感謝申し上げます。
最後に、本日の会議が、資格者会員のナショナルセンターとして、その責任と使命を社会に示す有意義な機会となりますように心から願っております。