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望月 衣塑子 (著) 武器輸出と日本企業 (角川新書)

2020年01月07日 | amazon.co.jp・リストマニア


民生用の技術、無人化技術が軍事利用される時代の日本の企業と大学の選択

2018/05/22 21:03

投稿者:歯職人

 「武器輸出三原則」(1共産圏 2国連決議で禁止された国 3国際紛争の当事国や恐れのある国に輸出を認めない方針)から、日本の防衛関連企業の生き残りと日本自体の防衛力の向上のために武器輸出に取り組もうという時代の変化と関係者の意識を捉えた一冊です。

 著者の望月衣塑子・東京新聞記者は、菅官房長官記者会見で質問で認知度を増した方ですが、本書はそれ以前の防衛省担当時代の取材に基づくものです。

 「武器」と言っても、見た目に分かりやすい兵器に留まらず、軍事・軍隊で利用可能な様々技術等が含まれている様ですが、それらを生産する企業経営者や生産現場の立場、利用可能な科学技術を研究する大学・研究者の立場や意識の変化を、現場を訪ね問い続けているのが著者の特徴と言えるかもしれません。著者の社会部育ちの手法が生きているようです。

 望月記者の根底にあるものは、「第7章 進む無人機の開発」の冒頭で取り上げる無人機の爆撃により家族を奪われ自身も右手を負傷したパキスタン人の少女ナビラ・レフマンさんとの出会いかもしれません。欧米のメディア、日本のメディア取り上げられるパキスタン・タリバン運動に銃撃され一命を取り留めたノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんではなく、なぜナビラ・レフマンさんなのかは、本書をお読みください。

 望月さんは、時代の変化を警告する「炭鉱のカナリア」なのかもしれません。
 
https://honto.jp/netstore/pd-book_27910832.html 


https://www.amazon.co.jp/%E6%AD%A6%E5%99%A8%E8%BC%B8%E5%87%BA%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BC%81%E6%A5%AD-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%9C%9B%E6%9C%88-%E8%A1%A3%E5%A1%91%E5%AD%90/dp/404082086X/ref=pd_sxp_redirect

角川新書
武器輸出と日本企業

望月 衣塑子【著】

価格 ¥864(本体¥800)
KADOKAWA(2016/07発売)

サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
商品コード 9784040820866
NDC分類 559.1
Cコード C0231

内容説明

武器輸出三原則が事実上の撤廃となった。防衛省は防衛装備庁を発足させ、資金援助や法改正の検討など、前のめりに突き進む。一方で、防衛企業の足並みはそろわない。なぜか?三菱重工や川崎重工など大手に加え、傘下の企業、研究者などに徹底取材。解禁後の混乱が明かされる。

目次

第1章 悲願の解禁
第2章 さまよう企業人たち
第3章 潜水艦受注脱落の衝撃
第4章 武器輸出三原則をめぐる攻防
第5章 “最高学府”の苦悩
第6章 デュアルユースの罠
第7章 進む無人機の開発

著者等紹介

望月衣塑子[モチズキイソコ]
1975年、東京都生まれ。東京新聞社会部記者。慶應義塾大学法学部卒業後、東京・中日新聞に入社。千葉、横浜、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材する。2004年、日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑の一連の事実をスクープし、自民党と医療業界の利権構造を暴く。また09年には足利事件の再審開始決定をスクープする。東京地裁・高裁での裁判担当、経済部記者などを経て、現在は社会部遊軍記者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報

前のめりな防衛省、とまどう企業…「新三原則」後の知られざる現状「武器輸出三原則」が見直された。防衛省は法令を検討するなど前のめりだが、防衛企業は足踏みのところも多い。技術流出のリスク、見えない敵への恐れ、ビジネスとしての旨み……知られざる現状をレポートする。

望月 衣塑子[モチヅキ イソコ]
1975年、東京都生まれ。東京新聞社会部記者。慶応義塾大学法学部卒業後、東京新聞に入社。千葉、横浜、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材する。2004年、日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑の一連の報道をスクープし、自民党と医療業界の利権構造の闇を暴く。また09年には足利事件の再審開始決定をスクープする。東京地裁・高裁での裁判担当、経済部記者などを経て、現在は社会部遊軍記者。防衛省の武器輸出政策、軍学共同などをメインに取材している。二児の母。趣味は子どもと遊ぶこと。

https://www.kadokawa.co.jp/product/321601000760/

武器輸出と日本企業

前のめりな防衛省、とまどう企業…「新三原則」後の知られざる現状
著者 望月 衣塑子
定価 864円(本体800円+税)
発売日:2016年07月10日
レーベル:角川新書


武器輸出と日本企業


前のめりな防衛省、とまどう企業…「新三原則」後の知られざる現状

森達也氏(映画監督・作家・明治大学特任教授)推薦

「読み終えて言葉を失う。

人類はなぜ戦争を止められないのか。
その大きな理由の一つがここにある。
そしてこの理由は、今の日本がどの方向に
進もうと知るかを明確に示している。

勇気ある一冊だ。」



もくじ

はじめに 

第1章 悲願の解禁

晴れやかなお披露目
さっそく動き始める防衛装備庁
220社30万部品が集結した「平成のゼロ戦」
「心神」初飛行が成功
フランスの武器見本市に日本の企業が初参加
解禁前から動いていた富士通
買収された「日系企業」は制約を受けない

第2章 さまよう企業人たち

防衛産業は「儲かる」のか
企業人たちの迷い
三菱重工が下請け750社に課す厳しい独自規格
進まない武器のファミリー化
海外が熱視線を注ぐ日本の電子技術
「そもそもどういう国になりたいのですか?」
防衛省が検討する手厚い支援策

第3章 潜水艦受注脱落の衝撃

機密の塊を外国へ
世界で急増する潜水艦の輸出
必死さを見せる三菱重工
オーストラリアと中国の急接近
止まない不安の声
武器輸出反対ネットワーク設立
4・26ショック
不安は解消していない

第4章 武器輸出三原則をめぐる攻防

朝鮮戦争でいきなりの例外規定
糸川英夫氏のロケット輸出、そして三原則成立へ
「堀田ハガネ」事件と見直し論
最後の晩餐、そして大再編へ
民主党政権での大幅な見直し
新三原則が内包する危険性
高い日本の武器
世界をめぐる武器
日本が目指すアメリカ式の軍産複合体
アメリカで起こった国防研究者への弾劾運動

第5章 「最高学府」の苦悩

東京大学の大転換、軍事研究を容認
アメリカ軍からの資金援助
グーグルが買収した東大元研究員のベンチャー
日の当たらなかったロボット研究
東大チームもロボコン決勝へ
アメリカ国防総省からの熱視線
東大サークル、アメリカ海軍がスポンサーの大会に参加
「戦争をするなら勝つために」
東大へ軍事関係者が視察

第6章 デュアルユースの罠

研究代表は日本国籍―防衛省の新たな資金制度
マッハ5の極超音速エンジン技術
海洋研究開発機構も応募
応募大学で広がる波紋
反旗をひるがえした大学も
防衛装備庁の本音
戦時下の科学者の責任
国立アカデミーの宣言
突然の私見披露
全国で集まった9000人の反対署名
防波堤は科学者個人の倫理観のみ

第7章 進む無人機の開発

一人のパキスタン人少女との出会い
「3D仕事」と高齢化対策に無人機
日本で初の「ドローン」国際展示会
アメリカ企業の日本への売り込みが加速
ホテルニューオータニで無人機のシンポジウム
使用はまだ先……防衛省の無人機
防衛官僚のイスラエル企業への接近
まきこまれる民間人
「ゾンビモード」で任務をこなす
日本はどこに向かっていくのか

あとがき


[書評]『武器輸出と日本企業』 望月衣塑子 著
今野哲男 編集者・ライター
http://webronza.asahi.com/culture/articles/2016092900006.html


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