歯科技工管理学研究

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歯科技工士・岩澤 毅

手に職。 (ちくまプリマー新書 91) (新書) 森 まゆみ (著)

2008年09月21日 | amazon.co.jp・リストマニア
職人、かく語りき

 衣食住すべての生活様式が変わり、また石油化学産業の勃興により一部は産業化された商品に置き変わり、激減した職人の世界。
 本書は、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』編集人の森まゆみ氏による、東京近郊の職人さんを「サウンド オブ マイスター」(文化放送の番組)の一コーナーとして、その仕事場に訪ねた記録です。
 20人の職人さんが特に構えることも無く、それぞれの仕事の内容と職人となったきっかけ、そして後継者とその職の行く末に付いて淡々と語る。
 職人さんの技や職人を必要とした江戸・東京の下町の生活も勿論興味深いが、一人ひとりの職人さんの生き方が垣間見える記述が楽しい。
 ラジオ番組のコーナー企画であるだけに、活字になった本書から仕事場の音と職人の語り口を想像することは困難である点が残念である。

地域雑誌『谷中・根津・千駄木』
http://www.yanesen.net/


文化放送 サウンド オブ マイスター
http://www.joqr.co.jp/meister/tokyo/


テニショク チクマプリマーシンショ
ちくまプリマー新書
手に職。

森 まゆみ【著】
筑摩書房 (2008/09/10 出版)

189p / 18×11cm
ISBN: 9784480687944
NDC分類: 502.1


価格: ¥819 (税込)

詳細
勉強だけではメシは食えない!20人の下町の職人たちが、モノつくりになるまでの道筋と喜びを語る。

鮨―野池幸三(谷中)
大工―菊池芳明(谷中)
三味線―野口哲彦(千駄木)
江戸和竿―中根喜三郎(千住)
手植ブラシ―宮川彰男(浅草)
指物―木村正(下谷)
足袋―宮内梅治(両国)
提灯―恩田舜史(駒形)
つまみかんざし―石黒誠治(寿)
江戸刺繍―竹内功(千住)
切子硝子―門脇健二・裕二(北砂)
おろし金―大矢昭夫(和光)
江戸やすり―深澤敏雄(上野)
鋏―川澄巌(足立)
貴金属眼鏡枠―会田耕治(台東)
桐箪笥―町田金三郎(尾久)
べっ甲―赤塚博(谷中)
佃煮―金子誠(日暮里)
そば―越康次
鳶―西出の頭(神田)

職人たちはなぜその仕事を選んだのか。仕事のどこが大変で、どうやって一人前になったか。理屈では語れないモノつくりの世界の喜びが、その人生談から滲み出す。
著者紹介
森まゆみ[モリマユミ]
1954年東京都文京区動坂に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学新聞研究所修了。地域雑誌『谷中・根津・千駄木』(愛称「谷根千」)編集人。資料の読み込みと足を使った取材で江戸・東京の地誌研究に新たな境地を開いた。幅広い執筆活動と同時に、地域を基礎にした建築の保存や環境保全に対して積極的に発言・行動している。そうした長年の活動により建築学会文化賞を受賞。著書に『鴎外の坂』(新潮文庫、芸術選奨文部大臣新人賞)、『「即興詩人」のイタリア』(講談社、JTB紀行文学大賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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