書名 歯科医療のおもしろさ 後輩たちへ贈る28のドラマ
橋本光二・升谷滋行・飯野文彦 編集
発行日 2013年01月15日 判型 A5判 314頁
定価 1,944円(税込) 発行 口腔保健協会
秋田県歯科技工士会 岩澤毅
マスコミに登場する職業としての歯科に関する話題が、「歯科医師のワーキングプア」「歯科大学(歯学部)への志願者減少」「歯科医師国家試験の合格率低下」等、ネガティブかつ売らんかなとより刺激を求めているのではと疑いたくなる傾向を示しだし、十数年が経過した。
この間、職業としての歯科を志す若者の減少傾向は、歯科技工士のみならず歯科医師でも顕著なものとなっている。
本書は、28名の歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士等による、この様な時代の風潮の中、歯科に係る学校を選択した後輩たちに贈る、自分が見つけた「歯科医療のおもしろさ」の体験記です。
28名の著者が、それぞれの職業としての歯科を選択し、何を支えにその歩みを重ね、自己を形成してきたかの道筋が、「28編のドラマ」を成している。後輩たちに歯科のおもしろさを伝えるという企画意図と著者の伝えることに対する意欲が響き合い、それぞれが輝きを放っている。
職業が単に生活の糧を得るためのもののみではなく、自己実現の一つの方法であることが、本書により今一度確認できる。
歯科技工士編には、神奈川の今牧謙さん、広島の下江宰司さん、北海道の杉岡範明さん、広島の松井哲也さんが登場する。それぞれの体験と視点から歯科技工を語り、その魅力をご自分の言葉で描き出している。
就業されている方はもちろん、現在職から離れている方、職業選択を考え出したお子さんをお持ちの方にも、お勧めしたい一冊です。